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第201話 契約
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「ヒカリ…それがおにいちゃんが名付けてくれた名前…
ヒカリ…良い響き…
ヒカリ…わたしを体現する言葉…
ヒカリ…
ヒカリ…
ヒカリ…
たった今から…
わたしの名前はヒカリ…」
光の精霊…いや、ヒカリはその両手を自身の胸に添えて
その名前を反芻するがごとく何度もつぶやいた。
かっ!
次の瞬間、
突如ヒカリの全身がまぶゆい光に包まれた。
いやこれは…まるで彼女が”光”そのものになったかの様である。
もしかするとこれが、
彼女の”本来の姿”なのだろうか?
周囲の全てが白い閃光に包まれて
俺自身とヒカリ以外は全て俺の視界から消えた。
全てが白く染められたセカイ。
白く輝く空間の中で、俺の頭上に浮かんでいるヒカリ。
彼女は俺に向けてその幼い右手を伸ばした。
「これよりわたし、光の精霊ヒカリは
おにいちゃん、鳴鐘 慧河と
魔力を共有する契約をする。
さあ…おにいちゃん…わたしのてをとって、
そして…わたしのなまえをよんでほしい」
「…ああ、わかった…」
俺は彼女の手を優しく包むように握った。
そして先ほど、
俺が名付けたばかりの、
彼女の名前を呼んだ。
「…ヒカリ…」
彼女の名を呼んだ瞬間、
俺の脳天に衝撃が走った。
これは…?
何かが繋がった様な感触…?
そして俺の身体に”気”とは異質のエネルギーが…?
何処からか流れ込んで来る…??
「ケイガおにいちゃん…
おにいちゃんの身体に流れて来る力が、
わたしの魔力…
さあその力をうけいれて…
そして、ときはなって…」
俺はヒカリの言葉のままに、
新たなエネルギー、”魔力”を自身の身体に受け入れる、
そして”気”と同じ要領で、
身体の内で高まった”魔力”を身体の外へと解き放った。
「はあああっーー!!」
凄まじい力が吹き上がる。
そして俺の全身をまるで炎の様に包み込んだ。
「…う、うおおおおっ!?
何という力だ…!
信じられない程の凄まじい力が…
俺の身体の中から湧き上がって来る!
これが俺と契約して繋がった、
光の精霊ヒカリの”魔力”というモノか…!?
これなら…
相手が上位魔族であろうとも後れを取る筈が無い!
これ程の力があれば…
俺は今後一切、あらゆる敵から妹たちを完璧に護ることが出来る!
俺は今!
究極の兄力を手に入れたのだ!!」
俺は今迄感じたことの無い
凄まじい力の奔流に圧倒されて
万能な兄感の高揚感に包まれた。
そして、この上ない歓喜の声を叫んだ。
端的に言うならば…
俺は今もの凄く調子に乗っている!
ヒカリ…良い響き…
ヒカリ…わたしを体現する言葉…
ヒカリ…
ヒカリ…
ヒカリ…
たった今から…
わたしの名前はヒカリ…」
光の精霊…いや、ヒカリはその両手を自身の胸に添えて
その名前を反芻するがごとく何度もつぶやいた。
かっ!
次の瞬間、
突如ヒカリの全身がまぶゆい光に包まれた。
いやこれは…まるで彼女が”光”そのものになったかの様である。
もしかするとこれが、
彼女の”本来の姿”なのだろうか?
周囲の全てが白い閃光に包まれて
俺自身とヒカリ以外は全て俺の視界から消えた。
全てが白く染められたセカイ。
白く輝く空間の中で、俺の頭上に浮かんでいるヒカリ。
彼女は俺に向けてその幼い右手を伸ばした。
「これよりわたし、光の精霊ヒカリは
おにいちゃん、鳴鐘 慧河と
魔力を共有する契約をする。
さあ…おにいちゃん…わたしのてをとって、
そして…わたしのなまえをよんでほしい」
「…ああ、わかった…」
俺は彼女の手を優しく包むように握った。
そして先ほど、
俺が名付けたばかりの、
彼女の名前を呼んだ。
「…ヒカリ…」
彼女の名を呼んだ瞬間、
俺の脳天に衝撃が走った。
これは…?
何かが繋がった様な感触…?
そして俺の身体に”気”とは異質のエネルギーが…?
何処からか流れ込んで来る…??
「ケイガおにいちゃん…
おにいちゃんの身体に流れて来る力が、
わたしの魔力…
さあその力をうけいれて…
そして、ときはなって…」
俺はヒカリの言葉のままに、
新たなエネルギー、”魔力”を自身の身体に受け入れる、
そして”気”と同じ要領で、
身体の内で高まった”魔力”を身体の外へと解き放った。
「はあああっーー!!」
凄まじい力が吹き上がる。
そして俺の全身をまるで炎の様に包み込んだ。
「…う、うおおおおっ!?
何という力だ…!
信じられない程の凄まじい力が…
俺の身体の中から湧き上がって来る!
これが俺と契約して繋がった、
光の精霊ヒカリの”魔力”というモノか…!?
これなら…
相手が上位魔族であろうとも後れを取る筈が無い!
これ程の力があれば…
俺は今後一切、あらゆる敵から妹たちを完璧に護ることが出来る!
俺は今!
究極の兄力を手に入れたのだ!!」
俺は今迄感じたことの無い
凄まじい力の奔流に圧倒されて
万能な兄感の高揚感に包まれた。
そして、この上ない歓喜の声を叫んだ。
端的に言うならば…
俺は今もの凄く調子に乗っている!
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