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第47話 お腹がすきました

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「どうしましたかお兄様?」

「何か心配事かい? 兄君様(あにぎみさま)?」

「大丈夫ですか兄様?」

 ポーラ姫、ミリィ、シノブさんが俺に駆け寄って来て心配そうな顔を浮かべた。

「どうしたんですかー兄様?」

「兄様?」

「何かありましたか?」

「クレハ心配です」

「シダレも!」

「宜しければ話してくださいまし?」

「…兄様…?」

 姫騎士団(プリンセスナイツ)の皆も駆け寄って来て俺を取り囲んで各々心配する言葉をかけて来た。

 ああ…これは…。
 俺は妹歴16年の優羽花( ゆうか)だけじゃなく、
 今日新しい妹になったばかりのみんなにも、
 ちょっと心が参っていたのを気づかれて…心配されている。
 俺はそんなにわかりやすく落ち込んでいたのか。
 兄として本当にダメだよなあ俺。
 もうちょっと平静さというものを身につけて妹たちに心配かけない様にしないとなあ。

「兄様もしかしてお腹すいてます? これどうぞ」

 モミジが腰に付けているポシェットからおりぎりを取り出して俺に差し出して来た。結構大きい。
 …もしかしてたくさん食べる子なの?

「そういうことですか、それではクレハの携帯食をどうぞ」

 クレハは豆の入った袋を手渡してきた。

「でしたら、あたくしもこれを差し上げますわ」

 イロハは干し芋を差し出した。

 えっと…俺、そんなにお腹空いている様に見えましたか?
 確かにちょっと腹は減ってはいたんですけどね。
 傍から見ると何か餌付けされている様にも見えますね俺。

「皆、ありがとう。嬉しいよ」

 でも俺は彼女たちの気持ちが嬉しかったので素直に礼を述べた。

「今度からは兄様の分のおにぎりも準備しておきますね」

「いざという時の備えが兄様のお役に立ってなりよりです」

「…別にたまたま干し芋があっただけだから、気にしなくても良くってよ兄様」

 モミジ、おにぎり二個持ちとか荷物にならないかな?
 クレハ、しっかりしている子なんだなあ。
 イロハ、漫画やアニメで出てくる悪役令嬢みたいな物言いだけど良い子だなあ。

「なあ皆、優羽花もお腹が空いているだろうから半分あげてもいいか?」

「もちろんです」

「どうぞ」

「良くってよ」

 俺はおにぎりを半分に割ると優羽花に手渡した。
 続いて豆と干し芋も半分こにして渡す。

「モミジさん、クレハさん、イロハさん、ありがとうー。あたしもお腹ペコペコだったんだー」

「今度からはユウカのおにぎりも準備したほうがいい?」

「勇者様のお腹も満たせたとなれば、いざという時の備えがいもありました」

「妹様も別に良くってよ!」

 俺と優羽花は姫騎士団の3人から貰った食べ物を仲良く食べ合って空腹を満たした。
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