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第221話 何の躊躇も無く

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 あわわ…
 俺は…ポーラ姫に心の内を…
 心の動きを…完全に見透かされている…
 流石は生まれながら人の上に立つ王族であり、
 このエクスラント聖王国の実質のトップ、
 国王代理をも務める『聖王女』ポーラ姫。
 その慧眼けいがんに掛かれば
 生粋の庶民であり25歳童貞である俺の考えている事など
 手に取るようにわかるということなのだ。

 しかしですねえポーラさん、
 そんな大声で毎度、
 俺の思考を暴露されるのはその…
 とても恥ずかしいんですが…
 これじゃあまるで俺が、
 いつも貴女とキスしたいと思っているみたいじゃあないですか!?
 …まあ、大体は合っているんですけどね…。

 確かに俺は事あるごとに、
 彼女と出来ればキスしたいなあと思っている。

 …だって仕方が無いだろ!
 彼女は金髪碧眼の巨乳美少女お姫様なんだぞ!
 アニメやゲームで出てくるようなファンタジード級ヒロインなんだ!
 そんな二次元世界から飛び出してきたような超魅力的な彼女が
 俺にあからさまに好意を持っているんだ!
 それなら少しぐらい…
 やましいことを考えるだけなら…
 別に良いじゃないか…?

 ああ…
 やっぱりポーラ姫はとても可愛いなあ…
 おっぱい大きいなあ…
 柔らかそうな唇…キスしたいなあ…
 それぐらい思うのは男として普通だろ!
 いや必然…もはやセカイの定理といっても過言では無い!
 だから俺は悪くない!
 悪くないぞ!

 優羽花ゆうか
 静里菜せりな
 これが男のさがというものだ!
 兄さんはどうしようもなく男なんだ!!
 これが俺という存在ものなんだ!!!!!

 でもポーラ姫は俺好みの超ド級美少女であると同時に、
 俺の愛しい妹でもあるのだ。
 兄は妹にやましい気持ちを抱いてはならない。
 妹は慈しんで愛するものであって、
 性的な行為などもってのほかなのである。
 これが俺の兄としての心得なのだ。
 だから俺は彼女とキスしたいと思っても、
 実際に行為として実行することは有り得ないのだ。

「…でもケイガお兄様は妹であるわたくしを
キスという行為を持って愛したくないと言う思いも、
ポーラは重々承知しておりますの。
でもわたくしはそれでもお兄様とキスしたい。
…そしてお兄様も内心そう思っています。
つまりわたくしたちは両想いなのですわ!
両想いの兄妹の秘められた望みを
何の躊躇も無く叶えるにはどうしたら良いのでしょうか?
と、わたくしはいつも考えていました。
そしてミリィお姉様の魔法で跳ばされた瞬間に、
わたくしは咄嗟に思いつきましたの。
人工呼吸と言う救命行為でなら、
お兄様は何の躊躇も無くわたくしとキスをして下さるだろうという事に」
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