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第76話 だから俺は謝らない
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俺と優羽花(ゆうか)は不毛な言い争いを繰り広げた。
だが俺たち兄妹の関係は元来こんなものである。
俺が会社をクビにさせられて引籠りになってから、そして異世界エゾン・レイギスに飛ばされてから、俺たちは言うなればずっと”らしく無い”しおらしい関係になっていたのだ。
聖王国に入って、戦闘で疲れた身体を休めて、ごはんをお腹いっぱい食べて、心身共に落ち着いて来て、ようやく元の関係に戻って来たのである。
「ふっ、何度言われれてもこの意見は変わらない。
優羽花とは伊達に兄妹(きょうだい)歴16年を過ごしては無いということだ。お前の裸で劣情を感じることは無いと断言しよう」
俺は自信たっぷりのドヤ顔で言い放った。
更には不敵な笑み付きである。
どうだこの勝ち誇った様な態度。
端的に言うと俺は凄く調子に乗っている。
「な、なんですっええーー!
兄妹歴16年だって言ってもあたしとお兄は直接の血の繋がりは無い男と女であることは替わりは無いんだからね!
…ちょ、ちょっとはあるんじゃないの…?
それじゃあ! 同じ兄妹歴16年の静里菜(せりな)はどうなのよ!?」
「んー? 静里菜かあ…」
俺は自宅のお隣さんで兄妹歴16年の地ノ宮 静里菜(ちのみや せりな)のことを頭に思い浮かべた。
彼女の家は神社であり、彼女自身も巫女さんである。
可憐な巫女装束に身を包んだ静里菜の姿が脳裏に浮かんで、続けてその巫女装束がはだけていく静里菜の姿が思い浮かんだ。
うっ…これは…。
「お兄、鼻の下伸びてる」
「えっ、そんなことは!?」
俺はとっさに鼻を手で隠した。
「…ふうん、静里菜の裸を想像してそういう気持ちになったんだ?」
「でも仕方がないだろう!
静里菜は巫女装束姿でだったんだから!
これは不可抗力って奴だ!」
「そんな頭の中のことまで知らないわよ馬鹿スケベお兄!
この巫女オタク! あと静里菜にも謝りなさいよね!」
「俺が巫女オタク…違うぞ優羽花!
巫女装束は日本が生み出した至高の衣装なのだ!
つまり巫女装束に心奪われるのは日本男子しては至極当たり前ということだ。
つまり俺が巫女装束に目が無いのは日本男子として当然のこと。
俺が巫女オタクという訳では無い…日本男子が全て巫女オタクということだ…。
そうだ…俺が! 俺たちが! 巫女オタクだ!」
「真面目な顔で何言ってんのこの馬鹿お兄い!?」
「静里菜には悪いと思っている…だが反省はしない!
何故ならば、巫女装束がはだけていく女性を想像して猛らない日本男子など居ないからだ!
つまりこれは日本男子としては必然なのだ!
だから俺は謝らない!」
「謝りなさいよこの馬鹿スケベお兄ーー!!」
優羽花の怒りの絶叫が食堂に響き渡る。
だが俺は全く動じることなく、自信たっぷりのドヤ顔を崩すことなく、食堂の椅子にあぐらを組んで堂々と鎮座するのであった。
だが俺たち兄妹の関係は元来こんなものである。
俺が会社をクビにさせられて引籠りになってから、そして異世界エゾン・レイギスに飛ばされてから、俺たちは言うなればずっと”らしく無い”しおらしい関係になっていたのだ。
聖王国に入って、戦闘で疲れた身体を休めて、ごはんをお腹いっぱい食べて、心身共に落ち着いて来て、ようやく元の関係に戻って来たのである。
「ふっ、何度言われれてもこの意見は変わらない。
優羽花とは伊達に兄妹(きょうだい)歴16年を過ごしては無いということだ。お前の裸で劣情を感じることは無いと断言しよう」
俺は自信たっぷりのドヤ顔で言い放った。
更には不敵な笑み付きである。
どうだこの勝ち誇った様な態度。
端的に言うと俺は凄く調子に乗っている。
「な、なんですっええーー!
兄妹歴16年だって言ってもあたしとお兄は直接の血の繋がりは無い男と女であることは替わりは無いんだからね!
…ちょ、ちょっとはあるんじゃないの…?
それじゃあ! 同じ兄妹歴16年の静里菜(せりな)はどうなのよ!?」
「んー? 静里菜かあ…」
俺は自宅のお隣さんで兄妹歴16年の地ノ宮 静里菜(ちのみや せりな)のことを頭に思い浮かべた。
彼女の家は神社であり、彼女自身も巫女さんである。
可憐な巫女装束に身を包んだ静里菜の姿が脳裏に浮かんで、続けてその巫女装束がはだけていく静里菜の姿が思い浮かんだ。
うっ…これは…。
「お兄、鼻の下伸びてる」
「えっ、そんなことは!?」
俺はとっさに鼻を手で隠した。
「…ふうん、静里菜の裸を想像してそういう気持ちになったんだ?」
「でも仕方がないだろう!
静里菜は巫女装束姿でだったんだから!
これは不可抗力って奴だ!」
「そんな頭の中のことまで知らないわよ馬鹿スケベお兄!
この巫女オタク! あと静里菜にも謝りなさいよね!」
「俺が巫女オタク…違うぞ優羽花!
巫女装束は日本が生み出した至高の衣装なのだ!
つまり巫女装束に心奪われるのは日本男子しては至極当たり前ということだ。
つまり俺が巫女装束に目が無いのは日本男子として当然のこと。
俺が巫女オタクという訳では無い…日本男子が全て巫女オタクということだ…。
そうだ…俺が! 俺たちが! 巫女オタクだ!」
「真面目な顔で何言ってんのこの馬鹿お兄い!?」
「静里菜には悪いと思っている…だが反省はしない!
何故ならば、巫女装束がはだけていく女性を想像して猛らない日本男子など居ないからだ!
つまりこれは日本男子としては必然なのだ!
だから俺は謝らない!」
「謝りなさいよこの馬鹿スケベお兄ーー!!」
優羽花の怒りの絶叫が食堂に響き渡る。
だが俺は全く動じることなく、自信たっぷりのドヤ顔を崩すことなく、食堂の椅子にあぐらを組んで堂々と鎮座するのであった。
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