上 下
215 / 556

第215話 光属性の希少性

しおりを挟む
「…半分以下!?
ミリィ、
属性が違うとそんなにも魔法は威力が落ちるものなのか?」

兄君様あにぎみさま
ボクは魔法学者だから、
持てるだけの魔法知識と魔法技術でカバーしているけど…
それでもこれぐらいの威力が上限の限界だね。
何の対策も無ければ、
光回復ライトヒーリングは5分の1以下にまで回復速度が落ちてしまうからね」

「…5分の1以下!?
そんなにもか??」

「でも魔族の闇の魔力に対抗できる回復魔法は
光属性の回復魔法だけだからね。
無属性の回復魔法、”回復ヒーリング”では
闇の魔力に回復力が阻害されて回復速度が恐ろしく落ちてしまう。
だから、魔族と戦う者は
属性違いによる威力の減衰を覚悟してでも
光属性の回復魔法を無理やりに覚えるか、
仲間に一人でも使い手がいることが必須になるね」

「なるほど…
光の回復魔法は魔族との戦いに於いては、
基本という事になるのかな?」

「そういうことになるね、兄君様あにぎみさま
それに加えて光属性の魔法は、
7種の魔法の中でも闇属性魔法と並んで少し特殊なんだ。
この2種の魔法は属性が同じ生き物に取っては容易に修得出来るものだけど、
属性が違う生物に取ってはかなり修得が難しい魔法なんだよ。
人間は無属性の者が大半だから属性違いの威力の減衰は起こらない者が多い。
つまり光属性の魔法の威力の減衰は
多勢の人間の間では起こらないということになるのだけど…
光属性の魔法の修得自体が相当に難しいが故に、
その使い手はあまり多く無いのが実情になるね。

そして光属性を持つ人間自体がとても希少なんだよ。
それこそユウカの様な異世界の勇者様か、
エクスラント聖王国の王族の中で時々生まれる者以外では、
この世界エゾン・レイギスの中でも非常に稀有けうな存在なんじゃないかな?」

「なるほどなあ…
つまり光属性の俺は結構珍しいというか…
人間の中ではかなり貴重な存在ということになるのか?」

「うん、そうなるね。
このエゾン・レイギスで
光の属性を持つ人間は
国の要職に就いたり、後の歴史に名を残したりする者が多い。
でも魔法学者のボクから言わせてもらうなら
兄君様あにぎみさまは光属性のそれ以前に、
このセカイを創造した7柱ななはしらの精霊様である
光の精霊ヒカリ様と契約していることのほうが凄いことだよ」

「えっ、そんなに凄いのか?」

「精霊様と契約した人間は
このエゾン・レイギスの歴史の中でも数える程しかいないんじゃないかな?
そして光の精霊様と契約した人間については、
魔法学者のボクも記録を見知ったことが無いよ」

「そういえばヒカリも契約するのは初めてと言っていたなあ…
でも俺にヒカリとの契約を奨めたのは他らなぬミリィだぞ?」

「ボクは魔法学者だからね。
例え過去に前例が無い事でも、
より良い結果そして未来を導くための道を模索するものさ。
そしてあのタイミングでなら、
最善である光の精霊様との契約を兄君様あにぎみさまに奨めたまでだよ。
契約自体が凄いことについてボクが驚くのは二の次さ」

「…うう、
ミリィお姉様…ケイガお兄様…。
わたくしを回復魔法の実践対象にして、
そのままポーラの頭ごなしに魔法の授業をされるなんてあんまりですわ…」

 光回復ライトヒーリング
 頭上のたんこぶがすっかり引いたポーラ姫は
 俺とミリィに愚痴を述べながら、
 むくりと起き上がった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。 世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。 その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。 裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。 だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。 そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!! 感想大歓迎です! ※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

処理中です...