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修行 修司
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「じゃあ、始めていくからね。」
西野は気合い十分なのが声にはっきり現れている。
「覚悟」
西野とは反対に、気だるそうにボソッと北野が声を出す。
修司は少し緊張気味だ。
二人とも可愛いが、修司は彩香のことが気になっており、二人にデレデレしている姿を見られると嫌われてしまうかもと考えているのだろう。
「よろしくお願いします」
西野に負けないくらい気合いを入れて修司は声を出した。
「気合い入ってるな~よし、がんばろう!」
「がんばろう」
「それじゃあ、修行していこうね。まずは能力について教えて」
「教えて」
いちいち仕草がかわいらしい。
「俺の能力はゴリラのパワーですね。腕もゴリラそのままです」
修司は腰に両手を当てて、自信満々に答えた。
先輩相手だからなのか、お得意の関西弁は使っていない。
「能力使ってみて?」
「使ってみて?」
言われるがまま、能力を使った。
腕の付け根からゴリラに変化していく。
西野も北野も顔がひきつっており、苦笑いで対応する。
「す、すごいね!とっても力強そうだよ」
「・・・・・・」
北野に関しては何も言っていない。
西野の後ろに隠れてしまっている。
「気持ち悪いですか?・・・・・・」
修司は恐る恐る聞いたが、返ってくる言葉は誤魔化しの言葉だけだった。
ーーー
「うーん、どういう修行しようかな。と、とりあえず能力を素早く切り替えて使えるようにしよっか。」
「しよう」
「分かりました」
西野は手をリズム良く叩きだし、修司に説明する。
「パン、で能力使ってもう一回パン、で解除してね」
「がんばれ」
北野が初めてオウム返ししなかった。
修司は、リズムに合わせて切り替えていくが、なかなか素早くできない。
力を入れ続けないと能力が使えないからである。
「ずーっとグッパしてるから、重くなってきます。し、しんどい」
息も上がっており、腕をダランとさせている。
「まあ、あと30回続けてね」
「続けて」
まさかの回数に修司の顔もひきつっている。
ーーー
「終わりました......」
顔に生気がなくなっていた。
「ごめん、やり過ぎたね」
「ごめん」
西野は頭を下げ、謝っている。
「謝ることないですよ。修行に付き合ってくださっているのに」
「それじゃあ、休憩したら少し手合わせしようか」
「しよう」
修司は今、水を飲んでいる。
「うーん、シンプルやから捻ったこととか出来なさそうやな」
上を向きながら、目を閉じて考えている。
「修司くん、手合わせしようか」
「しよう」
「わかりました」
目を開けて立ち上がる。
ーーー
「それじゃあ、いくよ」
「いくよ」
慌てて修司は質問する。
「え?二人を相手するんですか?それはさすがに無理があるのでは......」
「そんなこと言ってたら強くなれないよ。ね?亜美」
「うん」
小さくうなずく北野は西野の後ろから出てきた。
「じゃあ始めよっ...」
言いきる前に戦闘を始めた。
西野はものすごい速さで向かってきており、背中には翼が生えている。
「言いきってないですよ」
修司は反応できたらしく、腕をゴリラ化させ、その腕で西野の蹴りをガードした。
「ふふん、どうです...カハッ!!」
背中に蹴りを入れられる。
振り返ると、そこには同じく翼が生えていた北野の姿があった。
「速すぎますよ。それに、やっぱり二人はキツいです」
文句を垂らす修司だったが、二人はお構いなしで攻撃する。
翼の生えた二人は空中を飛び回っている。
修司の能力では明らかに不利だ。
手合わせの場所は何の凹凸もない所なので、能力が最大限に使えない。
二人は、持ち合わせたスピードを使って蹴りの連打を浴びせる。
「っ~~~、でや!オラオラ~」
パンチを色々な方向に打ちまくる。
しかし、当てずっぽうなパンチが当たるはずもなく、蹴りをもらいまくって倒れた。
「はい、今日はおしまいね」
西野はしゃがんで声をかける。
続いて北野もしゃがんだ。
「おしまい」
「あ、ありがとうございました」
修司は大の字になりながら、お礼を言った。
西野は気合い十分なのが声にはっきり現れている。
「覚悟」
西野とは反対に、気だるそうにボソッと北野が声を出す。
修司は少し緊張気味だ。
二人とも可愛いが、修司は彩香のことが気になっており、二人にデレデレしている姿を見られると嫌われてしまうかもと考えているのだろう。
「よろしくお願いします」
西野に負けないくらい気合いを入れて修司は声を出した。
「気合い入ってるな~よし、がんばろう!」
「がんばろう」
「それじゃあ、修行していこうね。まずは能力について教えて」
「教えて」
いちいち仕草がかわいらしい。
「俺の能力はゴリラのパワーですね。腕もゴリラそのままです」
修司は腰に両手を当てて、自信満々に答えた。
先輩相手だからなのか、お得意の関西弁は使っていない。
「能力使ってみて?」
「使ってみて?」
言われるがまま、能力を使った。
腕の付け根からゴリラに変化していく。
西野も北野も顔がひきつっており、苦笑いで対応する。
「す、すごいね!とっても力強そうだよ」
「・・・・・・」
北野に関しては何も言っていない。
西野の後ろに隠れてしまっている。
「気持ち悪いですか?・・・・・・」
修司は恐る恐る聞いたが、返ってくる言葉は誤魔化しの言葉だけだった。
ーーー
「うーん、どういう修行しようかな。と、とりあえず能力を素早く切り替えて使えるようにしよっか。」
「しよう」
「分かりました」
西野は手をリズム良く叩きだし、修司に説明する。
「パン、で能力使ってもう一回パン、で解除してね」
「がんばれ」
北野が初めてオウム返ししなかった。
修司は、リズムに合わせて切り替えていくが、なかなか素早くできない。
力を入れ続けないと能力が使えないからである。
「ずーっとグッパしてるから、重くなってきます。し、しんどい」
息も上がっており、腕をダランとさせている。
「まあ、あと30回続けてね」
「続けて」
まさかの回数に修司の顔もひきつっている。
ーーー
「終わりました......」
顔に生気がなくなっていた。
「ごめん、やり過ぎたね」
「ごめん」
西野は頭を下げ、謝っている。
「謝ることないですよ。修行に付き合ってくださっているのに」
「それじゃあ、休憩したら少し手合わせしようか」
「しよう」
修司は今、水を飲んでいる。
「うーん、シンプルやから捻ったこととか出来なさそうやな」
上を向きながら、目を閉じて考えている。
「修司くん、手合わせしようか」
「しよう」
「わかりました」
目を開けて立ち上がる。
ーーー
「それじゃあ、いくよ」
「いくよ」
慌てて修司は質問する。
「え?二人を相手するんですか?それはさすがに無理があるのでは......」
「そんなこと言ってたら強くなれないよ。ね?亜美」
「うん」
小さくうなずく北野は西野の後ろから出てきた。
「じゃあ始めよっ...」
言いきる前に戦闘を始めた。
西野はものすごい速さで向かってきており、背中には翼が生えている。
「言いきってないですよ」
修司は反応できたらしく、腕をゴリラ化させ、その腕で西野の蹴りをガードした。
「ふふん、どうです...カハッ!!」
背中に蹴りを入れられる。
振り返ると、そこには同じく翼が生えていた北野の姿があった。
「速すぎますよ。それに、やっぱり二人はキツいです」
文句を垂らす修司だったが、二人はお構いなしで攻撃する。
翼の生えた二人は空中を飛び回っている。
修司の能力では明らかに不利だ。
手合わせの場所は何の凹凸もない所なので、能力が最大限に使えない。
二人は、持ち合わせたスピードを使って蹴りの連打を浴びせる。
「っ~~~、でや!オラオラ~」
パンチを色々な方向に打ちまくる。
しかし、当てずっぽうなパンチが当たるはずもなく、蹴りをもらいまくって倒れた。
「はい、今日はおしまいね」
西野はしゃがんで声をかける。
続いて北野もしゃがんだ。
「おしまい」
「あ、ありがとうございました」
修司は大の字になりながら、お礼を言った。
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