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第217話 ロイヤル魔法戦闘
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がぎん!
ポーラ姫とミリィは互いに握った杖をぶつけ合った。
凄まじい音が響き渡って衝撃の波動が周囲を揺らした。
がぎん!
がぎん!
がぎん!
互いに振るう杖がぶつかり合い火花を散らす。
杖を振るう速度、そしてパワー、
先程の二人とは別人である。
これが身体能力強化魔法の効果というものなのだろう。
ふたりはそれぞれ強化魔法を使った後、魔力数値が上昇した。
その上昇値は1割。
だがふたりの身体能力の上昇の幅は
1割程度では収まらない急上昇振りである。
格闘術を主体としている俺から見ても、
決してみくびってはいけない程に。
つまり身体能力強化魔法の効果は、
魔力数値のみでは計れないということか。
とにかく、魔法による身体能力の上昇の幅は
とても高いということを俺は肌で感じ取れた。
「流石だねポーラ、
見事な杖捌きだよ!」
「ミリィお姉様もお見事ですわ!」
ミリィの身体がぶれて視線から消えたと思いきや
あっと言う間にポーラ姫の背後に回り込んで杖を振りかぶる。
だがその瞬間ポーラ姫はくるりと身体を回転させながらその一撃を回避、
カウンターでミリィ向かって杖を突き入れる。
ミリィは真横に跳んで躱すと手に持った杖を真横に薙いだ。
ポーラ姫は杖を真下に振り落ろしてミリィの薙ぎを撃墜する。
普段のふたりからは想像もつかなかった
激しい近接戦闘の様子に俺は驚愕した。
ふたりとも聖王国の王族であり魔法の使い手。
だからその戦闘スタイルは魔法による遠距離戦闘が主体で
近接戦闘についてはあくまで補助的な腕前だろうと俺は思っていた。
…だがそれは単に俺の思い込みであった様だ。
この異世界エゾン・レイギスは人間と魔族が互いの存亡を賭けて争う
戦乱溢れるセカイなのである。
俺が元居たセカイよりも遙かに過酷な、
常に死と隣り合わせのセカイなのだ。
つまり…例え人の上に立つ王族であっても、
遠距離戦闘、近接戦闘、その他の
あらゆる戦い方に通じなければ生き残れないということなのだろう。
「けれど、ボクの部屋でこんな風に
従妹と魔法戦闘の実践を行うことになるとはね!
こんなこともあろうかと、
対魔戦闘用の結界を常時張っておいて良かったよ」
「備えあれば憂いなしということですわね、
流石はお姉様!
ぬかりはありませんの!」
なるほど…
先ほどの攻撃魔法、
そして今の近接戦闘で
凄まじい衝撃が部屋内で弾けていたにも関わらず
この部屋の中の瓶ひとつに至るまで全く壊れないのは
ミリィが言う結界を張っていたからか。
おそらく空間軸をずらして衝撃力をずらし、
無効化する空間が形成されているのだろう。
俺はかつて妖との戦いで
静里菜が似たような結界を張って
建物内への被害を無くしていた事を思い出した。
「ケイガお兄様、
わたくしは攻撃魔法はそう得意ではありませんけれど…
お兄様の為に頑張りますわ!
見てください、これが光の攻撃魔法ですの!
光線砲!!」
ポーラ姫は右手を真っすぐに突き出した。
次の瞬間、彼女の右手のひらから
光り輝くエネルギー球が生み出される。
「ケイガ兄君様、
光の攻撃魔法は魔族の闇の魔力に対して絶大な効果がある。
兄君様は、あまり乗り気では無かったけど、
光の攻撃魔法の修得も魔族との戦いに於いて戦力になるとボクは思うんだ。
今から魔族の闇の魔力と同質の闇属性防御魔法を展開するから、
その威力をその目で見て欲しい。
さあ行くよ闇の防御魔法、
黒の要塞!」
ミリィの前に暗黒の壁が出現した。
まるで彼女を天守にした黒い城郭の様である。
と同時に、ポーラ姫の手のひらから光り輝くエネルギー波が解き放たれた。
ミリィが作り出した黒の壁はポーラ姫が放った光線を阻む。
だが暗黒の壁に亀裂が生じていく。
ばぎぃいんん!!
暗黒の壁は粉々に砕け散り爆発、
周囲に衝撃波を巻き起こして
ミリィとポーラ姫を跳ね飛ばした。
ポーラ姫とミリィは互いに握った杖をぶつけ合った。
凄まじい音が響き渡って衝撃の波動が周囲を揺らした。
がぎん!
がぎん!
がぎん!
互いに振るう杖がぶつかり合い火花を散らす。
杖を振るう速度、そしてパワー、
先程の二人とは別人である。
これが身体能力強化魔法の効果というものなのだろう。
ふたりはそれぞれ強化魔法を使った後、魔力数値が上昇した。
その上昇値は1割。
だがふたりの身体能力の上昇の幅は
1割程度では収まらない急上昇振りである。
格闘術を主体としている俺から見ても、
決してみくびってはいけない程に。
つまり身体能力強化魔法の効果は、
魔力数値のみでは計れないということか。
とにかく、魔法による身体能力の上昇の幅は
とても高いということを俺は肌で感じ取れた。
「流石だねポーラ、
見事な杖捌きだよ!」
「ミリィお姉様もお見事ですわ!」
ミリィの身体がぶれて視線から消えたと思いきや
あっと言う間にポーラ姫の背後に回り込んで杖を振りかぶる。
だがその瞬間ポーラ姫はくるりと身体を回転させながらその一撃を回避、
カウンターでミリィ向かって杖を突き入れる。
ミリィは真横に跳んで躱すと手に持った杖を真横に薙いだ。
ポーラ姫は杖を真下に振り落ろしてミリィの薙ぎを撃墜する。
普段のふたりからは想像もつかなかった
激しい近接戦闘の様子に俺は驚愕した。
ふたりとも聖王国の王族であり魔法の使い手。
だからその戦闘スタイルは魔法による遠距離戦闘が主体で
近接戦闘についてはあくまで補助的な腕前だろうと俺は思っていた。
…だがそれは単に俺の思い込みであった様だ。
この異世界エゾン・レイギスは人間と魔族が互いの存亡を賭けて争う
戦乱溢れるセカイなのである。
俺が元居たセカイよりも遙かに過酷な、
常に死と隣り合わせのセカイなのだ。
つまり…例え人の上に立つ王族であっても、
遠距離戦闘、近接戦闘、その他の
あらゆる戦い方に通じなければ生き残れないということなのだろう。
「けれど、ボクの部屋でこんな風に
従妹と魔法戦闘の実践を行うことになるとはね!
こんなこともあろうかと、
対魔戦闘用の結界を常時張っておいて良かったよ」
「備えあれば憂いなしということですわね、
流石はお姉様!
ぬかりはありませんの!」
なるほど…
先ほどの攻撃魔法、
そして今の近接戦闘で
凄まじい衝撃が部屋内で弾けていたにも関わらず
この部屋の中の瓶ひとつに至るまで全く壊れないのは
ミリィが言う結界を張っていたからか。
おそらく空間軸をずらして衝撃力をずらし、
無効化する空間が形成されているのだろう。
俺はかつて妖との戦いで
静里菜が似たような結界を張って
建物内への被害を無くしていた事を思い出した。
「ケイガお兄様、
わたくしは攻撃魔法はそう得意ではありませんけれど…
お兄様の為に頑張りますわ!
見てください、これが光の攻撃魔法ですの!
光線砲!!」
ポーラ姫は右手を真っすぐに突き出した。
次の瞬間、彼女の右手のひらから
光り輝くエネルギー球が生み出される。
「ケイガ兄君様、
光の攻撃魔法は魔族の闇の魔力に対して絶大な効果がある。
兄君様は、あまり乗り気では無かったけど、
光の攻撃魔法の修得も魔族との戦いに於いて戦力になるとボクは思うんだ。
今から魔族の闇の魔力と同質の闇属性防御魔法を展開するから、
その威力をその目で見て欲しい。
さあ行くよ闇の防御魔法、
黒の要塞!」
ミリィの前に暗黒の壁が出現した。
まるで彼女を天守にした黒い城郭の様である。
と同時に、ポーラ姫の手のひらから光り輝くエネルギー波が解き放たれた。
ミリィが作り出した黒の壁はポーラ姫が放った光線を阻む。
だが暗黒の壁に亀裂が生じていく。
ばぎぃいんん!!
暗黒の壁は粉々に砕け散り爆発、
周囲に衝撃波を巻き起こして
ミリィとポーラ姫を跳ね飛ばした。
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