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第234話 魔力捜索

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「ケイガ兄君様あにぎみさま
何度も何度も我が愚従妹ぐまいが本当に申し訳ない…。
そしてポーラに乗せられてしまったボクも悪いよね…
此処に深く謝罪させてもらうよ…ごめんね」

「いいや…
はっきりとポーラに否定の意思を見せなかった俺にも責があるから…。
だから頭を上げてくれミリィ」

 俺は深く頭を下げて謝罪する彼女をたしなめた。
 まあ確かに…ポーラ姫の猛攻に俺は終始たじたじで疲労困憊の身の上である。
 だが彼女に対して強く言葉を言わなかった俺にも原因があるのだ。
 本当に愛しい妹ならば、
 間違っているときは兄として言う時は言わなければならない。
 俺は妹歴16年の優羽花ゆうか静里菜せりなに対しては、
 言うべき時は言って来たはずなのである。

 …ならば何故ポーラ姫には何故言えなかった?
 どうして差がついたのか…
 慢心? 妹歴の差? おっぱいの違い?
 とにかく、今度同じ事態になったら
 俺は兄として毅然とした態度を取るつもりである。
 いつまでもふがいない兄のままではいられないのだ!
 そして妹たちにも申し訳が立たない。

「それじゃあ兄君様あにぎみさま
魔力心臓核マナハートコアの捜索を再開したいと思うんだけど…?」

おっとそうだった。
俺は『地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・四の型、瞑想めいそう』を解いた。
俺の見立てが合っているなら、
これで魔力心臓核マナハートコアが見つかるはず。

「ああ、よろしく頼むよミリィ」

「それじゃあ行くよケイガ兄君様あにぎみさま
魔力捜索マナサーチ!」

 ミリィが杖をかざすと俺の全身がぼんやりと輝いた。
 そして俺の胸の腹の間、いわゆる”みぞおち”の部分が特に一段と強く輝いている。
 もしかして、これが…?

兄君様あにぎみさま
その特に輝いている箇所が
魔力心臓核マナハートコアさ」

「おお!
やはりそうなんだな。
しかし今のミリィが使ったそれは魔法なのか?」

「うん、これは魔力の流れを調べる魔法、
魔力捜索マナサーチ』だよ。
ボクは魔法学者だからね、
こういった魔力を調べる捜索魔法も使えるんだ。
元々この魔法を使ってケイガ兄君様あにぎみさま
魔力心臓核マナハートコアを探すつもりだったのだけど…
ポーラに乗せられて
すっかり失念してしまっていたよ。
本当にごめんね…」

 へえ、そんな便利な魔法があるんだ。
 しかしそうなると、
 さっきのポーラ姫の直接おさわり捜索は一体何だったのか…?
 いや、どちらにしても
 俺が『瞑想めいそう』を使っていた以上、
 捜索魔法を使用しても魔力心臓核マナハートコアが見つからなかったかも知れない。
 いや、そもそもポーラ姫がミリィに割って入らなかったら…
 ミリィは捜索魔法を使ってすぐに魔力心臓核マナハートコアを見つけ出したのでは…?


 うん、これ以上は止そう。
 これではまるで、さっきの危機一髪の状況は
 全てポーラ姫に非がある様では無いか。
 兄としては愛しい妹をこれ以上悪くは言いたくないのである。
 だから俺は…深く考えるのをやめた…。
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