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第46話 エクスラント聖王国
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白い巨大な城壁が街を取り囲み、その街の中央には巨大な白亜の城が佇んでいる。
エクスラント王国の王都ホウリイ。
ポーラ姫、ミリィ、シノブさん、姫騎士団(プリンセスナイツ)の住まう国である。
シノブさんが城門の兵士に話しかける。
城門がぎいいと音を立てて開門し、シノブさんに先導されて俺たちは城門の中に足を踏み入れた。
城門からは一直線に王城への広小路の道が続いていた。
広小路の途中の所々には噴水がある広場があり王国の人々の憩いの間になっている様である。
広小路を王城へと歩み進むポーラ姫、ミリィ、シノブさん、姫騎士団に気付いた人々は手を振り、彼女たちも手を振って答えた。
彼女たちは本当に王族、貴族、騎士なんだなあと俺は実感した。
そして広場にある男性の像に俺は驚愕した。
それは俺に瓜二つの顔をしていたからだ。
これはポーラ姫の兄のファイズ殿下の像なのだろう。
そして道行く人々も俺の顔を見て驚いている様だった。
「ポーラニア殿下、ミリフィア公爵殿下のご帰還である、門を開けよ!」
シノブ団長と声が響き、エクスラント王城の門が開いた。
城の中から何人かの人が出てきてポーラ姫とミリィの前に駆け寄って来た。
俺たちは彼らに導かれて城内へと足を踏み入れた。
お城に入るといきなり巨大な銅像が出迎えた。
俺そっくりの顔をした銅像である。
そして城の内壁には巨大な肖像画が掛けられていた。
俺そっくりの男の肖像画である。
そして城内の人達も俺の顔を見て驚いていた。
俺にそっくりな顔をしたこの国の元第一皇子ファイズ殿下はこの国の英雄だったのだ。
この国を襲った魔族と相打ちになって死んだ後もこの様に像や肖像画として崇められていたのである。
ポーラ姫やミリィの話からある程度予想はしていたのだが、この国がここまで俺に瓜二つの顔で埋め尽くされているとは思わず正直びっくりしている。
しかしこれで少しわかった気がした。
何故ポーラ姫やミリィ、シノブさん、姫騎士団の皆が俺を兄として此処まで慕うのかを。
ファイズ殿下はこの国の皆にとって頼れる兄の様な存在だったのだろう。
皆俺を通してファイズ殿下の面影を見ていたのだ。
だからこそ俺に対してあんなに素直な心を寄せてきたのである。
もちろん俺はファイズ殿下ではないし皆もそれは解っているだろう。
だが最初のとっかかりが無い分、距離が縮まる時間が早かっただけなのだ。
…俺は、調子に乗っていたのかも知れない。
「お兄」
優羽花(ゆうか)が突然俺の手を握って来た。
「優羽花?」
「…凄いよね街もお城もお兄にそっくりの人だらけで」
「ああ」
「びっくりしてるよね?」
「…正直な」
「でもね、あたしに取ってはお兄はお兄だから」
優羽花はそう言って俺に向かって笑顔を浮かべた。
ああ、俺は…。
ファイズ殿下の影響力にちょっと参っていたのを気づかれて…。
また妹に元気付けられている…。
はは、本当に情けないお兄ちゃんだよな。
でも、嬉しかった。
「…ありがとう、優羽花」
俺はそう答えると妹の手を握り返した。
エクスラント王国の王都ホウリイ。
ポーラ姫、ミリィ、シノブさん、姫騎士団(プリンセスナイツ)の住まう国である。
シノブさんが城門の兵士に話しかける。
城門がぎいいと音を立てて開門し、シノブさんに先導されて俺たちは城門の中に足を踏み入れた。
城門からは一直線に王城への広小路の道が続いていた。
広小路の途中の所々には噴水がある広場があり王国の人々の憩いの間になっている様である。
広小路を王城へと歩み進むポーラ姫、ミリィ、シノブさん、姫騎士団に気付いた人々は手を振り、彼女たちも手を振って答えた。
彼女たちは本当に王族、貴族、騎士なんだなあと俺は実感した。
そして広場にある男性の像に俺は驚愕した。
それは俺に瓜二つの顔をしていたからだ。
これはポーラ姫の兄のファイズ殿下の像なのだろう。
そして道行く人々も俺の顔を見て驚いている様だった。
「ポーラニア殿下、ミリフィア公爵殿下のご帰還である、門を開けよ!」
シノブ団長と声が響き、エクスラント王城の門が開いた。
城の中から何人かの人が出てきてポーラ姫とミリィの前に駆け寄って来た。
俺たちは彼らに導かれて城内へと足を踏み入れた。
お城に入るといきなり巨大な銅像が出迎えた。
俺そっくりの顔をした銅像である。
そして城の内壁には巨大な肖像画が掛けられていた。
俺そっくりの男の肖像画である。
そして城内の人達も俺の顔を見て驚いていた。
俺にそっくりな顔をしたこの国の元第一皇子ファイズ殿下はこの国の英雄だったのだ。
この国を襲った魔族と相打ちになって死んだ後もこの様に像や肖像画として崇められていたのである。
ポーラ姫やミリィの話からある程度予想はしていたのだが、この国がここまで俺に瓜二つの顔で埋め尽くされているとは思わず正直びっくりしている。
しかしこれで少しわかった気がした。
何故ポーラ姫やミリィ、シノブさん、姫騎士団の皆が俺を兄として此処まで慕うのかを。
ファイズ殿下はこの国の皆にとって頼れる兄の様な存在だったのだろう。
皆俺を通してファイズ殿下の面影を見ていたのだ。
だからこそ俺に対してあんなに素直な心を寄せてきたのである。
もちろん俺はファイズ殿下ではないし皆もそれは解っているだろう。
だが最初のとっかかりが無い分、距離が縮まる時間が早かっただけなのだ。
…俺は、調子に乗っていたのかも知れない。
「お兄」
優羽花(ゆうか)が突然俺の手を握って来た。
「優羽花?」
「…凄いよね街もお城もお兄にそっくりの人だらけで」
「ああ」
「びっくりしてるよね?」
「…正直な」
「でもね、あたしに取ってはお兄はお兄だから」
優羽花はそう言って俺に向かって笑顔を浮かべた。
ああ、俺は…。
ファイズ殿下の影響力にちょっと参っていたのを気づかれて…。
また妹に元気付けられている…。
はは、本当に情けないお兄ちゃんだよな。
でも、嬉しかった。
「…ありがとう、優羽花」
俺はそう答えると妹の手を握り返した。
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