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第133話 経緯(いきさつ)
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「兄君様《あにぎみさま》、それはね…」
ミリィは俺が二人とベッドを共にすることになった敬意を話し始めた。
******
「ケイガお兄君様、ポーラですわ。
遅れてしまい申し訳ありません。
それでは失礼します」
我が従妹であるポーラは
ケイガお兄君様の部屋をノックして声を掛けると、
ドアを開けて中に入った。
ボクも続いて部屋に入る。
「…ケイガお兄君様?」
ポーラは部屋のベッドを見て、その動きを止めた。
ボクも続けてそのベッドに視線を向けた。
其処には、眠っているケイガ兄君様の姿があった。
「兄君様、眠っているね…」
「お兄様、とてもよく眠っていますわ…」
「うーん、
ケイガ兄君様はボク達のお風呂が長すぎて、
待ちくたびれて眠っちゃったんだよ。
今日初めてこのエゾン・レイギスに来て、
とてもお疲れだろうから、さも当然だね。
…大体ポーラが悪いんだよ。
ボクは早く上がろうと言っているのに、
それを制して…何度も何度も身体を洗うから」
「だってミリィお姉様!
今からケイガお兄様のお部屋に入るんですよ!
だったら、念入りに身体を洗い磨いておくことは、
乙女の嗜みというものですわ。
もしかしたら…お兄様が…その…わたくしを…お求めになるかも知れませんし」
「ちょっと待ってポーラ!
ボクたちがケイガ兄君様の部屋に行くのは
今後の話をするためだよね?
何で急にそういうコトになるのかな?
…あり得ないよね?」
「ミリィお姉様。
いつ何時、何が起きても大丈夫な様に備えておくのが
乙女の嗜みというものですわ」
「そ、そうかなあ…?
そもそもそれって、乙女の嗜みなのかなあ…。
大体ボクも一緒にいるんだよ?」
「いえいえミリィお姉様。
昂ぶったケイガお兄様が、
わたくしとお姉様をふたりまとめてお求めになるかも知れませんわ!
ああっ、ダメっお兄様!
お姉様の前でっ、そんなに激しくぅ!
…なんて」
「そんなこと有る訳ないだろう!
それじゃまるで、ケイガ兄君様はケダモノじゃないか!」
「そうなんですわミリィお姉様。
男の人は皆、ケダモノと…何か本に書いてありましたの。
ですからわたくしは本の通りの可能性を考えたという訳なのです」
「いやいやポーラ。
ケイガ兄君様はとても紳士的だよ…その本のほうが間違ってないかな?」
「わたくしもケイガお兄様は獣とは程遠い、
とても理知的で紳士的なお方だと思いますわ。
ですが99.9パーセントそうだとしても…
残り0.01パーセントの可能性がある限り、
わたくしは納得ゆくまで自分の身体を磨く必要がありましたの!」
ポーラは強い意志を宿した瞳で言葉を述べた。
ミリィは俺が二人とベッドを共にすることになった敬意を話し始めた。
******
「ケイガお兄君様、ポーラですわ。
遅れてしまい申し訳ありません。
それでは失礼します」
我が従妹であるポーラは
ケイガお兄君様の部屋をノックして声を掛けると、
ドアを開けて中に入った。
ボクも続いて部屋に入る。
「…ケイガお兄君様?」
ポーラは部屋のベッドを見て、その動きを止めた。
ボクも続けてそのベッドに視線を向けた。
其処には、眠っているケイガ兄君様の姿があった。
「兄君様、眠っているね…」
「お兄様、とてもよく眠っていますわ…」
「うーん、
ケイガ兄君様はボク達のお風呂が長すぎて、
待ちくたびれて眠っちゃったんだよ。
今日初めてこのエゾン・レイギスに来て、
とてもお疲れだろうから、さも当然だね。
…大体ポーラが悪いんだよ。
ボクは早く上がろうと言っているのに、
それを制して…何度も何度も身体を洗うから」
「だってミリィお姉様!
今からケイガお兄様のお部屋に入るんですよ!
だったら、念入りに身体を洗い磨いておくことは、
乙女の嗜みというものですわ。
もしかしたら…お兄様が…その…わたくしを…お求めになるかも知れませんし」
「ちょっと待ってポーラ!
ボクたちがケイガ兄君様の部屋に行くのは
今後の話をするためだよね?
何で急にそういうコトになるのかな?
…あり得ないよね?」
「ミリィお姉様。
いつ何時、何が起きても大丈夫な様に備えておくのが
乙女の嗜みというものですわ」
「そ、そうかなあ…?
そもそもそれって、乙女の嗜みなのかなあ…。
大体ボクも一緒にいるんだよ?」
「いえいえミリィお姉様。
昂ぶったケイガお兄様が、
わたくしとお姉様をふたりまとめてお求めになるかも知れませんわ!
ああっ、ダメっお兄様!
お姉様の前でっ、そんなに激しくぅ!
…なんて」
「そんなこと有る訳ないだろう!
それじゃまるで、ケイガ兄君様はケダモノじゃないか!」
「そうなんですわミリィお姉様。
男の人は皆、ケダモノと…何か本に書いてありましたの。
ですからわたくしは本の通りの可能性を考えたという訳なのです」
「いやいやポーラ。
ケイガ兄君様はとても紳士的だよ…その本のほうが間違ってないかな?」
「わたくしもケイガお兄様は獣とは程遠い、
とても理知的で紳士的なお方だと思いますわ。
ですが99.9パーセントそうだとしても…
残り0.01パーセントの可能性がある限り、
わたくしは納得ゆくまで自分の身体を磨く必要がありましたの!」
ポーラは強い意志を宿した瞳で言葉を述べた。
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