シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

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第151話 殿下の剣

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 少し話を戻そう。

 昨日の朝の、
 あの寝起きのひと騒動が一段落して、
 ポーラ姫とミリィは今後のことについての話の場を設けてくれた。

 そこでポーラ姫はエクスラント聖王国の長として、
 異世界から召喚された勇者である
 優羽花ゆうかと俺に最大限の支援をしたいと言ってくれた。
 俺たちはこの異世界エゾン・レイギスで右も左もわからない身。
 その申し出は大変心強く、とても有難い限りである。

 まずは衣食住に関してはこの宮殿にて全て提供をしてくれるとのこと。
 お金についても必要な事が有れば、その都度提供してくれるとのこと。
 そして他にも何か必要なものがあれば準備してくれるとのことである。

 俺は早速、自分のなまった身体を鍛え直す修練の場を願い出た。
 ポーラ姫は此の宮殿の敷地内をその場に、
 そして修練の稽古相手に姫騎士団プリンセスナイツを提供してくれた。
 この場に居る姫騎士団プリンセスナイツも快く俺の願いを受けてくれた。

「ありがとう、ポーラ姫。
ごめん…あともうひとつだけ必要なものがあるんだけど良いかな?
俺にひとつ、『武器』を準備して欲しいんだ。
武器種は剣が良いなあ。
あの剣を持った魔族の騎士ディラムはとても強かった。
俺の戦い方は格闘技が主体ではあるが
相手が武器持ちだと、どうしても遅れが出てしまう。
彼等と互角以上に渡り合う為に自分の武器が欲しいんだ」

「剣ですか…。
それではケイガお兄様にふさわしいものがあります。
シノブ、あの中剣ミドルソードを持って来て下さいますか?」

「了解しました姫様、それでは今すぐに」

 シノブさんは話の場として使っている宮殿の食堂から出て行った。
 そしてしばらくの時間を置いて…
 一本の剣を携えて戻って来た。

「それは…俺が泊った部屋にあった剣?」

「ええそうですケイガお兄様。
その剣を兄様にお譲りいたします」

「譲る…?
貸してくれるとかじゃなく?」

「はいもちろんです、ケイガお兄様」

「でもこの剣は…
ポーラ姫に取っても大切な剣じゃないのか?
俺が泊っていた部屋は…
ファイズ殿下の部屋だったと俺は思っているんだが?
つまり、その部屋に安置されていた此の使い込まれた剣は…
ポーラ姫の実兄である殿下が愛用していた剣じゃないか?
そんな大切なものを俺が貰っても良いのか…?」

「流石はケイガお兄様。
既に全てお見通しだったのですね。
はい、おっしゃる通りです。
ケイガお兄様が泊っていた部屋はファイズお兄様のお部屋で
その剣はファイズ兄様の愛剣になります。
…だからこそ、わたくしはケイガお兄様にお使い頂きたいのです」
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