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第227話 攻めの眼差し

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「それじゃあ今からボクがケイガ兄君様あにぎみさま
魔力心臓核マナハートコアの捜索を始めようじゃないか。
…ポーラ、邪魔だから其処からどいてくれないかな?」

 ミリィは怪訝な顔で、
 俺の胸にずっと抱き付いたままのポーラ姫に言葉を掛ける。
 彼女はあれからずっと俺に張り付いたまま、
 一緒に魔法の講義を受けていたのである。
 俺自身も、ポーラ姫は何時までこうしているのかな…?
 とは思い始めてはいたのだが。

「…嫌ですの…お兄様の此処はポーラの専用席ですの…」

 ポーラ姫は口を尖らせると俺の背中に回している両腕の力をさらに強めた。
 うおおおおおお乳圧にゅうあつ凄いいいいいい!!

「子供みたいな我儘を言うんじゃないよポーラ!
兄君様あにぎみさまは一刻も早く魔法を修得したいんだよ?
それなのに君がそんな所に陣取ったままじゃ
魔法の修得が一向に進まないじゃないか!?」

「…でしたら、ケイガお兄様の魔力心臓核マナハートコアの捜索は
ミリィお姉様に成り代わって、わたくしポーラがお務めいたしますわ」

「なっ!?
それはボクの役目だよ
ポーラあ!」

「それではお兄様…失礼いたしますね」

ポーラ姫はそう言うと俺の胸の中心に両手を添えた。

「えっ…
ちょっとポーラ…?
うっ…うあっ…」

 ポーラ姫のたおやかな指が俺の胸の上でうごめく。
 俺はその柔らかな指の感触に耐えられなくなってしまい、
 思わず声を漏らしてしまった。

「…此処でしょうか?
…それとも…此処ですか?」

「ポ、ポーラ…ああっ…」

「…お兄様?
どうなされましたか?」

「あっ…いや…
ポーラ、そんなに触られると俺…」

「…お兄様…気持ちよさそうなお顔…」

「そ、そんなことは…!?」

「…ふふっ、でしたら
抵抗されないで下さいね?」

「…えっ?」

 一瞬、ポーラ姫の瞳が妖艶めいた輝きを見せた気がした。
 今迄の彼女は見せることが無かった”攻めの眼差しドS”の気配…
 俺は全身の毛が逆立つのを感じた。
 そしてポーラ姫は先程よりもその動きを増して俺の胸を触り始める。

「ポ、ポーラ…そんなに動いちゃ俺は…」

「…お兄様…
怖がらないで…
わたくしを受け入れて…」

「…あ、ああ…」

 このままでは俺はポーラ姫にされるがままになってしまう…
 兄の尊厳が奪われかねない…
 断固抵抗しなくては…
 しかし兄である俺には
 愛しい妹を力任せに跳ねのけるという野蛮なことは出来ない。
 力以外の方法でこの状況を脱出しなくては…。

「…ミ、ミリィ…」

 俺は突然のポーラ姫の行動に呆然として立ち尽くしている
 ハーフエルフの少女に手を伸ばして助けを求めた。
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