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第197話 原因調査

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「光の精霊、君から貰ったこの見通しの眼鏡スカウターレンズの内に
俺には読めない文字が表示されているんだが…
これは例えばこの眼鏡の故障とか、
何か不具合があるのかな?
俺たちには原因がわからないので一度見てくれないか?」

「おにいちゃん、わかった。
さっそくみてみる」

 その全身が白ずくめの幼い少女
 ”光の精霊”は俺の前に舞い降りると、
 俺が自身の眼に掛けている見通しの眼鏡スカウターレンズにその幼い手を添えた。

「異世界召喚者専用装備、ナンバー0184、『見通しの眼鏡スカウターレンズ』。
接続開始コネクトスタート
データリンク問題無し、
機能正常確認、
各パーツ動作全て問題無し。

…おにいちゃん、
見通しの眼鏡スカウターレンズ自体にもんだいはない。
つぎはおにいちゃんをみせて」

「…えっ?
俺を?」

 光の精霊はふわりと浮き上がると、
 その幼いおでこを俺のおでこに重ねた。

「異世界召喚者『鳴鐘 慧河なるがね けいが』。
接続開始コネクトスタート
データリンク失敗、
魔力回路確認不可能。

魔力センサーを生命体センサーに変更、
異世界召喚者『鳴鐘 慧河なるがね けいが』。
接続開始コネクトスタート
魔力とは異質の力が全身を覆っている事を確認。
この世界エゾン・レイギスでは珍しい力、
”気”であることを整合確認。

見通しの眼鏡スカウターレンズの動作不良の原因判明。
以下、原因を報告する。

おにいちゃんの住んでいる異世界すなわち地球から、
わたしたち精霊が人間を召喚する際、
地球に住む人間に生まれながら備わっている魔力制限回路リミッターを外す。
それが異世界地球人が大きな魔力を持っている理由。
でもおにいちゃんは元々、魔力とは違う質の力、”気”を持っていた。
それもとても大きく。
全身を覆っている気の力はわたしたち精霊の干渉を退けた。
つまりおにいちゃんの魔力制限回路リミッターは外されていない。

見通しの眼鏡スカウターレンズに使用されている技術、
古代文字エンシェント・レターは魔力回路のある人間で無ければ
思考リンクが出来ず自動翻訳が機能しない。
数字に関しては地球とエゾン・レイギスで似通ったものだったため、
魔力数値の表示だけは上手くいった。
でもステータス部分の文字表示は自動翻訳機能が不可欠だった。
だから翻訳失敗で読めない文字が表示される結果になった。

おにいちゃん。
以上が見通しの眼鏡スカウターレンズの不具合の原因」
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