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第253話 本気泣き
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「ケイガ兄君様、
何度も何度も何度も…
我が愚従妹が粗相をして…
本当に、本当に申し訳ない…。
従姉のボクが替わって此処に深く謝罪させてもらうよ…ごめん」
「いや…まあ…うん…
そうだなあ…
でも俺はそんなに気にしちゃいないから…
だから頭を上げてくれミリィ」
俺は深く頭を下げて謝罪するミリィをたしなめた。
しかし、こう何度も猛攻を受け続けてしまっては…
さしもの俺も、ポーラ姫をフォローをする言葉が口から出なかった。
「それじゃあ気を取り直して…
魔法授業の再開と行こうじゃないかケイガ兄君様。
ボクが責任を持って、
みっちりと兄君様の魔法修得の指導をさせてもらうよ」
「ああミリィ、こちらこそよろしく頼むよ。
…と、その前にちょっとお願いしたいことが有るんだが良いかな?」
「何かな、兄君様?」
「それはなあ…」
俺は自分の隣で机に突っ伏している妹歴16年の我が妹、
鳴鐘 優羽花に視線を移した。
「…うう…
何でヒカリちゃん…
あたしのこと…おねえちゃんって呼んでくれないのおぉお…」
おおう…
我が妹が本気泣きしておられるぞ!
「優羽花。
なんども言うけどそれはできない。
優羽花は生粋の妹たる存在。
姉とは正反対の存在。
優羽花をおねえちゃんと呼ぶことはセカイの摂理に反する。
わたしはこの世界エゾン・レイギスの安定を望む精霊の一柱、『光の精霊』。
セカイの摂理に逆らうことで、
ゲシュタルト崩壊を発生させ、
セカイを滅ぼすきっかけを生み出すことは許されない」
ヒカリが難しい事を並べ立てながら…
それでもはっきりと、
優羽花の希望を断っている。
「うう…何でようヒカリちゃあん…
ちょっとぐらい良いじゃないぃ…」
「だめ」
「ううう…ヒカリちゃんが冷たいよぉ…」
また本気泣きを始める優羽花。
しかし我が妹よ、
お前が可愛いもの好きというのは知っていたし、
実は可愛い妹が欲しかったというのも理解はしたが、
それでも幼女相手に本気泣き尽くしとか…
流石のお兄ちゃんでもドン引きしているぞ。
…と、とにかく、
このまま我が妹を泣きっぱなしで放置していては何も始まらない。
「こら、優羽花。
あまりヒカリを困らせちゃいけないだろう?」
俺は右手を伸ばすと、彼女の頭を軽く小突いた。
何度も何度も何度も…
我が愚従妹が粗相をして…
本当に、本当に申し訳ない…。
従姉のボクが替わって此処に深く謝罪させてもらうよ…ごめん」
「いや…まあ…うん…
そうだなあ…
でも俺はそんなに気にしちゃいないから…
だから頭を上げてくれミリィ」
俺は深く頭を下げて謝罪するミリィをたしなめた。
しかし、こう何度も猛攻を受け続けてしまっては…
さしもの俺も、ポーラ姫をフォローをする言葉が口から出なかった。
「それじゃあ気を取り直して…
魔法授業の再開と行こうじゃないかケイガ兄君様。
ボクが責任を持って、
みっちりと兄君様の魔法修得の指導をさせてもらうよ」
「ああミリィ、こちらこそよろしく頼むよ。
…と、その前にちょっとお願いしたいことが有るんだが良いかな?」
「何かな、兄君様?」
「それはなあ…」
俺は自分の隣で机に突っ伏している妹歴16年の我が妹、
鳴鐘 優羽花に視線を移した。
「…うう…
何でヒカリちゃん…
あたしのこと…おねえちゃんって呼んでくれないのおぉお…」
おおう…
我が妹が本気泣きしておられるぞ!
「優羽花。
なんども言うけどそれはできない。
優羽花は生粋の妹たる存在。
姉とは正反対の存在。
優羽花をおねえちゃんと呼ぶことはセカイの摂理に反する。
わたしはこの世界エゾン・レイギスの安定を望む精霊の一柱、『光の精霊』。
セカイの摂理に逆らうことで、
ゲシュタルト崩壊を発生させ、
セカイを滅ぼすきっかけを生み出すことは許されない」
ヒカリが難しい事を並べ立てながら…
それでもはっきりと、
優羽花の希望を断っている。
「うう…何でようヒカリちゃあん…
ちょっとぐらい良いじゃないぃ…」
「だめ」
「ううう…ヒカリちゃんが冷たいよぉ…」
また本気泣きを始める優羽花。
しかし我が妹よ、
お前が可愛いもの好きというのは知っていたし、
実は可愛い妹が欲しかったというのも理解はしたが、
それでも幼女相手に本気泣き尽くしとか…
流石のお兄ちゃんでもドン引きしているぞ。
…と、とにかく、
このまま我が妹を泣きっぱなしで放置していては何も始まらない。
「こら、優羽花。
あまりヒカリを困らせちゃいけないだろう?」
俺は右手を伸ばすと、彼女の頭を軽く小突いた。
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