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第170話 同じ思い

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「でもケイガお兄様は、
わたくしたち妹を性的な目で見てはいけないと…
今はそう思われているのですよね?」

「あ、ああ…」

「でしたらお兄様、ここはわたくしにお任せくださいませ」

 ポーラ姫はそう言うと俺から離れて、
 姫騎士団プリンセスナイツの皆とミリィが居るそばに歩み寄った。
 そしてその美しい細腕をたおやかに広げると、
 その可憐な口を開いた。

「みんな聞いて下さい。
わたくしは先ほど、
お兄様から直接、その思いのたけを聞きました。
ケイガお兄様は、わたくしたちをとても大切に思っています。
ですがあくまで妹として愛しみたい、慈しみたいというのがお兄様の思いです。
口づけなどといった、異性に対しての行為で持って愛しむことは…
今はしたくないと言うのがお兄様の思いなのです」

 ポーラ姫は俺の気持ちを代弁して皆に伝えてくれた。
 彼女の言葉を聞いた姫騎士団プリンセスナイツの面々が次々と口を開く。

「…そうだったのですか?
ケイガ兄様?」

「それでは私たちは兄様の思いを無視していたことに」

「あたくし…何ということを…」

「モミジ、兄様に迷惑かけてた?」

「…兄様…」

 姫騎士団プリンセスナイツの皆に動揺が広がっていく。
 俺は自分の気持ちを皆に伝えることで、
 結果的に…
 彼女たちが俺の望みに答えようとしてくれた
 その献身的な気持ちを全て無下にしてしまったのである。
 みんなごめん…俺は心の中で深く謝罪した。

「…ですが、お兄様はこうもおっしゃったのです。
わたくしたちを妹であると同時に、見目麗しい女性たちだと思っていると。
そしてそんなわたくしたちの魅力に日々そのお心を揺り動かされて、
妹としてではなく女性として愛したいという気持ちを
日々常々抑えているのだとおっしゃったのです」

 えっ?
 ポーラさん?
 そこまで言っちゃうんです?
 いや確かにそうではあるんですけど…。
 でもこれじゃあ…
 俺はいつもみんな相手に発情しているみたいじゃないですか?
 いや…まあ…言葉にすると…
 それであってはいるんですけどね…。

「つまりお兄様が抱くお気持ちは、
わたくしたちがお兄様にたいして抱いている気持ちと同じなのです。
立派で頼れるケイガお兄様は、お兄様であると同時に魅力的な男性です。
わたくしたちはそんなお兄様に日々、心を揺り動かされて
兄としてでなく男性として愛したいという気持ちを常に抱いています。
…つまりわたくしたちとお兄様は、両想いだったのです!」

 えっ…ええっーー!?
 俺はポーラ姫の発言に仰天した。
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