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第194話 応援
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「姫様!
国王代理の仕事を放り出して、
此処で何をしているのですか!」
部屋に入って来た姫騎士団の団長、シノブさんの声が響き渡った。
「…仕事を放り出して??」
俺はシノブさんの言葉を聞いて驚き、思わずポーラ姫を見た。
彼女は俺に対して必死に首を横に振ると、シノブさんに言葉を返す。
「シノブ、これは仕事をこなす為に英気を養う大切な行為ですわ!
断じてわたくしは国王代理の仕事のあまりの量に
逃げ出したということはありませんわ!」
「…仕事のあまりの量に逃げ出した??」
俺はポーラ姫が返した言葉にまた驚いて、再度ポーラ姫を見た。
彼女は俺に対して再度必死に首を横に振る。
「…姫様、言い訳は後で聞きましょうか?
とにかく、国王代理であらせられる姫様の許可が必要な書類が
山の様に溜まっております。
さあ、執務室に戻りましょう!」
シノブ団長にがっしりと手を掴まれるポーラ姫。
捕らわれた彼女の両脇には、
いつの間にかイチョウとクレハが立っていて
姫騎士団三人に周りを固められたお姫様は
この場から連行されて行った。
「ちょ、ちょっと待ってくださいシノブ!
わたくしまだケイガお兄様の”つんつん”を頂いておりませんの!
お兄様からいっぱい突かれたらきっとポーラ元気になりますわ!
そうすれば溜まった仕事もあっと言う間に片付きますわ!
ですからちょっと待ってください!」
「私には姫様が何を言っているのかわかりません。
ですが、仕事から逃げる為にケイガ兄様を巻き込むのは感心しませんよ。
それでは参りましょうか」
「ああっ、お兄様助けて! ケイガお兄様あーー!!」
ポーラ姫の悲痛な叫びが周囲に響き渡った。
俺は何度目かの既視感を感じた。
まるで王道コントの様な展開が、
またしても俺の前で繰り広げられている。
ポーラ姫…見た目完璧なお姫様。
しかしこう何度もこの様な光景を見せられて俺は思った。
彼女は結構…いや相当な、『ポンコツお姫様』なんじゃないだろうか?
いや、親しみやすいお姫様というべきであろうか?
「ああっ…ケイガお兄様あっーー!!」
ばたんと部屋の扉が閉まった。
俺達はポーラ姫が姫騎士団に連行されていくのを見送った。
「ポーラ、国王代理の仕事が余りに多すぎて逃げ出そうとしていたみたいだね…。
まあ国王代理の仕事は初めてだし、
初犯だから此処は大目に見て上げてよ、兄君様」
「あ、ああ…そうだな…」
国王の許可を得る書類仕事を放棄したとか、
このエクスラント聖王国に取っては結構な大ごとなんじゃ無いだろうか?
と俺は一瞬思ったのだが…
突然仕事が増えて如何ともしがたい状況になるというのは
元社会人である俺にも経験がある。
だから俺はポーラ姫を責める気には成れない。
むしろ同情心のほうが勝った。
お疲れさま…ポーラ姫。
月並みではあるが、頑張れ!
俺は心の中で彼女に応援を贈った。
国王代理の仕事を放り出して、
此処で何をしているのですか!」
部屋に入って来た姫騎士団の団長、シノブさんの声が響き渡った。
「…仕事を放り出して??」
俺はシノブさんの言葉を聞いて驚き、思わずポーラ姫を見た。
彼女は俺に対して必死に首を横に振ると、シノブさんに言葉を返す。
「シノブ、これは仕事をこなす為に英気を養う大切な行為ですわ!
断じてわたくしは国王代理の仕事のあまりの量に
逃げ出したということはありませんわ!」
「…仕事のあまりの量に逃げ出した??」
俺はポーラ姫が返した言葉にまた驚いて、再度ポーラ姫を見た。
彼女は俺に対して再度必死に首を横に振る。
「…姫様、言い訳は後で聞きましょうか?
とにかく、国王代理であらせられる姫様の許可が必要な書類が
山の様に溜まっております。
さあ、執務室に戻りましょう!」
シノブ団長にがっしりと手を掴まれるポーラ姫。
捕らわれた彼女の両脇には、
いつの間にかイチョウとクレハが立っていて
姫騎士団三人に周りを固められたお姫様は
この場から連行されて行った。
「ちょ、ちょっと待ってくださいシノブ!
わたくしまだケイガお兄様の”つんつん”を頂いておりませんの!
お兄様からいっぱい突かれたらきっとポーラ元気になりますわ!
そうすれば溜まった仕事もあっと言う間に片付きますわ!
ですからちょっと待ってください!」
「私には姫様が何を言っているのかわかりません。
ですが、仕事から逃げる為にケイガ兄様を巻き込むのは感心しませんよ。
それでは参りましょうか」
「ああっ、お兄様助けて! ケイガお兄様あーー!!」
ポーラ姫の悲痛な叫びが周囲に響き渡った。
俺は何度目かの既視感を感じた。
まるで王道コントの様な展開が、
またしても俺の前で繰り広げられている。
ポーラ姫…見た目完璧なお姫様。
しかしこう何度もこの様な光景を見せられて俺は思った。
彼女は結構…いや相当な、『ポンコツお姫様』なんじゃないだろうか?
いや、親しみやすいお姫様というべきであろうか?
「ああっ…ケイガお兄様あっーー!!」
ばたんと部屋の扉が閉まった。
俺達はポーラ姫が姫騎士団に連行されていくのを見送った。
「ポーラ、国王代理の仕事が余りに多すぎて逃げ出そうとしていたみたいだね…。
まあ国王代理の仕事は初めてだし、
初犯だから此処は大目に見て上げてよ、兄君様」
「あ、ああ…そうだな…」
国王の許可を得る書類仕事を放棄したとか、
このエクスラント聖王国に取っては結構な大ごとなんじゃ無いだろうか?
と俺は一瞬思ったのだが…
突然仕事が増えて如何ともしがたい状況になるというのは
元社会人である俺にも経験がある。
だから俺はポーラ姫を責める気には成れない。
むしろ同情心のほうが勝った。
お疲れさま…ポーラ姫。
月並みではあるが、頑張れ!
俺は心の中で彼女に応援を贈った。
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