94 / 556
第94話 セーフです!
しおりを挟む
「あ、あ…あうう…ああ…ち、違うもん!
お兄の…そ、そこはあ…昔はもっと可愛かったもん!
そんなに大きくて…怖くは無かったもん!」
優羽花が顔を真っ赤にして俺の股間を指さしながら、何か訳がわからないことを喚いている。
言葉遣いが幼くなっている気がする。
少し幼児退行を起こしてはいないだろうか?
しかし俺の股間の分身が可愛かった時代なんて…
一体何時の頃のことを言っているのだ?
我が愛しい妹よ?
人間とは日々成長するものなのである。
そして時の流れは残酷なのだ。
「う…うーん…」
「…は…うう…」
シダレは目を回しながらぺたりと座り込んでいる。
ツツジは耳まで赤くなった顔を両手で覆いながらしゃがみ込んでいる。
ああ、せっかく俺と優羽花を護衛に来てくれたのに、こんなことになって申し訳ない…。
俺は姫騎士団のふたりに心の中で謝った。
しかし、俺の分身は100%の状態では無かった。
45%…せいぜい60%といった所だろう。
100%中の100%の俺の分身を見られてしまっては俺は羞恥の余り切腹モノだったろうが、
それとは程遠い状態だったのである。
つまり俺の分身は、優羽花が言う程は恐ろしくは無い筈なのだ!
だから今回はセーフ! セーフです!
…多分。
俺は洗い場の蛇口の青い手回しを全開にすると、木の桶の中に冷水を溜めた。
そして桶の水を俺の股間に容赦なく打ちつける。
それを何度か繰り返す。
その冷たさに俺の身体は震え、股間の分身の猛りの熱も鎮まっていく。
ふう…平静を取り戻した分身の様相を見て、俺は胸を撫でおろした。
そして俺はタオルを腰に巻くと周囲を改めて見回した。
優羽花、シダレ、ツツジ。
愛しい妹たちは全員、放心状態である。
これは優羽花が招いた事態であり、俺自身は被害者であり非は無いのだが…
兄として妹たちをこのまま放っておくことは出来ないだろう。
だが彼女たちがこうなってしまった原因は間違いなく俺である。
そんな俺が彼女たちを介抱しようものなら、再度ショックを与えてしまうかも知れない。
一体どうするべきか…俺が思案に明け暮れていたところ、突然脱衣所から声がした。
「ケイガ兄様! 大きな声がしたのですが、何かありましたか?」
姫騎士団の団長であるシノブさんが脱衣所から浴場へと続く扉ごしに俺を呼んでいる。
なるほど、さっきの優羽花たちの絶叫が銭湯の外にまで聞こえたということか。
俺は渡りに船とばかりに浴場の扉を開けると、シノブさんに助けを求めた。
お兄の…そ、そこはあ…昔はもっと可愛かったもん!
そんなに大きくて…怖くは無かったもん!」
優羽花が顔を真っ赤にして俺の股間を指さしながら、何か訳がわからないことを喚いている。
言葉遣いが幼くなっている気がする。
少し幼児退行を起こしてはいないだろうか?
しかし俺の股間の分身が可愛かった時代なんて…
一体何時の頃のことを言っているのだ?
我が愛しい妹よ?
人間とは日々成長するものなのである。
そして時の流れは残酷なのだ。
「う…うーん…」
「…は…うう…」
シダレは目を回しながらぺたりと座り込んでいる。
ツツジは耳まで赤くなった顔を両手で覆いながらしゃがみ込んでいる。
ああ、せっかく俺と優羽花を護衛に来てくれたのに、こんなことになって申し訳ない…。
俺は姫騎士団のふたりに心の中で謝った。
しかし、俺の分身は100%の状態では無かった。
45%…せいぜい60%といった所だろう。
100%中の100%の俺の分身を見られてしまっては俺は羞恥の余り切腹モノだったろうが、
それとは程遠い状態だったのである。
つまり俺の分身は、優羽花が言う程は恐ろしくは無い筈なのだ!
だから今回はセーフ! セーフです!
…多分。
俺は洗い場の蛇口の青い手回しを全開にすると、木の桶の中に冷水を溜めた。
そして桶の水を俺の股間に容赦なく打ちつける。
それを何度か繰り返す。
その冷たさに俺の身体は震え、股間の分身の猛りの熱も鎮まっていく。
ふう…平静を取り戻した分身の様相を見て、俺は胸を撫でおろした。
そして俺はタオルを腰に巻くと周囲を改めて見回した。
優羽花、シダレ、ツツジ。
愛しい妹たちは全員、放心状態である。
これは優羽花が招いた事態であり、俺自身は被害者であり非は無いのだが…
兄として妹たちをこのまま放っておくことは出来ないだろう。
だが彼女たちがこうなってしまった原因は間違いなく俺である。
そんな俺が彼女たちを介抱しようものなら、再度ショックを与えてしまうかも知れない。
一体どうするべきか…俺が思案に明け暮れていたところ、突然脱衣所から声がした。
「ケイガ兄様! 大きな声がしたのですが、何かありましたか?」
姫騎士団の団長であるシノブさんが脱衣所から浴場へと続く扉ごしに俺を呼んでいる。
なるほど、さっきの優羽花たちの絶叫が銭湯の外にまで聞こえたということか。
俺は渡りに船とばかりに浴場の扉を開けると、シノブさんに助けを求めた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる