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第185話 謝罪の意味での
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「ぷ、ぷにぷにって一体…?
だけどしかしなあミリィ…。
俺はちょっとその、
ミリィが言う所の”ぷにぷに”をすることに関しては
気が引けるというか…正直なところ遠慮したいんだが」
「…ええっ!?
何でだよ兄君様!
ユウカだけ”ぷにぷに”されてズルイよ!
ボクもケイガ兄君様の妹のひとりなんだから、
ボクにも”ぷにぷに”してよ!」
ミリィは物凄い勢いで俺を問い詰めて来た。
ええっ…何その高いテンション!?
ズルイって…?
俺はミリィの激しい物言いに正直戸惑ってしまい、
しどろもどろに成りながらもその理由を話した。
「いや…あの…そのなあ…
ミリィはこのエクスラント聖王国の公爵なんだろう?
更には王位継承権をも持っていて、
言わばこの国の要人であり公人だ。
つまりミリィの顔は、この国の顔でもあるだろう?
国内、国外の要人と外交とかもあるんじゃないか?
そんな一国に取って重要な人物であるミリィの頬に
鉛筆を突き立てるなんて真似はしてはいけないと俺は思うんだが…?
俺はこの国の政治に悪影響を与えたくはないぞ」
「ふふっ、そんなことまで考えていたのかいケイガ兄君様?
まったく、兄君様は考えすぎだよ。
でも…ボクを気遣ってくれたんだね。
それはとっても嬉しいよ。
でも、心配無用だよ兄君様。
ボクは元々魔術専門の学者の人間だから、
あまり聖王国の外交面では表に出ないんだよ。
そもそも、そういう外交面での表の仕事は『聖王女』であるポーラが担当だからね。
…大体、兄君様は
以前ボクのほっぺを思いっきり引っ張ったじゃないか?
まったく、あんなに強く引っ張っておいて
今更”ぷにぷに”を遠慮する何ておかしいよ?」
「た、確かになあ…
あの時は急ぎだったは言え、
ごめんなミリィ」
俺は頭を下げた。
「いや兄君様!
ボクは別にその事について謝って欲しかった訳じゃないんだよ。
頭を下げてくれないか?
…そうだね、
兄君様がボクに”ぷにぷに”をするのに気が引けるというのなら、
それなら以前ボクのほっぺを強く引っ張った事についての謝罪の意味を込めて、
ボクに”ぷにぷに”をしてくれないかな?」
「ああ、それなら…
それじゃあ行くぞ、ミリィ」
俺は鉛筆の芯の無いほうをミリィに向ける。
そしてこの聖王国の王位継承者のひとりであり、
美しいハーフエルフでもある彼女の
その可憐な頬に向かって、そっと突き出した。
だけどしかしなあミリィ…。
俺はちょっとその、
ミリィが言う所の”ぷにぷに”をすることに関しては
気が引けるというか…正直なところ遠慮したいんだが」
「…ええっ!?
何でだよ兄君様!
ユウカだけ”ぷにぷに”されてズルイよ!
ボクもケイガ兄君様の妹のひとりなんだから、
ボクにも”ぷにぷに”してよ!」
ミリィは物凄い勢いで俺を問い詰めて来た。
ええっ…何その高いテンション!?
ズルイって…?
俺はミリィの激しい物言いに正直戸惑ってしまい、
しどろもどろに成りながらもその理由を話した。
「いや…あの…そのなあ…
ミリィはこのエクスラント聖王国の公爵なんだろう?
更には王位継承権をも持っていて、
言わばこの国の要人であり公人だ。
つまりミリィの顔は、この国の顔でもあるだろう?
国内、国外の要人と外交とかもあるんじゃないか?
そんな一国に取って重要な人物であるミリィの頬に
鉛筆を突き立てるなんて真似はしてはいけないと俺は思うんだが…?
俺はこの国の政治に悪影響を与えたくはないぞ」
「ふふっ、そんなことまで考えていたのかいケイガ兄君様?
まったく、兄君様は考えすぎだよ。
でも…ボクを気遣ってくれたんだね。
それはとっても嬉しいよ。
でも、心配無用だよ兄君様。
ボクは元々魔術専門の学者の人間だから、
あまり聖王国の外交面では表に出ないんだよ。
そもそも、そういう外交面での表の仕事は『聖王女』であるポーラが担当だからね。
…大体、兄君様は
以前ボクのほっぺを思いっきり引っ張ったじゃないか?
まったく、あんなに強く引っ張っておいて
今更”ぷにぷに”を遠慮する何ておかしいよ?」
「た、確かになあ…
あの時は急ぎだったは言え、
ごめんなミリィ」
俺は頭を下げた。
「いや兄君様!
ボクは別にその事について謝って欲しかった訳じゃないんだよ。
頭を下げてくれないか?
…そうだね、
兄君様がボクに”ぷにぷに”をするのに気が引けるというのなら、
それなら以前ボクのほっぺを強く引っ張った事についての謝罪の意味を込めて、
ボクに”ぷにぷに”をしてくれないかな?」
「ああ、それなら…
それじゃあ行くぞ、ミリィ」
俺は鉛筆の芯の無いほうをミリィに向ける。
そしてこの聖王国の王位継承者のひとりであり、
美しいハーフエルフでもある彼女の
その可憐な頬に向かって、そっと突き出した。
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