76 / 556
第76話 だから俺は謝らない
しおりを挟む
俺と優羽花(ゆうか)は不毛な言い争いを繰り広げた。
だが俺たち兄妹の関係は元来こんなものである。
俺が会社をクビにさせられて引籠りになってから、そして異世界エゾン・レイギスに飛ばされてから、俺たちは言うなればずっと”らしく無い”しおらしい関係になっていたのだ。
聖王国に入って、戦闘で疲れた身体を休めて、ごはんをお腹いっぱい食べて、心身共に落ち着いて来て、ようやく元の関係に戻って来たのである。
「ふっ、何度言われれてもこの意見は変わらない。
優羽花とは伊達に兄妹(きょうだい)歴16年を過ごしては無いということだ。お前の裸で劣情を感じることは無いと断言しよう」
俺は自信たっぷりのドヤ顔で言い放った。
更には不敵な笑み付きである。
どうだこの勝ち誇った様な態度。
端的に言うと俺は凄く調子に乗っている。
「な、なんですっええーー!
兄妹歴16年だって言ってもあたしとお兄は直接の血の繋がりは無い男と女であることは替わりは無いんだからね!
…ちょ、ちょっとはあるんじゃないの…?
それじゃあ! 同じ兄妹歴16年の静里菜(せりな)はどうなのよ!?」
「んー? 静里菜かあ…」
俺は自宅のお隣さんで兄妹歴16年の地ノ宮 静里菜(ちのみや せりな)のことを頭に思い浮かべた。
彼女の家は神社であり、彼女自身も巫女さんである。
可憐な巫女装束に身を包んだ静里菜の姿が脳裏に浮かんで、続けてその巫女装束がはだけていく静里菜の姿が思い浮かんだ。
うっ…これは…。
「お兄、鼻の下伸びてる」
「えっ、そんなことは!?」
俺はとっさに鼻を手で隠した。
「…ふうん、静里菜の裸を想像してそういう気持ちになったんだ?」
「でも仕方がないだろう!
静里菜は巫女装束姿でだったんだから!
これは不可抗力って奴だ!」
「そんな頭の中のことまで知らないわよ馬鹿スケベお兄!
この巫女オタク! あと静里菜にも謝りなさいよね!」
「俺が巫女オタク…違うぞ優羽花!
巫女装束は日本が生み出した至高の衣装なのだ!
つまり巫女装束に心奪われるのは日本男子しては至極当たり前ということだ。
つまり俺が巫女装束に目が無いのは日本男子として当然のこと。
俺が巫女オタクという訳では無い…日本男子が全て巫女オタクということだ…。
そうだ…俺が! 俺たちが! 巫女オタクだ!」
「真面目な顔で何言ってんのこの馬鹿お兄い!?」
「静里菜には悪いと思っている…だが反省はしない!
何故ならば、巫女装束がはだけていく女性を想像して猛らない日本男子など居ないからだ!
つまりこれは日本男子としては必然なのだ!
だから俺は謝らない!」
「謝りなさいよこの馬鹿スケベお兄ーー!!」
優羽花の怒りの絶叫が食堂に響き渡る。
だが俺は全く動じることなく、自信たっぷりのドヤ顔を崩すことなく、食堂の椅子にあぐらを組んで堂々と鎮座するのであった。
だが俺たち兄妹の関係は元来こんなものである。
俺が会社をクビにさせられて引籠りになってから、そして異世界エゾン・レイギスに飛ばされてから、俺たちは言うなればずっと”らしく無い”しおらしい関係になっていたのだ。
聖王国に入って、戦闘で疲れた身体を休めて、ごはんをお腹いっぱい食べて、心身共に落ち着いて来て、ようやく元の関係に戻って来たのである。
「ふっ、何度言われれてもこの意見は変わらない。
優羽花とは伊達に兄妹(きょうだい)歴16年を過ごしては無いということだ。お前の裸で劣情を感じることは無いと断言しよう」
俺は自信たっぷりのドヤ顔で言い放った。
更には不敵な笑み付きである。
どうだこの勝ち誇った様な態度。
端的に言うと俺は凄く調子に乗っている。
「な、なんですっええーー!
兄妹歴16年だって言ってもあたしとお兄は直接の血の繋がりは無い男と女であることは替わりは無いんだからね!
…ちょ、ちょっとはあるんじゃないの…?
それじゃあ! 同じ兄妹歴16年の静里菜(せりな)はどうなのよ!?」
「んー? 静里菜かあ…」
俺は自宅のお隣さんで兄妹歴16年の地ノ宮 静里菜(ちのみや せりな)のことを頭に思い浮かべた。
彼女の家は神社であり、彼女自身も巫女さんである。
可憐な巫女装束に身を包んだ静里菜の姿が脳裏に浮かんで、続けてその巫女装束がはだけていく静里菜の姿が思い浮かんだ。
うっ…これは…。
「お兄、鼻の下伸びてる」
「えっ、そんなことは!?」
俺はとっさに鼻を手で隠した。
「…ふうん、静里菜の裸を想像してそういう気持ちになったんだ?」
「でも仕方がないだろう!
静里菜は巫女装束姿でだったんだから!
これは不可抗力って奴だ!」
「そんな頭の中のことまで知らないわよ馬鹿スケベお兄!
この巫女オタク! あと静里菜にも謝りなさいよね!」
「俺が巫女オタク…違うぞ優羽花!
巫女装束は日本が生み出した至高の衣装なのだ!
つまり巫女装束に心奪われるのは日本男子しては至極当たり前ということだ。
つまり俺が巫女装束に目が無いのは日本男子として当然のこと。
俺が巫女オタクという訳では無い…日本男子が全て巫女オタクということだ…。
そうだ…俺が! 俺たちが! 巫女オタクだ!」
「真面目な顔で何言ってんのこの馬鹿お兄い!?」
「静里菜には悪いと思っている…だが反省はしない!
何故ならば、巫女装束がはだけていく女性を想像して猛らない日本男子など居ないからだ!
つまりこれは日本男子としては必然なのだ!
だから俺は謝らない!」
「謝りなさいよこの馬鹿スケベお兄ーー!!」
優羽花の怒りの絶叫が食堂に響き渡る。
だが俺は全く動じることなく、自信たっぷりのドヤ顔を崩すことなく、食堂の椅子にあぐらを組んで堂々と鎮座するのであった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる