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第206話 怯え

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「あー、ヒカリちゃんは可愛いなあー」

 妹歴16年の我が妹、優羽花ゆうか
 光の精霊ヒカリを抱きしめると自身の顔を彼女の顔に押し付けた。

「ああー、ヒカリちゃんのほっぺた柔らかいー」

 しかし我が妹よ?
 ちょっと幼女に対してスキンシップが過ぎないか?
 と俺は思った。

「はあ~、ヒカリちゃんから何だかいい匂いがするー、ハァハア…」

 …おい?
 優羽花ゆうか

「んー、優羽花ゆうか…、ちょっとくるしい…」

「あっ、ごめんねヒカリちゃん!?」

優羽花ゆうかはヒカリの苦悶の言葉にとっさに手を離した。
ヒカリは優羽花ゆうかからするりと逃れると俺の背中に隠れた。

「んー、優羽花ゆうか、ちょっとこわい…」

 ヒカリは俺の背中から顔だけを出して、訝し気いぶかしげ優羽花ゆうかを見つめた。

「…お兄ずるい!
ヒカリちゃんを独占して!
あたしももっとヒカリちゃんを堪能したかったのに!!」

「堪能ってお前…」

「幼くて可愛らしいヒカリちゃんはあたしにとって天使なの!
あたしはもっと天使ヒカリちゃんの側に居たい!
もっと天使ヒカリちゃんに触れ合いたい!!
もっと天使ヒカリちゃんの匂いに包まれたい!!!!」

 突然、捲し立てる様に言葉を並べ立てる我が妹。
 随分と早口でテンション高い!
 ど、どうした優羽花ゆうか
 お前が可愛いもの好きだって知ってはいるけど、
 ちょっとその度合いが強すぎるんじゃないですかねえ…?

「おにいちゃん、優羽花ゆうか、こわい…」

ヒカリはその幼い腕で俺の背に抱き付くと、
優羽花ゆうかの視線から完全に身を隠した。

「おい優羽花ゆうか、いい加減にしないか!
ヒカリがすっかり怯えているだろう!
見ろ、まるで子ウサギの様に震えているじゃないか?」

「仕方がないじゃない!
ヒカリちゃんは最高に可愛いんだから!
ちょっとぐらい抱きしめたり、
ちょっとぐらい綺麗な瞳を見続けたり、
ちょっとぐらい柔らかいほっぺをすりすりしたり、
ちょっとぐらいミルクの様な匂いを嗅ぎまくったって良いじゃない!」

「…お、おう…??
いや…駄目だろう?
兄さん…ちょっと引いちゃったぞ…」

「なによう!
お兄だってポーラさんのおっぱいガン見して
ポーラさんのおっぱいの感触にデレデレしちゃってるくせにい!」

「う、うおおおおおおーー!?」

 俺は優羽花ゆうかに何の前触れもなく
 いきなり自身のおっぱい星人振りを暴露されてしまい、
 動揺のあまり思わず絶叫した。
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