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第49話 改めて兄妹の契りを
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「ああっ、お兄様! 申し訳ございません!」
王の部屋を後にした俺の胸の中に突然ポーラ姫が飛び込んできた。
うわあ!? 乳圧凄い!
沈まれ…沈まれ…俺のおっぱい星人!
俺は突然のことにびっくりしながらポーラ姫の顔を見ると彼女はその綺麗な碧眼に涙を浮かべていた。
「わたくし、父上の言葉でやっと気づきましたの…ケイガお兄様がこの聖王都ホウリイに入ってから気分が優れない様にお見受けられたのは…この街に城に溢れるファイズお兄様の像や画に…気後れなさったから…。
それはそうですよね、訪れた町が自分ににそっくりなひとの顔で溢れていたら…ああ、そんなことにも気が回らないなんて妹失格ですわ!
前もってお兄様に言うべきでしたのに…」
「ごめんね兄君様(あにぎみさま)…ボクも全く気が回らなかったよ…」
ミリィが俺の左腕に手を添えて申し訳なさそうに謝って来た。
「お兄様! わたくしはケイガお兄様にファイズお兄様を重ねてはおりませんわ!
…いえ、でも、無意識的にファイズお兄様の面影を見ていたということになりますの…??
ああ、わたくしは…わたくしは…何て失礼なことを…ごめんなさいケイガお兄様…」
「…ああ、つまりボクもそういうことになるのかな…ごめんよ…ケイガ兄君様…」
「…姫騎士団(プリンセスナイツ)の団長を務める私がこの様な愚行を…申し訳ありません…ケイガ兄様…」
「「「…ケイガお兄様…ごめんなさい…」」」
ポーラ姫、ミリィ、シノブさん、姫騎士団の皆が一斉に俺に頭を下げて謝って来た。
確かに俺はこの街のファイズ殿下の影響力に心が参っていた…。
でも違うんだ…それは俺がそのこと今まで考えもせずに、ちょっと調子に乗っていたから悪いんだ。
俺は皆に謝られるとかそういうことを望んでいたわけじゃ無い。
「みんな! 違う! 俺の妹たちは何も悪くない!
俺がたまたまファイズ殿下に顔が似ていたから悪いんだ!
うりふたつの顔の男が急に出てきたら、その顔から面影を見るのは当然じゃないか!
…それにみんな、俺が王様に会う前に、気後れしていた俺に気付いて心配してくれたろ?
俺はそれだけで嬉しかったよ。
俺、鳴鐘 慧河(なるがね けいが)がみんなに思われているってよくわかったから」
「ケイガお兄様!」
「ケイガ兄君様!」
「ケイガ兄様!」
「「「ケイガ兄様!!」」」
みんなが一斉に俺の名を呼んで駆け寄って抱き付いて来た。
うお、これはちょっと苦しい。
でもこれぐらい、兄としては、妹たちを平気で受け止めなければならないだろう。
俺はあらんかぎり手を広げて妹たちを抱きとめた。
みんな涙ぐんでいる様だった。
ああ、妹を泣かせるなんてダメな兄だよなあ。
俺は妹たちをあやすように頭を撫でた。
「良かったね、お兄」
優羽花(ゆうか)は俺の腕に手を乗せて笑顔を浮かべた。
「ああ、優羽花もありがとうな」
俺は優羽花の頭も撫でた。
元の世界ではこういうことをすると嫌がるふしがあった優羽花だが、今は嬉しそうに笑顔を浮かべたままである。
これがもしかすると優羽花のツンデレのデレというものなのだろうか?
まあ口に出すと怒られるだろうから絶対に言わないが。
「ケイガお兄様、ここに改めて兄妹の契りを交わしたいと思いますわ。
わたくし、ポーラはケイガお兄様にファイズお兄様の面影を全く感じることなく、ケイガ様を兄として慕うことををここに誓います」
「ああ、ポーラ、改めてよろしくな」
「…でしたらお兄様、ここに兄妹の誓いの証をお願いいたします」
ポーラ姫はそう言うとその吐息を感じる距離にまで俺の顔に寄って、目を閉じてその可憐な唇を差し出した。
王の部屋を後にした俺の胸の中に突然ポーラ姫が飛び込んできた。
うわあ!? 乳圧凄い!
沈まれ…沈まれ…俺のおっぱい星人!
俺は突然のことにびっくりしながらポーラ姫の顔を見ると彼女はその綺麗な碧眼に涙を浮かべていた。
「わたくし、父上の言葉でやっと気づきましたの…ケイガお兄様がこの聖王都ホウリイに入ってから気分が優れない様にお見受けられたのは…この街に城に溢れるファイズお兄様の像や画に…気後れなさったから…。
それはそうですよね、訪れた町が自分ににそっくりなひとの顔で溢れていたら…ああ、そんなことにも気が回らないなんて妹失格ですわ!
前もってお兄様に言うべきでしたのに…」
「ごめんね兄君様(あにぎみさま)…ボクも全く気が回らなかったよ…」
ミリィが俺の左腕に手を添えて申し訳なさそうに謝って来た。
「お兄様! わたくしはケイガお兄様にファイズお兄様を重ねてはおりませんわ!
…いえ、でも、無意識的にファイズお兄様の面影を見ていたということになりますの…??
ああ、わたくしは…わたくしは…何て失礼なことを…ごめんなさいケイガお兄様…」
「…ああ、つまりボクもそういうことになるのかな…ごめんよ…ケイガ兄君様…」
「…姫騎士団(プリンセスナイツ)の団長を務める私がこの様な愚行を…申し訳ありません…ケイガ兄様…」
「「「…ケイガお兄様…ごめんなさい…」」」
ポーラ姫、ミリィ、シノブさん、姫騎士団の皆が一斉に俺に頭を下げて謝って来た。
確かに俺はこの街のファイズ殿下の影響力に心が参っていた…。
でも違うんだ…それは俺がそのこと今まで考えもせずに、ちょっと調子に乗っていたから悪いんだ。
俺は皆に謝られるとかそういうことを望んでいたわけじゃ無い。
「みんな! 違う! 俺の妹たちは何も悪くない!
俺がたまたまファイズ殿下に顔が似ていたから悪いんだ!
うりふたつの顔の男が急に出てきたら、その顔から面影を見るのは当然じゃないか!
…それにみんな、俺が王様に会う前に、気後れしていた俺に気付いて心配してくれたろ?
俺はそれだけで嬉しかったよ。
俺、鳴鐘 慧河(なるがね けいが)がみんなに思われているってよくわかったから」
「ケイガお兄様!」
「ケイガ兄君様!」
「ケイガ兄様!」
「「「ケイガ兄様!!」」」
みんなが一斉に俺の名を呼んで駆け寄って抱き付いて来た。
うお、これはちょっと苦しい。
でもこれぐらい、兄としては、妹たちを平気で受け止めなければならないだろう。
俺はあらんかぎり手を広げて妹たちを抱きとめた。
みんな涙ぐんでいる様だった。
ああ、妹を泣かせるなんてダメな兄だよなあ。
俺は妹たちをあやすように頭を撫でた。
「良かったね、お兄」
優羽花(ゆうか)は俺の腕に手を乗せて笑顔を浮かべた。
「ああ、優羽花もありがとうな」
俺は優羽花の頭も撫でた。
元の世界ではこういうことをすると嫌がるふしがあった優羽花だが、今は嬉しそうに笑顔を浮かべたままである。
これがもしかすると優羽花のツンデレのデレというものなのだろうか?
まあ口に出すと怒られるだろうから絶対に言わないが。
「ケイガお兄様、ここに改めて兄妹の契りを交わしたいと思いますわ。
わたくし、ポーラはケイガお兄様にファイズお兄様の面影を全く感じることなく、ケイガ様を兄として慕うことををここに誓います」
「ああ、ポーラ、改めてよろしくな」
「…でしたらお兄様、ここに兄妹の誓いの証をお願いいたします」
ポーラ姫はそう言うとその吐息を感じる距離にまで俺の顔に寄って、目を閉じてその可憐な唇を差し出した。
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