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第214話 セカイの強制力

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「いい加減にしないかポーラあ!」

「きゃうン!」

ぽかん!
と盛大な音が響いてミリィの握った杖に頭を叩かれたポーラ姫が地面に突っ伏した。

「今はケイガ兄君様あにぎみさまにとって大切な魔法の授業中なのに、
なんでポーラは此処でも口づけを迫るんだい!
何度目だよ!」

「…きゅう~……ですの…」

ポーラ姫は目を回して、
その頭上には巨大なたんこぶが出来ている。
凄く…痛そうです…。

兄君様あにぎみさま
またしても愚従妹ぐまいが申し訳ない…。
従姉いとこであるボクからも深く謝罪させてもらうよ」

「いや…そんなに気にしなくてもいいぞ。
ポーラ姫に対して例えほんのちょっとでも…
そんな気持ちを抱いてしまった俺が悪いんだから」

「…兄君様あにぎみさまは優しいね。
でもボクからすれば
ポーラはそんな兄君様あにぎみさまの心に付け込んで
自分の思いを果たそうとしているだけに見えるけどね…。
その自身の欲望に対する正直さというか貪欲さこそが
流石はエクスラント聖王国の第一王継承者時ということなのかな…
まあ少しは場所をわきまえて欲しいんだけどね」

俺は地面に突っ伏しているポーラ姫を見つめながら
何度目かの既視感デジャブを感じていた。
この王道コントの格式美の様相…
まるで実家の様な安心感。

ポーラ姫が俺に迫って来ると、
いつも彼女がこの様な状態になっている気がする。
もはやここまで来ると、
セカイそのものが俺とポーラ姫が一線を越えることを
拒否しているのでは無いだろうか?
と、俺は思い始めた。

それならば俺は一安心である。
俺とポーラ姫は兄と妹なのだ。
俺は健全な兄妹の関係を保ちたい。
ならばそのセカイの強制力を受け入れようではないか!
…まあ、ただの偶然なのかも知れないけどなあ。

「それじゃあ兄君様あにぎみさま
魔法の授業を再開するよ。
ボクが光の属性の回復魔法を使って見せるから、
その目で実際にその効果を見て欲しい。
光回復ライトヒーリング!」

ミリィが手に持った杖をかざすと、
ポーラ姫のたんこぶが小さくなっていく。

「おお、やはり回復魔法は凄いなあ。
あっと言う間にに傷が治っていくぞ。
でも、以前に見たポーラ姫の使った光の回復魔法より
回復速度がゆっくりな気がするなあ」

「それが、さっきボクが言った
属性による魔法の威力の低下ということだよ兄君様あにぎみさま
風属性であるボクが光属性の魔法を使うとその威力が減衰してしまう。
回復魔法である光回復ライトヒーリングに関しては、
光属性のポーラと比較して回復速度が半分以下に落ちているね」
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