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第208話 願望のかたち
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「しかしなあ優羽花!
俺が無償のおっぱい好きであることをわざわざ皆の前で言わなくても良いだろう!」
「何よう!
お兄があたしをまるで変態幼女好きのロリコンみたいに言うから、
あたしも言ったまでなんだからね!」
「俺がお前の度を越した可愛いもの好き振りにちょっと引いたのは事実だけど、
そこまで言ってないよ俺は!
えっ優羽花さん…そんな嗜好だったの?」
「急に妹を他人行儀にさん付けすんな!
…あたしは生まれてからずっと今迄お兄の妹で、
お兄に可愛がってもらって、
そのことに何の不満も無いけど…
あたしにも、
もし年下の可愛い妹が居たら…
あたしもお兄みたいに妹を可愛がるのになあ…
そういう想像することもあったの。
そしたら、あたしが思い描いていた通りの、
理想の妹の姿をしたヒカリちゃんが現れたから…
ちょっと歯止めが利かなくなったというか…」
なるほど、優羽花は妹が欲しかったのか。
俺は兄だし、お隣さんで同い年の静里菜も
優羽花を少し妹的な目で見ている所があるからなあ。
優羽花は周りからは常に年下として愛情を注がれる側だった。
それで無いものねだりと言うか、
自分より年下で愛情を注げる存在を望んだということなのだろうか?
「うう…だからあたしヒカリちゃんにやり過ぎちゃったのかも…。
ごめんねヒカリちゃん」
優羽花はヒカリに頭を下げて謝った。
「優羽花、あたまをあげてほしい。
わたしは光の精霊、
元々いまのようじょのすがたではない。
このすがたは光の勇者である優羽花の
心の底にあった思い、願望に呼応してかたち作られたもの。
わたしは光の精霊、
大魔王を倒すことが出来る光の勇者を召喚する存在、
だから召喚対象である優羽花の思いにわたしは大きく左右されて、
このようじょのすがたとなった。
でも、わたしはいまのすがたが結構お気に入り。
このすがたでなければわたしは、
ケイガおにいちゃんのいもうとにはなれなかったのかもしれない。
その意味ではわたしは優羽花に感謝している。
だからあたまをあげてほしい」
ヒカリの口から語られた言葉を受けて俺は色々と腑に落ちた。
この世界エゾン・レイギスの上位存在である光の精霊が、
妙に幼い姿であるということを
俺は少し疑問に思っていたのである。
だがその姿にこの様な理由があったのだ。
光の精霊ヒカリの姿は
優羽花が望んでいた妹の姿を形作ったものだったのである。
そして優羽花は、
ずっと自分の思い描いていた理想の妹が急に目の前に現れて、
思わず我を失ったということか…。
「ヒカリちゃん…あたしを許してくれるの?」
「優羽花のはげしい様子には、
ちょっとびっくりした。
でももうだいじょうぶ。
わたし、光の精霊は光の勇者と連なる存在、
勇者である優羽花をきょひすることはない」
「ひ、ヒカリちゃあーん!!」
優羽花は目を潤ませると、
両腕を広げてヒカリを思いっきり抱きしめた。
俺が無償のおっぱい好きであることをわざわざ皆の前で言わなくても良いだろう!」
「何よう!
お兄があたしをまるで変態幼女好きのロリコンみたいに言うから、
あたしも言ったまでなんだからね!」
「俺がお前の度を越した可愛いもの好き振りにちょっと引いたのは事実だけど、
そこまで言ってないよ俺は!
えっ優羽花さん…そんな嗜好だったの?」
「急に妹を他人行儀にさん付けすんな!
…あたしは生まれてからずっと今迄お兄の妹で、
お兄に可愛がってもらって、
そのことに何の不満も無いけど…
あたしにも、
もし年下の可愛い妹が居たら…
あたしもお兄みたいに妹を可愛がるのになあ…
そういう想像することもあったの。
そしたら、あたしが思い描いていた通りの、
理想の妹の姿をしたヒカリちゃんが現れたから…
ちょっと歯止めが利かなくなったというか…」
なるほど、優羽花は妹が欲しかったのか。
俺は兄だし、お隣さんで同い年の静里菜も
優羽花を少し妹的な目で見ている所があるからなあ。
優羽花は周りからは常に年下として愛情を注がれる側だった。
それで無いものねだりと言うか、
自分より年下で愛情を注げる存在を望んだということなのだろうか?
「うう…だからあたしヒカリちゃんにやり過ぎちゃったのかも…。
ごめんねヒカリちゃん」
優羽花はヒカリに頭を下げて謝った。
「優羽花、あたまをあげてほしい。
わたしは光の精霊、
元々いまのようじょのすがたではない。
このすがたは光の勇者である優羽花の
心の底にあった思い、願望に呼応してかたち作られたもの。
わたしは光の精霊、
大魔王を倒すことが出来る光の勇者を召喚する存在、
だから召喚対象である優羽花の思いにわたしは大きく左右されて、
このようじょのすがたとなった。
でも、わたしはいまのすがたが結構お気に入り。
このすがたでなければわたしは、
ケイガおにいちゃんのいもうとにはなれなかったのかもしれない。
その意味ではわたしは優羽花に感謝している。
だからあたまをあげてほしい」
ヒカリの口から語られた言葉を受けて俺は色々と腑に落ちた。
この世界エゾン・レイギスの上位存在である光の精霊が、
妙に幼い姿であるということを
俺は少し疑問に思っていたのである。
だがその姿にこの様な理由があったのだ。
光の精霊ヒカリの姿は
優羽花が望んでいた妹の姿を形作ったものだったのである。
そして優羽花は、
ずっと自分の思い描いていた理想の妹が急に目の前に現れて、
思わず我を失ったということか…。
「ヒカリちゃん…あたしを許してくれるの?」
「優羽花のはげしい様子には、
ちょっとびっくりした。
でももうだいじょうぶ。
わたし、光の精霊は光の勇者と連なる存在、
勇者である優羽花をきょひすることはない」
「ひ、ヒカリちゃあーん!!」
優羽花は目を潤ませると、
両腕を広げてヒカリを思いっきり抱きしめた。
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