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第4部 鬼姫の着せ替え人形なんて、まっぴら!
第6章 創治、師弟の会話を記述する
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そもそもシェリーロワールとエルフの郷に交流が生まれたきっかけは、数百年前のパープロイの "家出" だった。
郷に戻れず大陸各地を放浪していたパープロイは、偶然にも当時の魔王討伐の勇者と出逢い、そのままパーティーの一員に加わる。
勇者たちとの旅で、すっかり "人間族" のことを好きになってしまった彼は、世界に平和が訪れても帰郷することなく、勇者の故郷であるシェリーロワールに居着いた。
そして後に宮廷魔術師の職に就き、歴代王族の "じいや" として人生を楽しんでいるのだ。
『今度の王子は、なかなか有望そうじゃないのさ。こりゃ、あんたも見守り甲斐があるだろうね』
そう言って笑うのは、波打つ白銀の髪をところどころ紫のメッシュに染めた、見た目からして年齢不詳の妖艶な美女エルフ。
パープロイの魔術の師であるアルマディーン・ランスーンだ。
ミラージュヴィル滞在2日目の夜、パープロイは久々に師の元を訪れていた。
『そうでしょうとも!若様はきっと、立派な王になられます!将来が楽しみでなりません!』
『……しっかし、その胡散臭いしゃべり方は、何とかならないのかい?全然あんたに似合ってないよ』
『胡散臭いとか言わんでくださいよ!ただでさえ見た目が若いのに、しゃべりに威厳が無いと、若者にナメられるんです!』
パープロイは知らない。
見た目は若いのに、しゃべりが妙に年寄りくさい、その "ちぐはぐさ" が、城の中でかなり浮いていることを。
『さて、じゃあ今度の王子と姫にも、先代の子ども時代のヒミツを、たっぷり聞かせてあげようかね。先代も今は、昔の失敗など無かったような顔をして、子どもらに威張ってるんだろう?』
『今の陛下は子煩悩ですから、それほどでもありませんけどね』
パープロイにとって、見守ってきた王族たちは、皆、自分の子どものようなものだ。
成長して王となっても、それは変わらない。
彼らについて語る時、パープロイの顔は自然とほころぶ。
弟子のそんな様子を、半分呆れ、半分微笑ましげに見つめた後、アルマディーンは声のトーンを落とした。
『……で、あの姫が、例の "神託の乙女" なんだね』
途端、パープロイは表情を曇らせる。
『その話、やはり、もう郷にも伝わっているのですか』
『ああ。事が事だからね。公には発表していないが、各国のVIPはもう皆、把握しているだろうさ。「神に選ばれし乙女が、世界を救う」――クレッセントノヴァの預言者の言葉じゃ、見過ごしてはおけないね』
『その話、どうかまだ姫様には内密に……。まだ何も分からぬうちに、無用な心配をさせたくはありません』
『むしろ、早めに教えて差し上げた方が、姫のためだと思うがね……。噂によると、例の鬼姫までが神託の乙女に興味津々らしい』
『鬼鏡の郷の長姫様が、ですか……。それはまた厄介な……』
パープロイが渋面を作った直後、アッシュも苦い声で呟く。
『鬼鏡の郷?中立の鬼族どもか?あそこの姫は確かに曲者よのぅ』
その台詞を無意識に打ち込んだ後、俺はふと我に返った。
「は!? 何でこの場にアッシュがいるんだよ!?」
『何を言っておるのだ、ユース。貴様の隠密行動につき合ってやっておるのではないか』
「えぇ!? ユースとアッシュ、屋根裏か床下から盗み聞きしてる設定かよ!?」
『否。小屋の外の木の枝の上からであるぞ』
「いや、場所についてはどうでもいいんだが……」
『貴様の留守中、またマタタビ漬けで籠に閉じ込められては敵わんからな。妥協して貴様と行動を共にしてやっておるのだ』
ちなみに旅の間、アッシュとユースは基本、同室だ。
アリーシャが完全に猫扱いで「アッシュたんなら、私のお布団で一緒に寝れば良くない?」と言うのを「いや!コイツの正体を思い出してくださいよ!魔王と姫が同衾とか、普通に考えてナイでしょ!」と必死に止めた結果、ナゼかそうなってしまったのだ。
『しかし、他種族の要人の会話を盗聴とは……シェリーロワールも平和ボケしているように見えて、意外と抜け目が無いのだな』
『……と言うか魔王さん、いつまで魔界を留守にする気なんです?いい加減、部下に反乱起こされますよ』
『その辺は、我の優秀な弟が何とかしておるであろう』
『……その "弟"、無闇に信じ過ぎじゃないですかね』
ゲーム内のキャラクターに "未来" を教えるわけにはいかないが……ついつい、妙な情が湧いて、そんな口出しをしてしまう。
『フン。昔ながらの重臣どもも、よくそう言うがな。我は、誰が何と言おうとブランを信じておる。彼奴は不憫な奴なのだ。兄たる我が目をかけてやらんでどうする』
アッシュの弟への情は、以前に俺と愛理咲が設定した通りだ。
俺はそれ以上は何も言わず、再びアルマディーンとパープロイの会話に集中する。
『ロイ、あんたはとにかく、あの姫を守ってやんな。あんたのその強力な火の魔法は、そのためにあるんだ』
『はい。師匠から受け継いだこの力は、何かを守るためだけに使います。……二度と、己の欲や見栄のために、誰かを傷つけるようなことは致しません』
パープロイのその声には、強い決意と苦い後悔がにじんでいた。
『……エルフ族の火の魔法使いは、滅多に生まれぬらしいな。郷では異端の存在のはず。この二人も、不遇な目に遭ってきたのではないか?』
アッシュが訳知り顔で訊いてくる。
『……かつては、そんな感じですね。まぁ、パープロイさんは、不本意な扱いを黙って受け入れるタイプではありませんけど……』
むしろ、そのせいでたびたびトラブルを起こし、ついには郷を出るハメになったわけなのだが……。
郷に戻れず大陸各地を放浪していたパープロイは、偶然にも当時の魔王討伐の勇者と出逢い、そのままパーティーの一員に加わる。
勇者たちとの旅で、すっかり "人間族" のことを好きになってしまった彼は、世界に平和が訪れても帰郷することなく、勇者の故郷であるシェリーロワールに居着いた。
そして後に宮廷魔術師の職に就き、歴代王族の "じいや" として人生を楽しんでいるのだ。
『今度の王子は、なかなか有望そうじゃないのさ。こりゃ、あんたも見守り甲斐があるだろうね』
そう言って笑うのは、波打つ白銀の髪をところどころ紫のメッシュに染めた、見た目からして年齢不詳の妖艶な美女エルフ。
パープロイの魔術の師であるアルマディーン・ランスーンだ。
ミラージュヴィル滞在2日目の夜、パープロイは久々に師の元を訪れていた。
『そうでしょうとも!若様はきっと、立派な王になられます!将来が楽しみでなりません!』
『……しっかし、その胡散臭いしゃべり方は、何とかならないのかい?全然あんたに似合ってないよ』
『胡散臭いとか言わんでくださいよ!ただでさえ見た目が若いのに、しゃべりに威厳が無いと、若者にナメられるんです!』
パープロイは知らない。
見た目は若いのに、しゃべりが妙に年寄りくさい、その "ちぐはぐさ" が、城の中でかなり浮いていることを。
『さて、じゃあ今度の王子と姫にも、先代の子ども時代のヒミツを、たっぷり聞かせてあげようかね。先代も今は、昔の失敗など無かったような顔をして、子どもらに威張ってるんだろう?』
『今の陛下は子煩悩ですから、それほどでもありませんけどね』
パープロイにとって、見守ってきた王族たちは、皆、自分の子どものようなものだ。
成長して王となっても、それは変わらない。
彼らについて語る時、パープロイの顔は自然とほころぶ。
弟子のそんな様子を、半分呆れ、半分微笑ましげに見つめた後、アルマディーンは声のトーンを落とした。
『……で、あの姫が、例の "神託の乙女" なんだね』
途端、パープロイは表情を曇らせる。
『その話、やはり、もう郷にも伝わっているのですか』
『ああ。事が事だからね。公には発表していないが、各国のVIPはもう皆、把握しているだろうさ。「神に選ばれし乙女が、世界を救う」――クレッセントノヴァの預言者の言葉じゃ、見過ごしてはおけないね』
『その話、どうかまだ姫様には内密に……。まだ何も分からぬうちに、無用な心配をさせたくはありません』
『むしろ、早めに教えて差し上げた方が、姫のためだと思うがね……。噂によると、例の鬼姫までが神託の乙女に興味津々らしい』
『鬼鏡の郷の長姫様が、ですか……。それはまた厄介な……』
パープロイが渋面を作った直後、アッシュも苦い声で呟く。
『鬼鏡の郷?中立の鬼族どもか?あそこの姫は確かに曲者よのぅ』
その台詞を無意識に打ち込んだ後、俺はふと我に返った。
「は!? 何でこの場にアッシュがいるんだよ!?」
『何を言っておるのだ、ユース。貴様の隠密行動につき合ってやっておるのではないか』
「えぇ!? ユースとアッシュ、屋根裏か床下から盗み聞きしてる設定かよ!?」
『否。小屋の外の木の枝の上からであるぞ』
「いや、場所についてはどうでもいいんだが……」
『貴様の留守中、またマタタビ漬けで籠に閉じ込められては敵わんからな。妥協して貴様と行動を共にしてやっておるのだ』
ちなみに旅の間、アッシュとユースは基本、同室だ。
アリーシャが完全に猫扱いで「アッシュたんなら、私のお布団で一緒に寝れば良くない?」と言うのを「いや!コイツの正体を思い出してくださいよ!魔王と姫が同衾とか、普通に考えてナイでしょ!」と必死に止めた結果、ナゼかそうなってしまったのだ。
『しかし、他種族の要人の会話を盗聴とは……シェリーロワールも平和ボケしているように見えて、意外と抜け目が無いのだな』
『……と言うか魔王さん、いつまで魔界を留守にする気なんです?いい加減、部下に反乱起こされますよ』
『その辺は、我の優秀な弟が何とかしておるであろう』
『……その "弟"、無闇に信じ過ぎじゃないですかね』
ゲーム内のキャラクターに "未来" を教えるわけにはいかないが……ついつい、妙な情が湧いて、そんな口出しをしてしまう。
『フン。昔ながらの重臣どもも、よくそう言うがな。我は、誰が何と言おうとブランを信じておる。彼奴は不憫な奴なのだ。兄たる我が目をかけてやらんでどうする』
アッシュの弟への情は、以前に俺と愛理咲が設定した通りだ。
俺はそれ以上は何も言わず、再びアルマディーンとパープロイの会話に集中する。
『ロイ、あんたはとにかく、あの姫を守ってやんな。あんたのその強力な火の魔法は、そのためにあるんだ』
『はい。師匠から受け継いだこの力は、何かを守るためだけに使います。……二度と、己の欲や見栄のために、誰かを傷つけるようなことは致しません』
パープロイのその声には、強い決意と苦い後悔がにじんでいた。
『……エルフ族の火の魔法使いは、滅多に生まれぬらしいな。郷では異端の存在のはず。この二人も、不遇な目に遭ってきたのではないか?』
アッシュが訳知り顔で訊いてくる。
『……かつては、そんな感じですね。まぁ、パープロイさんは、不本意な扱いを黙って受け入れるタイプではありませんけど……』
むしろ、そのせいでたびたびトラブルを起こし、ついには郷を出るハメになったわけなのだが……。
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