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第258話 属性魔法攻撃

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「ならば弓矢隊は後退。
 変わりに魔法隊は前に出て戦闘配置と同時に攻撃準備。
 まずは火属性魔法で魔族侵攻軍前衛に展開する骸骨スケルトンを攻撃せよ!」

「「「火球ファイアボウル!!!」

 守備隊長の号令で魔法隊から一斉に放たれた火属性攻撃魔法が
 骸骨スケルトンに次々と命中して灰にしていく。
 死肉で構成されたその身体はその見た目通り、
 火の攻撃が効果覿面こうかてきめんであった。
 しかし、泥人形マッドール骸骨スケルトンの前に展開して壁となり火球ファイアボウルを受け止めた。
 泥で出来た泥人形マッドールには火の攻撃は効果が薄いということである。
 ならば…こちらの攻撃魔法の属性を変えるまでと、
 レオ守備隊長は次の号令を掛ける。

「魔法隊、風属性魔法で泥人形マッドールを攻撃せよ!」

「「「風刃ウィンドセイバー!!!」」」

 魔法隊から風属性攻撃魔法が一斉に放たれた。
 風の刃が泥人形マッドールの泥の身体を切り刻んでバラバラに引き裂いていく。

 だがそこへ石の身体で出来ている石魔ガーゴイル が
 空中から泥人形マッドールの前に降下して風の攻撃魔法を弾く。
 その石で出来た身体には風の刃は通らない様である。
 魔族軍も我々の攻撃に対応して次々と編成を変更してくる。
 ただ突撃してくるだけの化け物の軍勢では無いという事なのだ。
 石である石魔ガーゴイルには火や氷の魔法も効きづらい様である。
 しかしより強い物理攻撃ならば通る筈とレオ守備隊長は考えた。

「投石隊、石魔ガーゴイルを攻撃せよ!」

 投擲兵器とうてきへいき投石器ストーンヘッジから物凄い速度で放たれた巨石が
 石魔ガーゴイルに命中し粉々に撃ち砕いた。

 一般兵士の平均魔力魔法数値は10。
 骸骨スケルトン、平均魔力数値10。
 泥人形マッドール、平均魔力数値15。
 悪霊ファントム、平均魔力数値20。
 石魔ガーゴイル 、平均魔力数値25。
 ここまでの相手なら我等守備隊でも渡り合える。

 石魔ガーゴイルが石の翼を羽ばたかせて後退していく。
 そしてこの魔族侵攻軍の主力である土くれの巨人ゴウレムが前衛に躍り出る。
 その固い岩石で構成された重厚な装甲で、
 投石器ストーンヘッジから放たれた巨石をも弾き返した。

 土くれの巨人ゴウレムの魔力数値100前後。
 攻撃力、防御力はこれ迄の魔族とは比較にならず、
 地面の土を取り込んで再生する能力もある。
 脆弱な人間の生半可な攻撃では、
 相手をすることもままらない恐るべき存在である。
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