シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

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第244話 武装変化

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 俺に向かって微笑んだポーラ姫の綺麗な瞳が、
 妖艶めいた輝きを見せた。
 これは攻めの眼差しドS”の気配…
 俺は全身の毛が逆立つのを感じた。

「ふふっ…お兄様。
お子は何人がよろしいでしょうか?」

 えっ…それって…?
 さっきポーラ姫が言っていた、
 俺に魔法を教える中でより親密な関係になって云々ってことか!?

 そ、そんな…
 俺はただ…
 妹たちとは清らかな兄妹の関係を結びたいだけなのに…
 しかしこのままポーラ姫が勝てば
 俺に魔法を教えるのは彼女になってしまうだろう。
 そして俺にはそれを断る理由が無い…。

 童貞歴25年の俺が…
 超ド級美少女巨乳プリンセスである彼女に、
 魔法の指導という名目で持って
 彼女の言う通りに付かず離れず身体を密着されて、
 今までよりも一気呵成に攻め込まれては…
 俺という城は為す術も無く落城してしまう…
 兄としての尊厳も何もかも破壊されてしまうのだ…
 俺は絶望しその場にうな垂れた。

「さあ、シノブ。
貴女にわたくしを倒す術はもう無いでしょう。
大人しく負けを認めて試合を棄権なさい」

「姫様。
私はそう簡単に諦める訳にはいかないのです。
姫様が国王代理の仕事を放り出してしまっては、
この聖王国の今が滞ってしまうのです。
私は国を護る騎士として、
国の未来よりも現在を取らなければならないのです。

…そして私はケイガ兄様の妹の一人。
勝利を確信した姫様を見て
あんなに落胆されているお兄様を見ては、
負ける訳にはいきません!」

「シノブさん…」

 おお…
 シノブさんは俺の意をちゃんと汲んでくれていた。
 ありがとう、シノブさん。
 以前はポンコツ女騎士とか言って悪かったです。
 俺は満面な笑顔でこくりと
 頷いて彼女に感謝を返した。

「…えっ、ちょっと待って下さいシノブ。
それだとお兄様はわたくしの勝利を
お喜びになっていないということなのでは?」

「…どうやら姫様の瞳はすっかり曇られておられる様子。
自身の欲に溺れてしまい。
兄様の心も見えなくなってしまったのでは無いですか?」

「そ、そんなことはありませんわ!
お兄様はわたくしを拒みはしません!」

「ポーラ姫様…
騎士である私が剣を捧げしあるじ
ですが時には、
主の目を覚まさせるのも部下である騎士の務め!
武装変化フォームチェンジ
双剣軽装武装ダブルライトフォーム!」

 シノブさんの声と共に、
 彼女の全身を纏う魔鋼製鎧マジックメイルが変形する。
 その重装甲が外れて別のひとつの物体、
 ”剣”に組み変わって彼女の左手に握られた。
 シノブさんは全身鎧フルプレートから
 その美しい身体のラインが丸見えの軽装の衣装となり、
 そして両手に剣を構えた二刀流の姿に変わった。
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