248 / 556
第248話 言霊
しおりを挟む
「この世界エゾン・レイギスでは魔力の強さは
そのまま肉体の強さに比例する。
そして魔力で行使される魔法の強さももちろん上がる。
我が従妹ポーラは
この試合の土壇場に於いて、大きく魔力を向上させた。
つまり物理戦、魔法戦どちらにおいても、
その強さはさっきまでとは比べ物にならない筈だよ」
「でもミリィはさっき言っていたじゃないか。
身体能力は魔法数値とは違う。
数値に出ない身体能力ではシノブさんの方が上回っているって」
「ケイガ兄君様。
確かに魔力の強さと身体能力の強さは
そのままの数値の比例では反映されないけれど、
魔力が向上すればその分、身体能力に確実にプラスはされるんだ。
肉体が強くなるってことは
そのまま力、防御力、速度が上がるということだからね。
ポーラは魔力数値を一気に50も上げたんだ。
対してシノブの魔力数値は70、
これ程の数値となればポーラとシノブとの身体能力の差を埋めるには十分だ。
それに加えてポーラは魔法の強さ、
つまり威力や次弾へのタイムラグも向上しているだろう。
つまりポーラの自信は決して戯言なんかじゃない。
そして…そんなポーラを最も間近で見ていたシノブも
そのことは解っている筈だよ。
戯言なんて言ったのは、
気勢を保つための自分への発破掛けだったんじゃないかな?」
そ、そんな…
それじゃあシノブさんは…
勝てないってことか?
俺はその言葉を飲み込んだ。
言霊という言葉がある。
言ってしまえば現実になると言う意味。
だから俺は口にするの止めたのだ。
俺は正直言ってシノブさんを応援している。
普通に仲の良い兄妹の関係を望む俺の意を汲んでくれた彼女に
ぜひ勝ってほしいと願っているのだ。
もしポーラ姫が勝とうものなら俺は…
あっと言う間に兄としての尊厳も何もかも破壊されてしまうだろう。
美少女おっぱいプリンセスという属性てんこ盛りの彼女が
本気で攻勢を仕掛けて来ようものなら
25歳童貞であり、おっぱい星人でもある俺に抗う術は皆無なのである。
だから…勝ってくださいいいシノブさああああん!!
「シノブ、
来ないのですか?
それではわたくしから行きますよ?」
その言葉が言い終わるかより早く、ポーラ姫の姿が消えた。
次の瞬間、シノブさんの間近に瞬速で跳んで一気に間合いを詰めた彼女。
その手に握った杖を超速でシノブさんに向けて振り下ろす。
対して迎え撃つシノブさんも超速で剣を振るう。
二人の得物が音を立てて激しくぶつかり合った。
そのまま肉体の強さに比例する。
そして魔力で行使される魔法の強さももちろん上がる。
我が従妹ポーラは
この試合の土壇場に於いて、大きく魔力を向上させた。
つまり物理戦、魔法戦どちらにおいても、
その強さはさっきまでとは比べ物にならない筈だよ」
「でもミリィはさっき言っていたじゃないか。
身体能力は魔法数値とは違う。
数値に出ない身体能力ではシノブさんの方が上回っているって」
「ケイガ兄君様。
確かに魔力の強さと身体能力の強さは
そのままの数値の比例では反映されないけれど、
魔力が向上すればその分、身体能力に確実にプラスはされるんだ。
肉体が強くなるってことは
そのまま力、防御力、速度が上がるということだからね。
ポーラは魔力数値を一気に50も上げたんだ。
対してシノブの魔力数値は70、
これ程の数値となればポーラとシノブとの身体能力の差を埋めるには十分だ。
それに加えてポーラは魔法の強さ、
つまり威力や次弾へのタイムラグも向上しているだろう。
つまりポーラの自信は決して戯言なんかじゃない。
そして…そんなポーラを最も間近で見ていたシノブも
そのことは解っている筈だよ。
戯言なんて言ったのは、
気勢を保つための自分への発破掛けだったんじゃないかな?」
そ、そんな…
それじゃあシノブさんは…
勝てないってことか?
俺はその言葉を飲み込んだ。
言霊という言葉がある。
言ってしまえば現実になると言う意味。
だから俺は口にするの止めたのだ。
俺は正直言ってシノブさんを応援している。
普通に仲の良い兄妹の関係を望む俺の意を汲んでくれた彼女に
ぜひ勝ってほしいと願っているのだ。
もしポーラ姫が勝とうものなら俺は…
あっと言う間に兄としての尊厳も何もかも破壊されてしまうだろう。
美少女おっぱいプリンセスという属性てんこ盛りの彼女が
本気で攻勢を仕掛けて来ようものなら
25歳童貞であり、おっぱい星人でもある俺に抗う術は皆無なのである。
だから…勝ってくださいいいシノブさああああん!!
「シノブ、
来ないのですか?
それではわたくしから行きますよ?」
その言葉が言い終わるかより早く、ポーラ姫の姿が消えた。
次の瞬間、シノブさんの間近に瞬速で跳んで一気に間合いを詰めた彼女。
その手に握った杖を超速でシノブさんに向けて振り下ろす。
対して迎え撃つシノブさんも超速で剣を振るう。
二人の得物が音を立てて激しくぶつかり合った。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる