240 / 556
第240話 表
しおりを挟む
「姫様の云われたいことは良くわかりました」
「わかってくれましたかシノブ?
それではこの国の未来の為、
わたくしがお兄様に魔法をお教えすることを認めてくれますか?」
「残念ですが…それを認めることは出来ません」
「えっ?
何故なのですかシノブ?」
「私は姫様の剣であり盾である姫騎士団の団長シノブ。
ですが、ケイガ兄様の妹のひとりでもあります。
兄様はあくまで清らかなる兄妹の関係を望んでいた筈です。
ですが姫様はその関係を逸脱されて、男女の関係になるとおっしゃいました。
兄様の望みを否定し、あまつさえ兄様を独り占めされることなど…
妹として、姫様と言えども許すわけにはいきません!」
「姫様、恐れながら…クレハもケイガ兄様の妹として認めることは出来ません」
「イチョウもですわ姫様、失礼を承知で言わせて頂きますと…
ちょっと王族の横暴の匂いを感じますわよ?」
「そうですか…姫騎士団は
わたくしの意思を拒否するという事なのですね…」
「はい、姫様。
誠に残念ではありますが」
「私達にも譲れないものがあります故」
「此処は潔くお諦め下さいませ、わたしたちの姫様」
姫騎士団の団長であるシノブさん、
そして団員のクレハ、イチョウの三人はポーラ姫の行為をぴしゃりと否定した。
前々から感じてはいたがこれではっきりとした。
姫騎士団はポーラ姫の絶対服従の部下、
いわゆる”イエスマン”では無いということだ。
意見し、物言う部下なのである。
俺は彼女たちの関係が只の主従関係では収まらないもっと深いものなのでは?
と感じ始めている。
「ふふっ…」
そんな彼女たちに対してポーラ姫は不敵に笑った。
「姫騎士団。
貴女たちに取ってケイガお兄様は譲れないものであることを
わたくしとしたことが…すっかりと失念しておりましたわ。
そしてわたくしに対して一切物怖じしないその姿勢。
流石はわたくし自慢の姫騎士団ですわ!」
「お褒め頂き光栄でございます、姫様」
シノブさん達は一斉に膝を突き臣下の礼を取った。
「…ですが、わたくしも譲れないのです。
この国の為、この国の未来の為、
そして他らなぬ…わたくしの思いの為、
わたくしはお兄様に魔法をお教えしなければならないのです!」
「ですが姫様、このままでは私達と姫様で押し問答で何時になっても決まりません。
国王代理の仕事も溜まる一方です。
そろそろ決めどきかと具申します。
それでは此処は何かの勝負事で決めるというのはどうでしょうか?」
「それは良いですねシノブ。
ではいたって簡潔に行きましょう。
…表へ出なさい!」
「わかってくれましたかシノブ?
それではこの国の未来の為、
わたくしがお兄様に魔法をお教えすることを認めてくれますか?」
「残念ですが…それを認めることは出来ません」
「えっ?
何故なのですかシノブ?」
「私は姫様の剣であり盾である姫騎士団の団長シノブ。
ですが、ケイガ兄様の妹のひとりでもあります。
兄様はあくまで清らかなる兄妹の関係を望んでいた筈です。
ですが姫様はその関係を逸脱されて、男女の関係になるとおっしゃいました。
兄様の望みを否定し、あまつさえ兄様を独り占めされることなど…
妹として、姫様と言えども許すわけにはいきません!」
「姫様、恐れながら…クレハもケイガ兄様の妹として認めることは出来ません」
「イチョウもですわ姫様、失礼を承知で言わせて頂きますと…
ちょっと王族の横暴の匂いを感じますわよ?」
「そうですか…姫騎士団は
わたくしの意思を拒否するという事なのですね…」
「はい、姫様。
誠に残念ではありますが」
「私達にも譲れないものがあります故」
「此処は潔くお諦め下さいませ、わたしたちの姫様」
姫騎士団の団長であるシノブさん、
そして団員のクレハ、イチョウの三人はポーラ姫の行為をぴしゃりと否定した。
前々から感じてはいたがこれではっきりとした。
姫騎士団はポーラ姫の絶対服従の部下、
いわゆる”イエスマン”では無いということだ。
意見し、物言う部下なのである。
俺は彼女たちの関係が只の主従関係では収まらないもっと深いものなのでは?
と感じ始めている。
「ふふっ…」
そんな彼女たちに対してポーラ姫は不敵に笑った。
「姫騎士団。
貴女たちに取ってケイガお兄様は譲れないものであることを
わたくしとしたことが…すっかりと失念しておりましたわ。
そしてわたくしに対して一切物怖じしないその姿勢。
流石はわたくし自慢の姫騎士団ですわ!」
「お褒め頂き光栄でございます、姫様」
シノブさん達は一斉に膝を突き臣下の礼を取った。
「…ですが、わたくしも譲れないのです。
この国の為、この国の未来の為、
そして他らなぬ…わたくしの思いの為、
わたくしはお兄様に魔法をお教えしなければならないのです!」
「ですが姫様、このままでは私達と姫様で押し問答で何時になっても決まりません。
国王代理の仕事も溜まる一方です。
そろそろ決めどきかと具申します。
それでは此処は何かの勝負事で決めるというのはどうでしょうか?」
「それは良いですねシノブ。
ではいたって簡潔に行きましょう。
…表へ出なさい!」
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
レベルアップしない呪い持ち元神童、実は【全スキル契約済み】 ~実家を追放されるも呪いが無効な世界に召喚され、爆速レベルアップで無双する~
なっくる
ファンタジー
☆気に入っていただけましたら、ファンタジー小説大賞の投票よろしくお願いします!☆
代々宮廷魔術師を務める名家に庶子として生まれたリーノ、世界に存在する全ての”スキル”を契約し、一躍神童と持ち上げられたがレベルアップ出来ない呪いが
発覚し、速攻で実家を追放されてしまう。
「”スキル辞典”のリーノさん、自慢の魔術を使ってみろよ!」
転がり込んだ冒険者ギルドでも馬鹿にされる日々……めげないリーノは気のいい親友と真面目な冒険者生活を続けていたのだが。
ある日、召喚獣として別世界に召喚されてしまう。
召喚獣らしく目の前のモンスターを倒したところ、突然リーノはレベルアップし、今まで使えなかったスキルが使えるようになる。
可愛いモフモフ召喚士が言うには、”こちらの世界”ではリーノの呪いは無効になるという……あれ、コレってレベルアップし放題じゃ?
「凄いですっ! リーノさんはわたしたちの救世主ですっ!」
「頼りにしてるぜ、リーノ……ふたりで最強になろうぜ!」
こっちの世界でも向こうの世界でも、レベルアップしたリーノの最強スキルが大活躍!
最強の冒険者として成り上がっていく。
……嫉妬に狂った元実家は、リーノを始末しようととんでもない陰謀を巡らせるが……。
訪れた世界の危機をリーノの秘儀が救う?
「これは……神の御業、NEWAZAですねっ!」
「キミを押さえ込みたいんだけど、いいかな?」
「せ、せくはらですっ!」
これは、神童と呼ばれた青年が、呪いの枷から解き放たれ……無数のスキルを駆使して世界を救う物語。
※他サイトでも掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが
米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。
その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。
更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。
果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!?
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる