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加害者Fの調査報告2
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意外と細かく注釈つきの、鳩氏の加害者Fの調査報告書の内容によれば、加害者Fはあまりにも傲慢かつ我慢のできない典型的な坊ちゃんでもあるため、親である真性貴族の監視下において羽を伸ばさないように押さえつけているものらしい。もちろん、ヴォル家が舐められている、のは否めないけれどね、それでも。
(お礼参りもしてないし、まだ)
形だけとっている、いわば貴族流謝罪の風体。
ただそれだけなので、庶民的な生活にも慣れきっている僕からしてみれば、違和感マシマシなのだ。
(貴族、はそれでいいだろうけど)
まあ、僕だって貴族の血を引いてはいる。
いるけれども、貴族の落とし前、をそれなりにしてはいるだろう、とフリードは理解して気にもしてない可能性は(というか身から出たサビだとすら思ってるかも)大いにあるし、実際、なんだそれ、的な顔してたし、きょとんとしてたし、……だけどさ、それでも。それでも、だ。
(僕からの落とし前、はついてないからね)
でもって、何回か夜、僕はヴォル邸を忍び出て、加害者Fの家を徘徊するわけである。周囲を。
立派な貴族の家である。そりゃあ人生舐めるよね、これは……。金でなんでも解決できそうな感じが嫌な感じ。
(中に入ることは簡単だけど、
それで終わらすにはぬるいし)
僕の腹の虫も治らないので、退治するために納得のいく方法を模索しているわけである。
(……毛刈りもしてなかったな、あいつに)
毛根刈りすらしてなかったな……。
よし、頭のメモに記録しておこ。
「ふぁ」
夜闇にこうして、お隣の屋根に飛び移って隠蔽した身のまま、あくびをする。
(ねむ……)
昨日はフリードと少しだけ、戯れたし……。
(……部屋の隅で、ってのが盛り上がったのかも)
しかもカーテンの裏なんだよね……なんでか謎のアブノーマルを発揮する婚約者殿……な気がしないでもない。もしかしたら性癖……いや、やめようこれ以上考えるのは。そのうち空の下で、とか普通に言いそうなのが……む、すでにやってたか……相手は僕じゃない。ちょっと面白くないな、これ以上は考えるのやめよう。
かつての夜会での下世話な野次馬話を思い出して悶々としてたら、動きがみえた。
「お」
どうやら、呼ばれた娼婦たちがくたびれた様子で帰るようだ。
中には男娼……もいるみたいだけど、これもまた疲れ切った顔でいる。ふぅん。趣味は悪くない、というか、フリードにちょっかいをかけている時点で、顔が良いのを選んでるっぽい。ふーん。
馬車で乗り合いながら遠のいていく彼らを見届けてから、僕は夜の空から消えた。
自室に戻ると、うっすらと消えかかっていた僕の体が元に戻りモブおじさんの姿がかき消えて、リヒト・ガーディアンとなった。鏡にうつる僕の姿はまさしく普通に地味な少年、から青年になりかかっている風貌だ。
(前世がそれなりに生きたジジイだから、
どうも、若者になりきれないというか、
子供にしか見えないんだよね)
未成年だから子供といえば子供だし、稼いでもいないから自立しているとはいいがたい、微妙な立場の自分である。貴族の子息ではあるので、それがこの世界における普通、といえば普通だが……。
「童顔なのも、気になるかな……」
……。
将来の自分に、期待、かな。
フリードの獣人らしい性欲についていけるか不安だけど……。
(お礼参りもしてないし、まだ)
形だけとっている、いわば貴族流謝罪の風体。
ただそれだけなので、庶民的な生活にも慣れきっている僕からしてみれば、違和感マシマシなのだ。
(貴族、はそれでいいだろうけど)
まあ、僕だって貴族の血を引いてはいる。
いるけれども、貴族の落とし前、をそれなりにしてはいるだろう、とフリードは理解して気にもしてない可能性は(というか身から出たサビだとすら思ってるかも)大いにあるし、実際、なんだそれ、的な顔してたし、きょとんとしてたし、……だけどさ、それでも。それでも、だ。
(僕からの落とし前、はついてないからね)
でもって、何回か夜、僕はヴォル邸を忍び出て、加害者Fの家を徘徊するわけである。周囲を。
立派な貴族の家である。そりゃあ人生舐めるよね、これは……。金でなんでも解決できそうな感じが嫌な感じ。
(中に入ることは簡単だけど、
それで終わらすにはぬるいし)
僕の腹の虫も治らないので、退治するために納得のいく方法を模索しているわけである。
(……毛刈りもしてなかったな、あいつに)
毛根刈りすらしてなかったな……。
よし、頭のメモに記録しておこ。
「ふぁ」
夜闇にこうして、お隣の屋根に飛び移って隠蔽した身のまま、あくびをする。
(ねむ……)
昨日はフリードと少しだけ、戯れたし……。
(……部屋の隅で、ってのが盛り上がったのかも)
しかもカーテンの裏なんだよね……なんでか謎のアブノーマルを発揮する婚約者殿……な気がしないでもない。もしかしたら性癖……いや、やめようこれ以上考えるのは。そのうち空の下で、とか普通に言いそうなのが……む、すでにやってたか……相手は僕じゃない。ちょっと面白くないな、これ以上は考えるのやめよう。
かつての夜会での下世話な野次馬話を思い出して悶々としてたら、動きがみえた。
「お」
どうやら、呼ばれた娼婦たちがくたびれた様子で帰るようだ。
中には男娼……もいるみたいだけど、これもまた疲れ切った顔でいる。ふぅん。趣味は悪くない、というか、フリードにちょっかいをかけている時点で、顔が良いのを選んでるっぽい。ふーん。
馬車で乗り合いながら遠のいていく彼らを見届けてから、僕は夜の空から消えた。
自室に戻ると、うっすらと消えかかっていた僕の体が元に戻りモブおじさんの姿がかき消えて、リヒト・ガーディアンとなった。鏡にうつる僕の姿はまさしく普通に地味な少年、から青年になりかかっている風貌だ。
(前世がそれなりに生きたジジイだから、
どうも、若者になりきれないというか、
子供にしか見えないんだよね)
未成年だから子供といえば子供だし、稼いでもいないから自立しているとはいいがたい、微妙な立場の自分である。貴族の子息ではあるので、それがこの世界における普通、といえば普通だが……。
「童顔なのも、気になるかな……」
……。
将来の自分に、期待、かな。
フリードの獣人らしい性欲についていけるか不安だけど……。
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