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第187話 妹それぞれ
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「ミリィお姉様…
ケイガお兄様と随分と仲良くされている様で…
ご満足そうで何よりですわね」
ミリィの背後に立っていたポーラ姫がジト目で彼女を見つめながら言葉を掛けた。
「…うわあッ!?
ポーラっ?
何時の間にボクの後ろに居たんだい?」
「お姉様がお兄様に迫っていた辺りから居ましたわ。
ふふっ、ミリィお姉様ったらケイガお兄様に夢中になり過ぎて、
わたくしが普通にお姉様のお部屋に入ってきたことも気付きませんでしたの?」
ちなみに俺はポーラ姫が入室してきたのは普通に気が付いたのだが、
ポーラ姫はしっーと口元に指を添えて俺に黙っていて欲しいと合図をしたので
ミリィには黙ったままにしていたのである。
「ボ、ボクは別にお兄様に夢中になってなんか無いよ!
これはね、妹と兄の距離を縮める大切な行使であってだね!
他意はないんだよ!
…大体何だよその棘のある言い回しに見下す様な目線は?
従姉であるボクに対してちょっと失礼なんじゃないかっ!?」
「だってお姉様、
わたくしが邪な思いでケイガ兄様に抜け駆けしようとしたと吹聴して、
姫騎士団を動かしてわたくしを逮捕させながら、
その舌の根も乾かぬうちにお兄様とイチャイチャしていますもの…。
こんなお姉様に対して何も思わない方がおかしいですわ」
「ボクは別に兄君様とイチャイチャ何かしていないよ!
これは単なる仲の良い兄と妹の行為さ!
それにポーラが邪な思いでケイガ兄様に抜け駆けしようとしたのは事実だよね?」
「ふふっ、ミリィお姉様ったら。
あんなに満足気なお顔をされたのにそれで居て違うと言い張るなんて…
おかしいにも程がありますわ。
その惚けたお顔を一度鏡で見ては如何なのです?」
「このっ…言わせておけば調子に乗って…ポーラあ!」
ミリィとポーラ姫が激しく言い争いを始めた。
おっとこれは…兄としては妹同士の喧嘩は仲裁すべきだろう。
俺は二人の間に割って入った。
「まあ二人とも、この喧嘩。
ここは俺に預けてもらえないか?」
「兄君様…」
「お兄様…」
「ポーラ、君にしては珍しくミリィに言い返している様だけど?
どう不満があるんだい?」
「だってお兄様…
ミリィお姉様はわたくしに対してあんな酷い仕打ちをしておきながら、
自分はちゃっかりお兄様とイチャイチャしているなんて
ズルイにも程がありますわ…。
わたくしは姫騎士団にこってり絞られて、大変だったのですのよ…」
「だからこれは兄と妹としての愛情行為であって、
ポーラのいうイチャイチャでは無いと言っているじゃあないか!」
「つまり俺がミリィに対してした行為…鉛筆の柄の部分を突き付ける事だけど、
ミリィの感じるところとポーラの感じるところで差異があるという事になるかな?
まあそこは人それぞれ、妹それぞれなんだよ。
同じ行為でも感じ方が違うという事さ。
ポーラにはイチャイチャしている様に見えても
ミリィ当人に取ってはそうじゃ無い、それだけの事なんだ」
ケイガお兄様と随分と仲良くされている様で…
ご満足そうで何よりですわね」
ミリィの背後に立っていたポーラ姫がジト目で彼女を見つめながら言葉を掛けた。
「…うわあッ!?
ポーラっ?
何時の間にボクの後ろに居たんだい?」
「お姉様がお兄様に迫っていた辺りから居ましたわ。
ふふっ、ミリィお姉様ったらケイガお兄様に夢中になり過ぎて、
わたくしが普通にお姉様のお部屋に入ってきたことも気付きませんでしたの?」
ちなみに俺はポーラ姫が入室してきたのは普通に気が付いたのだが、
ポーラ姫はしっーと口元に指を添えて俺に黙っていて欲しいと合図をしたので
ミリィには黙ったままにしていたのである。
「ボ、ボクは別にお兄様に夢中になってなんか無いよ!
これはね、妹と兄の距離を縮める大切な行使であってだね!
他意はないんだよ!
…大体何だよその棘のある言い回しに見下す様な目線は?
従姉であるボクに対してちょっと失礼なんじゃないかっ!?」
「だってお姉様、
わたくしが邪な思いでケイガ兄様に抜け駆けしようとしたと吹聴して、
姫騎士団を動かしてわたくしを逮捕させながら、
その舌の根も乾かぬうちにお兄様とイチャイチャしていますもの…。
こんなお姉様に対して何も思わない方がおかしいですわ」
「ボクは別に兄君様とイチャイチャ何かしていないよ!
これは単なる仲の良い兄と妹の行為さ!
それにポーラが邪な思いでケイガ兄様に抜け駆けしようとしたのは事実だよね?」
「ふふっ、ミリィお姉様ったら。
あんなに満足気なお顔をされたのにそれで居て違うと言い張るなんて…
おかしいにも程がありますわ。
その惚けたお顔を一度鏡で見ては如何なのです?」
「このっ…言わせておけば調子に乗って…ポーラあ!」
ミリィとポーラ姫が激しく言い争いを始めた。
おっとこれは…兄としては妹同士の喧嘩は仲裁すべきだろう。
俺は二人の間に割って入った。
「まあ二人とも、この喧嘩。
ここは俺に預けてもらえないか?」
「兄君様…」
「お兄様…」
「ポーラ、君にしては珍しくミリィに言い返している様だけど?
どう不満があるんだい?」
「だってお兄様…
ミリィお姉様はわたくしに対してあんな酷い仕打ちをしておきながら、
自分はちゃっかりお兄様とイチャイチャしているなんて
ズルイにも程がありますわ…。
わたくしは姫騎士団にこってり絞られて、大変だったのですのよ…」
「だからこれは兄と妹としての愛情行為であって、
ポーラのいうイチャイチャでは無いと言っているじゃあないか!」
「つまり俺がミリィに対してした行為…鉛筆の柄の部分を突き付ける事だけど、
ミリィの感じるところとポーラの感じるところで差異があるという事になるかな?
まあそこは人それぞれ、妹それぞれなんだよ。
同じ行為でも感じ方が違うという事さ。
ポーラにはイチャイチャしている様に見えても
ミリィ当人に取ってはそうじゃ無い、それだけの事なんだ」
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