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第107話 健気な言葉
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「ああ、兄さん…会いたかった」
俺の家のお隣さん、地ノ宮 静里菜。
俺と優羽花とは昔からずっと三人一緒に過ごして来て、幼馴染みというよりは家族に近しい存在。
静里菜は俺の事を兄さんと呼び、俺も彼女をもう一人の妹だと思っている。
そんな俺の二人目の妹が夢の中に突然に現れて、俺の胸の中に飛び込んで来た。
「静里菜!?」
俺は咄嗟に両腕を広げて静里菜を抱き止めた。
彼女はそのまま俺の背中に手を回した。
俺たちはお互いに抱き合う様な格好になってしまった。
静里菜の華奢な身体が、
そして彼女がその身に纏う、
可憐な紅白の巫女服の素晴らしい感触が、
俺の身体を包み込んだ。
とても夢の中とは思えないリアルな感触である。
俺は古風な言い方をすれば、『巫女萌え』という奴である。
だから、巫女装束の感触は誰よりもよくわかっているつもりだ。
そんな俺が”リアルな感触”と認識出来るとは…
今日は凄く再現性の高い夢を見ているなあと、俺は思った。
俺は 静里菜の身体を抱きしめたまま、その感触を確認する。
ああ…やはり巫女服の手触りは素晴らしすぎる…。
静里菜の背中を、腕を、腰をさわさわと触れてみる。
うおお…何という心地良さ…
まったく…巫女服は最高だぜ!
「…ああン!
兄さん、そんなに…あちこち触られると…わ、わたし…」
静里菜が頬を赤らめて俺に訴えて来た。
「あっ…ご、ごめんな…静里菜。
久しぶりの巫女服の感触に
歯止めが利かなくなってしまったよ…」
今日は色んな事があり過ぎた。
まるで数年分の出来事が圧縮されたの様な濃い一日だったのである。
だから、静里菜とも何年も会って居ないかの様な感覚に捉われれてしまった。
もちろん巫女服の感触も。
それで歯止めが利かなくなってしまったのである。
俺は静里菜に心から謝ると、彼女からそっと腕を離した。
「こちらこそごめんなさい。
兄さんの大きな手に急に触られて、びっくりしちゃいました」
静里菜はそう言うと、俺の腕を手に取って、自分の身体に引き戻した。
「…もう大丈夫ですから。
兄さん、まだわたしの巫女服に触れたいのでしょう?
もっと触っても良いんですよ?
わたし、兄さんのこと…全部受け止めちゃいますから」
静里菜の健気な言葉が俺の胸に突き刺さった。
「う…」
俺はごくりと唾を飲んだ。
えっ?
本当に?
その可憐な巫女服を好きなだけ触りまくっても良いの?
日本が生み出した至高の衣装、
巫女装束に身を包んだ俺の愛しい妹、
地ノ宮 静里菜。
俺は彼女の綺麗な瞳を覗き込みながら、
恐る恐る確認の言葉を口にした。
「せ、静里菜…良い…のか…?」
「はい、兄さん。どうぞ」
静里菜はそう言うと俺に向けて両腕を広げた。
俺の家のお隣さん、地ノ宮 静里菜。
俺と優羽花とは昔からずっと三人一緒に過ごして来て、幼馴染みというよりは家族に近しい存在。
静里菜は俺の事を兄さんと呼び、俺も彼女をもう一人の妹だと思っている。
そんな俺の二人目の妹が夢の中に突然に現れて、俺の胸の中に飛び込んで来た。
「静里菜!?」
俺は咄嗟に両腕を広げて静里菜を抱き止めた。
彼女はそのまま俺の背中に手を回した。
俺たちはお互いに抱き合う様な格好になってしまった。
静里菜の華奢な身体が、
そして彼女がその身に纏う、
可憐な紅白の巫女服の素晴らしい感触が、
俺の身体を包み込んだ。
とても夢の中とは思えないリアルな感触である。
俺は古風な言い方をすれば、『巫女萌え』という奴である。
だから、巫女装束の感触は誰よりもよくわかっているつもりだ。
そんな俺が”リアルな感触”と認識出来るとは…
今日は凄く再現性の高い夢を見ているなあと、俺は思った。
俺は 静里菜の身体を抱きしめたまま、その感触を確認する。
ああ…やはり巫女服の手触りは素晴らしすぎる…。
静里菜の背中を、腕を、腰をさわさわと触れてみる。
うおお…何という心地良さ…
まったく…巫女服は最高だぜ!
「…ああン!
兄さん、そんなに…あちこち触られると…わ、わたし…」
静里菜が頬を赤らめて俺に訴えて来た。
「あっ…ご、ごめんな…静里菜。
久しぶりの巫女服の感触に
歯止めが利かなくなってしまったよ…」
今日は色んな事があり過ぎた。
まるで数年分の出来事が圧縮されたの様な濃い一日だったのである。
だから、静里菜とも何年も会って居ないかの様な感覚に捉われれてしまった。
もちろん巫女服の感触も。
それで歯止めが利かなくなってしまったのである。
俺は静里菜に心から謝ると、彼女からそっと腕を離した。
「こちらこそごめんなさい。
兄さんの大きな手に急に触られて、びっくりしちゃいました」
静里菜はそう言うと、俺の腕を手に取って、自分の身体に引き戻した。
「…もう大丈夫ですから。
兄さん、まだわたしの巫女服に触れたいのでしょう?
もっと触っても良いんですよ?
わたし、兄さんのこと…全部受け止めちゃいますから」
静里菜の健気な言葉が俺の胸に突き刺さった。
「う…」
俺はごくりと唾を飲んだ。
えっ?
本当に?
その可憐な巫女服を好きなだけ触りまくっても良いの?
日本が生み出した至高の衣装、
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俺は彼女の綺麗な瞳を覗き込みながら、
恐る恐る確認の言葉を口にした。
「せ、静里菜…良い…のか…?」
「はい、兄さん。どうぞ」
静里菜はそう言うと俺に向けて両腕を広げた。
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