1 / 2
プロローグ
御曹司の夏休み。
しおりを挟む
金が欲しいと思ったことはあるだろうか?
広くて綺麗な豪邸に住みたいと思ったことは?
欲しいものが手に入ったりとか?可愛い女の子にちやほやされたいとか?
まぁ、そういう金にまつわる憧れは誰しもが一度は持ったことがあるだろう、しかし、俺はそんなものないね。
何故かって?
俺は超金持ちの息子、つまりは御曹司だから。
誰もが羨むような暮らし、豪華な食べ物、広い自室、欲しいものはなんだって手にはいる。
だけどまぁ、悩みがないわけじゃない.....
「あの....春道さん??」
「あぁ、失礼、少し考えごとを....」
「そ、そうですか」
今何をしているのかって?そう、これこそが俺の悩み、御曹司がある故に見合いの話が無限とも言えるほどにあること、だ。
「その、私って話ずらいでしょうか...」
「いえ、そんなことありませんよ!少しだけ緊張してまして....」
この綺麗な方は一条財閥のお嬢さまの麗華|《れいか》さんだ、国内では有名な化粧品会社を営んでいる、今日はこの人が俺の見合い相手だ。
「そうですよね、春道さんはまだ高校生ですもんね、気を遣わせてしまいました....」
「いえ、こちらこそ何も話題を触れなくて申し訳ないです、高校生とは言っても椎名家次期当主として申し訳ない....」
なんとも気まずい....そもそも俺はまだ結婚できる歳じゃないのに。
「失礼致します、お二人とも、お話はいかがですか?」
俺と麗華さんが俯きながら沈黙しているとそばにあった障子の戸が開いた。
「お二人とも緊張なされてるみたいですね?」
この人は俺の専属メイド兼の鷹村さんだ、何故かメイドなのに執事の格好をしている。
「あはは、少し緊張しちゃって、でも春道さんとのお話はとても楽しかったです」
「そ、そうなんですよ鷹村さん、僕も上手く話せなくて、麗華さんに失礼だったかなあはは....」
嘘だ....麗華さんはきっと俺との会話を楽しかったなんて思っていない、そう、さっきも言ったがこれが俺の悩み、俺たちのように富裕層と呼ばれる人間の見合いは単にいい人同士が一緒になるわけではない、互いの家に利益を生むためにする、つまりは政略結婚ってことだ。
生まれてからこれといって恋愛というものをせずに高校一年の今まで生きていたが俺はちゃんとした恋がしたい、普通の子と普通の恋愛を、利益などが目的ではない純愛がしたいのだ。
「そうですか、残念ですが今日はこのくらいで、麗華様はこの後、御予定があるようなので」
「あぁ、そうですか、それじゃあ今日はこれで、また機会があったらお食事でも....」
「はい、是非お願いします!今日は本当に楽しかったです!またお会いしましょう、春道さん!」
こういう普通に聞けば嬉しいような言葉が全て俺と婚約するための建前なのだろうと思ってしまう、だから俺は普通の恋愛がしたいんだ、こんな高級料亭じゃなくていい、放課後にちょっとしたファミレスでドリンクバーができればいいんだ。
「では、いきましょうか春道様」
「うん、鷹村さん」
そう言って俺は見合いをした料亭を後にした。
帰り道、鷹村さんが運転する車の中でとある事を聞かれた。
「今回の御相手はどうでしたか?」
「うーん?いい人だったと思うよ麗華さん」
実際のところ、悪い人ではない、麗華さんは自分の家のため、家族のために俺と見合いをしに来ている、そんな人が悪い人なわけないのだ。
「何か思うことがあるようですね?」
「そんな風に見えた?」
「いえ、何も考えていないように見えました」
じゃあなんで質問したんだよこの人....
つまりはまぁ、俺は普通の恋愛がしたくてたまらないということなのだよ、あー、何故俺は高校一年の夏休みにお見合いなんてしてるんだか。
広くて綺麗な豪邸に住みたいと思ったことは?
欲しいものが手に入ったりとか?可愛い女の子にちやほやされたいとか?
まぁ、そういう金にまつわる憧れは誰しもが一度は持ったことがあるだろう、しかし、俺はそんなものないね。
何故かって?
俺は超金持ちの息子、つまりは御曹司だから。
誰もが羨むような暮らし、豪華な食べ物、広い自室、欲しいものはなんだって手にはいる。
だけどまぁ、悩みがないわけじゃない.....
「あの....春道さん??」
「あぁ、失礼、少し考えごとを....」
「そ、そうですか」
今何をしているのかって?そう、これこそが俺の悩み、御曹司がある故に見合いの話が無限とも言えるほどにあること、だ。
「その、私って話ずらいでしょうか...」
「いえ、そんなことありませんよ!少しだけ緊張してまして....」
この綺麗な方は一条財閥のお嬢さまの麗華|《れいか》さんだ、国内では有名な化粧品会社を営んでいる、今日はこの人が俺の見合い相手だ。
「そうですよね、春道さんはまだ高校生ですもんね、気を遣わせてしまいました....」
「いえ、こちらこそ何も話題を触れなくて申し訳ないです、高校生とは言っても椎名家次期当主として申し訳ない....」
なんとも気まずい....そもそも俺はまだ結婚できる歳じゃないのに。
「失礼致します、お二人とも、お話はいかがですか?」
俺と麗華さんが俯きながら沈黙しているとそばにあった障子の戸が開いた。
「お二人とも緊張なされてるみたいですね?」
この人は俺の専属メイド兼の鷹村さんだ、何故かメイドなのに執事の格好をしている。
「あはは、少し緊張しちゃって、でも春道さんとのお話はとても楽しかったです」
「そ、そうなんですよ鷹村さん、僕も上手く話せなくて、麗華さんに失礼だったかなあはは....」
嘘だ....麗華さんはきっと俺との会話を楽しかったなんて思っていない、そう、さっきも言ったがこれが俺の悩み、俺たちのように富裕層と呼ばれる人間の見合いは単にいい人同士が一緒になるわけではない、互いの家に利益を生むためにする、つまりは政略結婚ってことだ。
生まれてからこれといって恋愛というものをせずに高校一年の今まで生きていたが俺はちゃんとした恋がしたい、普通の子と普通の恋愛を、利益などが目的ではない純愛がしたいのだ。
「そうですか、残念ですが今日はこのくらいで、麗華様はこの後、御予定があるようなので」
「あぁ、そうですか、それじゃあ今日はこれで、また機会があったらお食事でも....」
「はい、是非お願いします!今日は本当に楽しかったです!またお会いしましょう、春道さん!」
こういう普通に聞けば嬉しいような言葉が全て俺と婚約するための建前なのだろうと思ってしまう、だから俺は普通の恋愛がしたいんだ、こんな高級料亭じゃなくていい、放課後にちょっとしたファミレスでドリンクバーができればいいんだ。
「では、いきましょうか春道様」
「うん、鷹村さん」
そう言って俺は見合いをした料亭を後にした。
帰り道、鷹村さんが運転する車の中でとある事を聞かれた。
「今回の御相手はどうでしたか?」
「うーん?いい人だったと思うよ麗華さん」
実際のところ、悪い人ではない、麗華さんは自分の家のため、家族のために俺と見合いをしに来ている、そんな人が悪い人なわけないのだ。
「何か思うことがあるようですね?」
「そんな風に見えた?」
「いえ、何も考えていないように見えました」
じゃあなんで質問したんだよこの人....
つまりはまぁ、俺は普通の恋愛がしたくてたまらないということなのだよ、あー、何故俺は高校一年の夏休みにお見合いなんてしてるんだか。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団の異色男子
ジャスティン・レスターの意外なお話
矢代木の実(23歳)
借金地獄の元カレから身をひそめるため
友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ
今はネットカフェを放浪中
「もしかして、君って、家出少女??」
ある日、ビルの駐車場をうろついてたら
金髪のイケメンの外人さんに
声をかけられました
「寝るとこないないなら、俺ん家に来る?
あ、俺は、ここの27階で働いてる
ジャスティンって言うんだ」
「………あ、でも」
「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は…
女の子には興味はないから」

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる