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第228話 木乃伊取り

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「…こ、こらっポーラ!?
そんなに執拗にケイガ兄君様あにぎみさまの身体に触れるなんて、
は、はしたないじゃないか!
兄君様あにぎみさまも困っているだろう?
すぐに止めるんだ!」

 ミリィはポーラ姫に俺の胸をまさぐるのを辞める様に注意する言葉を掛けた。
 それを受けてポーラ姫の手が停まった。
 ああ…何とか助かった…
 ありがとうミリィ。

 おっぱい星人である俺はポーラ姫に逆らう事が出来ない…。
 為す術も無くロイヤルおっぱいを押しつけられている…。

 そんな状態で…
 衣服越しではあるものの、
 その美しく細く柔らかいお姫様の指が、
 俺の胸に触れまくっているのである。
 そんなポーラ姫の圧倒的な攻勢に対して、
 童貞歴25年の俺に抗う術など無い…。
 もはや俺に勝ち目など無いのだ!

 その様に無惨に追い詰められた俺は、
 目の前に居るもうひとりの異世界妹であるミリィに助けを求めた。
 それを彼女は直ぐに察し、
 ポーラ姫に対して戒めの言葉を掛けてくれたのだ。
 理知的な思考と魔法学者としての頭の回転の良さは
 そのまま察しの良さにも直結するということである。
 俺はミリィに心の底から感謝した。

「ミリィお姉様。
そんなことをおっしゃられても…
わたくしはケイガお兄様の魔力心臓核マナハートコアを探していただけで、
ほかに他意はありませんわ。
…ね、お兄様?」

「えっ…?
あ、ああ…」

 ポーラ姫の瞳が再び妖艶めいた輝きを見せた気がした。
 またしても彼女が見せた”攻めの眼差しドS”に気圧されて
 俺は完全に動揺してしまい、
 曖昧な言葉を返してしまった。
 ああ、今の対応はいけなかった。
 其処はちゃんと否定の言葉を返すべきだったのだ…。

「…そんなことは無いだろうポーラ!
その手先の動きはあからさまに怪しい動きだったじゃないか!」

 それでもミリィは執拗にポーラ姫に食いかかってくれる。
 頼むミリィ…君だけが頼りなんだ。

「ミリィお姉様は深く考え過ぎですわ。
…でしたらお姉様もご一緒に
お兄様の魔力心臓核マナハートコアを探しましょう?
従姉妹しまい同士、仲良くお兄様の身体を捜索をすれば、
わたくしがよこしまな気持ち抜きだということも良く解る筈ですわ」

「…えっ…?
それは確かに…
そうかなあ…?
そ、それじぁあボクも一緒に、
兄君様あにぎみさまの身体を触って良いのかなあ…?
…えへへ…。
そ、そうじゃあなくて!
よし、ポーラ!
ボクも一緒にケイガ兄君様あにぎみさま
魔力心臓核マナハートコアを探すとしようかな…?」

 ミリィは頬を赤らめて、はにかんだ表情かお
 両手をわきわきとさせながら俺に近付いてくる。

 …えっ?
 ちょっと待ってえミリィさん!
 これじゃあ、
 典型的な木乃伊ミイラ取りが木乃伊ミイラじゃないですか!?

 俺は絶望した。
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