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第6話 優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)
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「ああっ、お兄いっちゃった…」
「兄さんいっちゃいましたね…」
遠くなっていく兄の後姿を見送って言葉を述べる二人の少女。
「静里菜、ありがと。最近よく家に来ていたのも、お兄を元気づけたかったからだよね」
「お礼を言われるなんてことはないですよ。だって兄さんはわたしたち二人にとっての大切な兄さんですから」
静里菜はそう言って横に並ぶ優羽花の手に向けて自分の手を差し出した。
優羽花はその手を握った。
「それでも巫女姿でお兄の腕に抱き着くのはやり過ぎだとあたしは思う」
「ふふ、そうでしたか? だったら優羽花も兄さんにスキンシップ、すれば良いじゃないですか?」
「あ、あたしには出来ないよ…だってもしお兄に拒絶されたらと思うと…とても怖くて出来ないよ」
「兄さんはそんなことはしないと思いますけれど…優羽花はいつも勝ち気な感じなのに、いざとなったら弱気になりますよね」
「静里菜はいつもは儚げな感じなのに、いざとなったら強気過ぎ!」
「…そうでしょうか?」
「そうだよ!」
「ふふっ」
「あははっ」
二人の妹は互いの手を握り合ったまま笑い合った。
「兄さんは優羽花のことはとても大切に思ってます。
何らかのきっかけがあれば妹からそれ以上の関係に進むのはそう難しい事ではないとわたしは思いますよ?」
「何よそれー、静里菜はあたしを焚きつけてない? お兄のこと好きなのになんであたしを応援するみたいなことを言うのかなあ?」
「わたしは兄さんのことが大好きですけど優羽花のことも大好きですから。だからお二人とも応援しますよー」
「あはは、静里菜なに言ってるのー? おかしいよー。
…あたしも好きだよ、静里菜のこと。ありがとね」
優羽花はそう言ってその手に握った静里菜の手を強く握った。
静里菜は黙ってその手を握り返した。
「兄さんいっちゃいましたね…」
遠くなっていく兄の後姿を見送って言葉を述べる二人の少女。
「静里菜、ありがと。最近よく家に来ていたのも、お兄を元気づけたかったからだよね」
「お礼を言われるなんてことはないですよ。だって兄さんはわたしたち二人にとっての大切な兄さんですから」
静里菜はそう言って横に並ぶ優羽花の手に向けて自分の手を差し出した。
優羽花はその手を握った。
「それでも巫女姿でお兄の腕に抱き着くのはやり過ぎだとあたしは思う」
「ふふ、そうでしたか? だったら優羽花も兄さんにスキンシップ、すれば良いじゃないですか?」
「あ、あたしには出来ないよ…だってもしお兄に拒絶されたらと思うと…とても怖くて出来ないよ」
「兄さんはそんなことはしないと思いますけれど…優羽花はいつも勝ち気な感じなのに、いざとなったら弱気になりますよね」
「静里菜はいつもは儚げな感じなのに、いざとなったら強気過ぎ!」
「…そうでしょうか?」
「そうだよ!」
「ふふっ」
「あははっ」
二人の妹は互いの手を握り合ったまま笑い合った。
「兄さんは優羽花のことはとても大切に思ってます。
何らかのきっかけがあれば妹からそれ以上の関係に進むのはそう難しい事ではないとわたしは思いますよ?」
「何よそれー、静里菜はあたしを焚きつけてない? お兄のこと好きなのになんであたしを応援するみたいなことを言うのかなあ?」
「わたしは兄さんのことが大好きですけど優羽花のことも大好きですから。だからお二人とも応援しますよー」
「あはは、静里菜なに言ってるのー? おかしいよー。
…あたしも好きだよ、静里菜のこと。ありがとね」
優羽花はそう言ってその手に握った静里菜の手を強く握った。
静里菜は黙ってその手を握り返した。
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