72 / 556
第72話 白いご飯と味噌汁とお漬物
しおりを挟む
「シダレ、この凄く旨い肉は何という動物の肉なんだ?」
「オウミギューの肉だよ!」
和牛じゃないかっーー!?
俺は心の中で絶叫した。
この肉は普通に牛の肉だったのか?
いや牛肉とはちょっと感じが違う気がする気がする…。
「オウミが品種の名前! ギューが動物の名前だよ!
こういう風に角が生えた大きな動物なんだ」
シダレは頭の上に手を乗せてぐねぐねと伸びたポーズを取った。
なるほど、地球の肉牛とギューという動物はまったく同じ姿をしているという訳では無さそうだ。
でもオウミの部分は間違いなく有名な和牛から来ているのではと俺は思う。
「お肉を焼くならシダレに任せてね!」
シダレは空になった肉皿を元気よく下げていった。
いやあ、今のギュー肉は旨かった。
異世界の料理というのは実際にこうして食べてみると、地球、いや日本の料理とほぼ遜色ないと俺は感じている。
料理の食材も完全に同じでは無いものの、似通った感じでである。
世界が違えど、同じ人間なのだから味覚は同じなのかも知れない。
そして料理に使う食材も同じようなものを求めるのかも知れない。
もしかすると…過去に召喚された地球人が教えた料理方法が根付いているのかも知れない。
俺の中に色々な考えが浮かんだが、ここは素直に旨い料理が食べられることに感謝すべきであろう。
「ふふっ、二人とも良い食べっぷりじゃないか。次はボクの作った料理を食べてもらおうかな」
「兄様、ユウカ、ごはんだよ」
「ケイガ兄様、ユウカ妹様、ごはんのお供はお漬物ですわ! どうぞお召し上がってくださいまし!」
ミリィとモミジとイロハが台車を推して現れた。
そしてモジミがごはんの入ったお椀、ミリィが味噌汁らしき汁物が入ったお椀、イロハが漬物が入った小鉢を置いた。
これは完全に和食じゃないか!
異世界で白飯とお味噌汁と漬物が食べられるなんて!
生粋の日本人の俺には有難いことこの上ない。
俺と優羽花(ゆうか)は喜び勇んでご飯と汁と漬物を口の中に運び入れた。
「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花の賞賛の声が再び重なった。
そして俺たちはそのままの勢いで白飯と漬物を食べ尽くし、汁ものを飲み干した。
「兄上様もユウカもご飯いっぱい食べてくれて嬉しい。お替りする?」
「汁物もお替りもあるけどどうだい?」
「お漬物もたくさんありますわよ!」
「「お替り!」」
俺と優羽花の声がシンクロした。
モミジとミリィとイロハは笑顔で俺たちからお椀を受け取ると新たな白飯と汁ものと漬物を手渡してくれた。
「お米を炊くのはモミジの担当、美味しいお米を美味しく炊いて美味しくみんなに食べてもらうのがモミジは何よりも嬉しい」
「ボクはポーラみたいに手の込んだ料理は出来ないけれど、こういったシンプルな料理なら結構得意なんだよ。
研究の進み具合によっては食時の時間も不定期になることがあるからね。
だから自炊は必須なのさ。」
「このお漬物はあたくしが実家で漬けておりますわ! 欲しくなりましたら遠慮なく言ってくださいまし!」
なるほど、お米は柔らかめに良い塩梅で炊かれている。
汁ものは味付けはしょっぱ過ぎず絶妙なバランスで、中の具も細かく刻まれてある。
共に迅速に食べやすくするための配慮を感じる。
なるほど、携帯食としておにぎりを持参しているモミジ、そして学者肌のミリィらしい、食べやすい様に気配りと洗練さが利いた料理である。
そして漬物は最早立派な商品レベルだと感じた。
黙々と漬物を漬け続けるイロハの姿を想像した俺は、庶民的なお嬢さまというのも良いなあ…と思った。
「オウミギューの肉だよ!」
和牛じゃないかっーー!?
俺は心の中で絶叫した。
この肉は普通に牛の肉だったのか?
いや牛肉とはちょっと感じが違う気がする気がする…。
「オウミが品種の名前! ギューが動物の名前だよ!
こういう風に角が生えた大きな動物なんだ」
シダレは頭の上に手を乗せてぐねぐねと伸びたポーズを取った。
なるほど、地球の肉牛とギューという動物はまったく同じ姿をしているという訳では無さそうだ。
でもオウミの部分は間違いなく有名な和牛から来ているのではと俺は思う。
「お肉を焼くならシダレに任せてね!」
シダレは空になった肉皿を元気よく下げていった。
いやあ、今のギュー肉は旨かった。
異世界の料理というのは実際にこうして食べてみると、地球、いや日本の料理とほぼ遜色ないと俺は感じている。
料理の食材も完全に同じでは無いものの、似通った感じでである。
世界が違えど、同じ人間なのだから味覚は同じなのかも知れない。
そして料理に使う食材も同じようなものを求めるのかも知れない。
もしかすると…過去に召喚された地球人が教えた料理方法が根付いているのかも知れない。
俺の中に色々な考えが浮かんだが、ここは素直に旨い料理が食べられることに感謝すべきであろう。
「ふふっ、二人とも良い食べっぷりじゃないか。次はボクの作った料理を食べてもらおうかな」
「兄様、ユウカ、ごはんだよ」
「ケイガ兄様、ユウカ妹様、ごはんのお供はお漬物ですわ! どうぞお召し上がってくださいまし!」
ミリィとモミジとイロハが台車を推して現れた。
そしてモジミがごはんの入ったお椀、ミリィが味噌汁らしき汁物が入ったお椀、イロハが漬物が入った小鉢を置いた。
これは完全に和食じゃないか!
異世界で白飯とお味噌汁と漬物が食べられるなんて!
生粋の日本人の俺には有難いことこの上ない。
俺と優羽花(ゆうか)は喜び勇んでご飯と汁と漬物を口の中に運び入れた。
「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花の賞賛の声が再び重なった。
そして俺たちはそのままの勢いで白飯と漬物を食べ尽くし、汁ものを飲み干した。
「兄上様もユウカもご飯いっぱい食べてくれて嬉しい。お替りする?」
「汁物もお替りもあるけどどうだい?」
「お漬物もたくさんありますわよ!」
「「お替り!」」
俺と優羽花の声がシンクロした。
モミジとミリィとイロハは笑顔で俺たちからお椀を受け取ると新たな白飯と汁ものと漬物を手渡してくれた。
「お米を炊くのはモミジの担当、美味しいお米を美味しく炊いて美味しくみんなに食べてもらうのがモミジは何よりも嬉しい」
「ボクはポーラみたいに手の込んだ料理は出来ないけれど、こういったシンプルな料理なら結構得意なんだよ。
研究の進み具合によっては食時の時間も不定期になることがあるからね。
だから自炊は必須なのさ。」
「このお漬物はあたくしが実家で漬けておりますわ! 欲しくなりましたら遠慮なく言ってくださいまし!」
なるほど、お米は柔らかめに良い塩梅で炊かれている。
汁ものは味付けはしょっぱ過ぎず絶妙なバランスで、中の具も細かく刻まれてある。
共に迅速に食べやすくするための配慮を感じる。
なるほど、携帯食としておにぎりを持参しているモミジ、そして学者肌のミリィらしい、食べやすい様に気配りと洗練さが利いた料理である。
そして漬物は最早立派な商品レベルだと感じた。
黙々と漬物を漬け続けるイロハの姿を想像した俺は、庶民的なお嬢さまというのも良いなあ…と思った。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
初期ステータスが0!かと思ったら、よく見るとΩ(オメガ)ってなってたんですけどこれは最強ってことでいいんでしょうか?
夜ふかし
ファンタジー
気がついたらよくわからない所でよくわからない死を司る神と対面した須木透(スキトオル)。
1人目は美味しいとの話につられて、ある世界の初転生者となることに。
転生先で期待して初期ステータスを確認すると0!
かと思いきや、よく見ると下が開いていたΩ(オメガ)だった。
Ωといえば、なんか強そうな気がする!
この世界での冒険の幕が開いた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる