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第71話 初めての異世界の肉
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「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花(ゆうか)はクレハが作ってくれた天ぷら料理に舌鼓を打った。
衣はからっとサクサク、中身はジューシー。
塩味の効いた魚、甘いエビ、苦みのある野菜、ホクホクしたお芋。
完璧な天ぷらである。
元のセカイでもこれ程うまい天ぷらはなかなか食べられないのでは無いだろうか?
俺と優羽花の前に置かれた天ぷらの盛り合わせの皿はあっという間に空になった。
「…このクレハの揚げ物の腕がお二人を満足させて何よりです」
彼女は普段の通りの固めの言葉使いを崩さなかったものの、その表情の端から俺たちの喰いっぷりに喜んでいる様子だった。
「お二人ともー次はこちらでーす、どうぞー」
カエデが両手にそれぞれ持っていた大皿を俺と優羽花の前に置いた。
皿の上には見事に焼かれた一匹の大きな魚が乗っている。
焼き魚料理である。
「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花のシンクロ賞賛は続く。
これは…シンプルだが旨い!
「このクレニシンの魚は素のままが一番美味しいんですよー」
なるほど、素材の味を邪魔することの無い様に味付けは塩のみとしている様だ。
良い塩加減が焼き魚への食欲をより増幅させる。
俺と優羽花は小骨を除去しながらどんどん食べ進め、皿の上の魚はあっという間に骨だけの涼し気な恰好となった。
「ケイガお兄様、ユウカ様、こちらは中休めになりますわ」
ポーラ姫が台車から取り出した新たな料理を置いた。
これは酢漬け料理である。
なるほど、刺身、天ぷら、焼き魚と来て、ここで一度酸っぱい味付けの料理で中休みという訳である。
出しゃばり過ぎず、控え過ぎずというのは前菜にも似ている。
だがこちらのほうが少しだけメリハリが効いた味付けになっていて、一度休ませながらも更に食欲をそそらせる形になっている。
この絶妙な味加減から見て、ポーラ姫の料理の腕は相当なものと思えた。
「兄様! ユウカ様! 次はメインだよ!」
元気いっぱいのシダレが、新たな料理が盛られた皿を置いた。
これは日本で言う所のステーキの形の肉料理である!
ここは今までと和とはうって変わって西洋っぽい感じだ。
良く焼かれた分厚い肉が皿の中央に鎮座しており、その横にソースが乗った野菜が添えられている。
俺と優羽花は皿の横にあったナイフで肉を小分けにすると口に運んだ。
「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花の美味の賞賛の声が重なった。
肉のとろける様な柔らかさが口の中いっぱいに広がった。
脳内に美味の快感のサイレンが響き渡る。
これ程に旨い肉は元居たセカイでもめったに食べられるものではないだろうか…?
少なくとも俺の舌の記憶には無い。
これが初めての異世界の肉の味…。
俺は素直に感動した。
「美味しい!」
俺と優羽花(ゆうか)はクレハが作ってくれた天ぷら料理に舌鼓を打った。
衣はからっとサクサク、中身はジューシー。
塩味の効いた魚、甘いエビ、苦みのある野菜、ホクホクしたお芋。
完璧な天ぷらである。
元のセカイでもこれ程うまい天ぷらはなかなか食べられないのでは無いだろうか?
俺と優羽花の前に置かれた天ぷらの盛り合わせの皿はあっという間に空になった。
「…このクレハの揚げ物の腕がお二人を満足させて何よりです」
彼女は普段の通りの固めの言葉使いを崩さなかったものの、その表情の端から俺たちの喰いっぷりに喜んでいる様子だった。
「お二人ともー次はこちらでーす、どうぞー」
カエデが両手にそれぞれ持っていた大皿を俺と優羽花の前に置いた。
皿の上には見事に焼かれた一匹の大きな魚が乗っている。
焼き魚料理である。
「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花のシンクロ賞賛は続く。
これは…シンプルだが旨い!
「このクレニシンの魚は素のままが一番美味しいんですよー」
なるほど、素材の味を邪魔することの無い様に味付けは塩のみとしている様だ。
良い塩加減が焼き魚への食欲をより増幅させる。
俺と優羽花は小骨を除去しながらどんどん食べ進め、皿の上の魚はあっという間に骨だけの涼し気な恰好となった。
「ケイガお兄様、ユウカ様、こちらは中休めになりますわ」
ポーラ姫が台車から取り出した新たな料理を置いた。
これは酢漬け料理である。
なるほど、刺身、天ぷら、焼き魚と来て、ここで一度酸っぱい味付けの料理で中休みという訳である。
出しゃばり過ぎず、控え過ぎずというのは前菜にも似ている。
だがこちらのほうが少しだけメリハリが効いた味付けになっていて、一度休ませながらも更に食欲をそそらせる形になっている。
この絶妙な味加減から見て、ポーラ姫の料理の腕は相当なものと思えた。
「兄様! ユウカ様! 次はメインだよ!」
元気いっぱいのシダレが、新たな料理が盛られた皿を置いた。
これは日本で言う所のステーキの形の肉料理である!
ここは今までと和とはうって変わって西洋っぽい感じだ。
良く焼かれた分厚い肉が皿の中央に鎮座しており、その横にソースが乗った野菜が添えられている。
俺と優羽花は皿の横にあったナイフで肉を小分けにすると口に運んだ。
「旨い!」
「美味しい!」
俺と優羽花の美味の賞賛の声が重なった。
肉のとろける様な柔らかさが口の中いっぱいに広がった。
脳内に美味の快感のサイレンが響き渡る。
これ程に旨い肉は元居たセカイでもめったに食べられるものではないだろうか…?
少なくとも俺の舌の記憶には無い。
これが初めての異世界の肉の味…。
俺は素直に感動した。
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