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第176話 再逮捕
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「姫様…ケイガ兄様と同衾など私は聞いておりませんが?
説明をお願い致します」
シノブ団長がポーラ姫に問いかける。
敬語であり、静かな声ではあるものの、
その語彙には静かな怒りが含まれた強い意思が含まれていることは俺にも伝わった。
そして姫騎士団の団員もポーラ姫を取り囲んだ。
「わたくしはただ、
お疲れのお兄様を少しでも癒して差し上げたいと思っただけです。
人肌のぬくもりが母の胎内を思わせて、
人にとって一番安らげる温度と聞き及びます。
ですからケイガお兄様に添い寝をすることで、
お兄様がより心地くお眠り頂ければと思った迄ですわ」
「でもポーラ、服は脱がなくても良かったよね?」
「より人肌のぬくもりを伝えるためには
裸になるのが一番と本に書いて会ったことを実践しただけで他意はありませんわ。
それにミリィお姉様のお諫めの言葉に従って、わたくしはすぐに服を着ましたから」
「それじゃあボクが言わなかったら裸のままだったんだよね?
それでケイガ兄君様が目を覚まして、
万が一の確率ではあったけど、
そのままポーラを求めた場合どうするつもりだったんだい?」
「…その場合はわたくしは妹として、
お兄様の全てを受け止めるまでですわ」
「どうやら間抜けが引っ掛かった様だよみんな!
他意が無いとか大ウソだったね!
ポーラは最初からそれを期待して裸になって同衾しようとしたんだよね?」
「…わたくしにはミリィお姉様が何を言っているのかわかりませんわ」
「白々しい言い訳はよすんだポーラ!
さあ、姫騎士団!
またしてもケイガ兄君様の妹の立場を著しく逸脱しようと企んで、
更には姫騎士団内に
争いを生む原因を作ったこのポーラ容疑者(18)を逮捕したまえ!」
「はっ、ミリィ公爵様。
…姫様、残念です。
いくら我が剣を捧げる主(あるじ)とはいえ、
またしてもひとりだけ大きく抜け駆けしようとしたその罪、
断じて見逃すことはできません」
「さあ姫様こちらへ」
「詳しいお話は、
姫騎士団の詰め所のほうで聞きましょうか姫様?」
シノブ団長に手を引かれ、
イチョウとクレハに両脇をがっしりと固められたポーラ姫は
この場から連行されて行った。
「ちょ、ちょっと待ってください!
これは何かの間違いですの!
ポーラ何も悪くはありませんわ!
ちょっと先っぽだけ!
ちょっとおナカで触れるだけのつもりだったんです!
ケイガお兄様! わたくしは無実ですわ! どうか信じて下さい!」
…さ、先っぽって…。
俺は想像して眩暈を覚えた。
いやそんなことになったら俺は歯止めが利かなくなって、
兄としては問答無用で終わっていただろう。
「ああっ、お兄様助けて! ケイガお兄様あーー!!」
ポーラ姫の悲痛な叫びが周囲に響き渡った。
俺は再び既視感を感じた。
まるで王道コントの様な展開。
実家の様な安心感である。
安堵した俺はポーラ姫を笑顔で見送った。
説明をお願い致します」
シノブ団長がポーラ姫に問いかける。
敬語であり、静かな声ではあるものの、
その語彙には静かな怒りが含まれた強い意思が含まれていることは俺にも伝わった。
そして姫騎士団の団員もポーラ姫を取り囲んだ。
「わたくしはただ、
お疲れのお兄様を少しでも癒して差し上げたいと思っただけです。
人肌のぬくもりが母の胎内を思わせて、
人にとって一番安らげる温度と聞き及びます。
ですからケイガお兄様に添い寝をすることで、
お兄様がより心地くお眠り頂ければと思った迄ですわ」
「でもポーラ、服は脱がなくても良かったよね?」
「より人肌のぬくもりを伝えるためには
裸になるのが一番と本に書いて会ったことを実践しただけで他意はありませんわ。
それにミリィお姉様のお諫めの言葉に従って、わたくしはすぐに服を着ましたから」
「それじゃあボクが言わなかったら裸のままだったんだよね?
それでケイガ兄君様が目を覚まして、
万が一の確率ではあったけど、
そのままポーラを求めた場合どうするつもりだったんだい?」
「…その場合はわたくしは妹として、
お兄様の全てを受け止めるまでですわ」
「どうやら間抜けが引っ掛かった様だよみんな!
他意が無いとか大ウソだったね!
ポーラは最初からそれを期待して裸になって同衾しようとしたんだよね?」
「…わたくしにはミリィお姉様が何を言っているのかわかりませんわ」
「白々しい言い訳はよすんだポーラ!
さあ、姫騎士団!
またしてもケイガ兄君様の妹の立場を著しく逸脱しようと企んで、
更には姫騎士団内に
争いを生む原因を作ったこのポーラ容疑者(18)を逮捕したまえ!」
「はっ、ミリィ公爵様。
…姫様、残念です。
いくら我が剣を捧げる主(あるじ)とはいえ、
またしてもひとりだけ大きく抜け駆けしようとしたその罪、
断じて見逃すことはできません」
「さあ姫様こちらへ」
「詳しいお話は、
姫騎士団の詰め所のほうで聞きましょうか姫様?」
シノブ団長に手を引かれ、
イチョウとクレハに両脇をがっしりと固められたポーラ姫は
この場から連行されて行った。
「ちょ、ちょっと待ってください!
これは何かの間違いですの!
ポーラ何も悪くはありませんわ!
ちょっと先っぽだけ!
ちょっとおナカで触れるだけのつもりだったんです!
ケイガお兄様! わたくしは無実ですわ! どうか信じて下さい!」
…さ、先っぽって…。
俺は想像して眩暈を覚えた。
いやそんなことになったら俺は歯止めが利かなくなって、
兄としては問答無用で終わっていただろう。
「ああっ、お兄様助けて! ケイガお兄様あーー!!」
ポーラ姫の悲痛な叫びが周囲に響き渡った。
俺は再び既視感を感じた。
まるで王道コントの様な展開。
実家の様な安心感である。
安堵した俺はポーラ姫を笑顔で見送った。
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