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第81話 聖王国のお風呂
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「兄様! ユウカ様! お風呂の準備が出来たので呼びに来たよ!」
「あの…お風呂の場所にご案内しますので…私たちのあとについて来てください…」
聖騎士団の団員の中でも元気なシダレと大人しいツツジという対照的な二人が食堂にやって来て俺たちを呼んだ。
優羽花は既に俺の肩から身を離していて、その眼差しも態度も気の強い感じになって、いつもの気後れしない妹といった感じに戻っている。
どうやらデレのボーナスタイムは終了の様である。
確かに素直でしおらしい優羽花は心地良いものだった。
だがいつまでもそのままでは俺は腑抜けになってしまうだろうな。
俺も気持ちを切り替えると席を立った。
「ありがとう、シダレ、ツツジ。それじゃあ案内お願いするよ」
「はーい兄様!」
「…兄様、こちらです…」
俺と優羽花は二人の後に続いた。
「お風呂楽しみー、この国のお風呂ってどういう感じなのかなあ?」
優羽花は心底、風呂に入れることが楽しみな様である。
今日は色んな事があり過ぎた。
数年間の出来事が凝縮されたのごとく濃い一日。
そして一日中戦いっぱなしだったのである。
身体の汚れも相当なものだろう。
女の子の優羽花からすれば一刻も早く身体を洗いたいのでは無いだろうか?
かく言う男の俺でも、早くさっぱりしたいなあと思っているのだから。
「えへへー、聖王国のお風呂は他の国でも珍しいと思うよ! 兄様もユウカ様も期待しててね!」
シダレは元気いっぱいの笑顔で優羽花の問いに答えた。
へええ…それは期待せざるを得ないなあ。
俺と優羽花は楽しみな気持ちを表情に乗せながらシダレとツツジの後を歩いた。
そして城内の廊下を幾らか歩いた先の、行き止まりの箇所で二人は足を停めた。
「兄様…ユウカ様…。こちらがお風呂になります…。
男性と女性はここで入り口が別れる感じになっています…」
ツツジが指し示した先の部屋の入り口は、大きく『ゆ』とひらがなで書かれた青と赤の暖簾が横に並んでいた。
「…日本の銭湯だこれ!」
「そうだね…お兄…」
俺と優羽花は目を丸くして仰天した。
地球で言う西洋っぽい雰囲気をしたこの異世界で、しかもお城の中で、日本の銭湯の入り口を見るとは思わなかったのである。
…いや、このエクスラント聖王国の和食文化を見た時点でこういうことも予想するべきだったのかも知れない。
俺たちより昔にこの異世界エゾン・レイギスに召喚されて、この国に日本の和食文化を広めたであろう日本人は、日本の銭湯の文化まで広めたということか…?
先人たちは凄いなあ…と俺は改めて思った。
「あの…お風呂の場所にご案内しますので…私たちのあとについて来てください…」
聖騎士団の団員の中でも元気なシダレと大人しいツツジという対照的な二人が食堂にやって来て俺たちを呼んだ。
優羽花は既に俺の肩から身を離していて、その眼差しも態度も気の強い感じになって、いつもの気後れしない妹といった感じに戻っている。
どうやらデレのボーナスタイムは終了の様である。
確かに素直でしおらしい優羽花は心地良いものだった。
だがいつまでもそのままでは俺は腑抜けになってしまうだろうな。
俺も気持ちを切り替えると席を立った。
「ありがとう、シダレ、ツツジ。それじゃあ案内お願いするよ」
「はーい兄様!」
「…兄様、こちらです…」
俺と優羽花は二人の後に続いた。
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優羽花は心底、風呂に入れることが楽しみな様である。
今日は色んな事があり過ぎた。
数年間の出来事が凝縮されたのごとく濃い一日。
そして一日中戦いっぱなしだったのである。
身体の汚れも相当なものだろう。
女の子の優羽花からすれば一刻も早く身体を洗いたいのでは無いだろうか?
かく言う男の俺でも、早くさっぱりしたいなあと思っているのだから。
「えへへー、聖王国のお風呂は他の国でも珍しいと思うよ! 兄様もユウカ様も期待しててね!」
シダレは元気いっぱいの笑顔で優羽花の問いに答えた。
へええ…それは期待せざるを得ないなあ。
俺と優羽花は楽しみな気持ちを表情に乗せながらシダレとツツジの後を歩いた。
そして城内の廊下を幾らか歩いた先の、行き止まりの箇所で二人は足を停めた。
「兄様…ユウカ様…。こちらがお風呂になります…。
男性と女性はここで入り口が別れる感じになっています…」
ツツジが指し示した先の部屋の入り口は、大きく『ゆ』とひらがなで書かれた青と赤の暖簾が横に並んでいた。
「…日本の銭湯だこれ!」
「そうだね…お兄…」
俺と優羽花は目を丸くして仰天した。
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…いや、このエクスラント聖王国の和食文化を見た時点でこういうことも予想するべきだったのかも知れない。
俺たちより昔にこの異世界エゾン・レイギスに召喚されて、この国に日本の和食文化を広めたであろう日本人は、日本の銭湯の文化まで広めたということか…?
先人たちは凄いなあ…と俺は改めて思った。
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