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緊張の夕暮れ、魔の領域6 ※主人公×公子 ちょえろ

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 あの時、僕は間違いなく他人事のように眺めていた。
薄暗い中、公子様が口を窄めてあの龍人のペニスを舐めあげてたり、お尻を誰かに甚振られて腰を揺すったり……してたな、そう。思ってた以上に、よく見てるな僕。途中から飽きがきたけど。
 (そう、僕らしくない)
 断言できる。ここまではっきりと意思を持つのは、久方ぶりかもしれない。
 口の中を転がせば、舌の上にはっきりと残っているわずかな血痕の縁(よすが)。
  
 「リヒ……?」
 
 今は、いい。
この気持ちと向き合うよりも、彼の体と対面しよう。
 婚約者どのの期待のこもった瞳はうるうると、しかし、入れて欲しいとせがんでいる。
よろしい、ならば少しだけ、入れよう。僕の体の一部であるところの……指先を。
 細長い彼の指先が少しだけ添えてある彼自身のアナルに、僕は先っちょをいれた。

 「あ……」

 案外と締め付けは出入り口にもあって、するすると第二関節まで入ってしまった。
多少は公子様の先走りが僕の指にまとわりついているので、それなりに苦しくは……ないようだった。彼の表情は、何やら期待のこもった顔をしている。うん。美人顔がトロけている、というか。唇の端からは涎が出てるし、期待はマシマシであろう。だが残念。
 (こんな気持ちのまま、交わり合うのは……)
 という、センチな僕の気持ちも相まって、2本目。指を二つ、増やして熱いフリードの中を熟(こな)す。同時に、ぴん、と聳り立つ、婚約者どのの逸物。うむ、立派だ。僕よりは少し小さめだけど。重ねたら面白いかもしれないが、今はここで楽しませて……ああ、そうだ。確かに、彼のものも喜ばせてやらなきゃ。なんたって、尻尾がまたも、僕の手首に巻き付いている。ふわふわな、彼の尻尾だ。何よりも雄弁に語るそれは、僕が彼の中をとんとんと叩いて掻き回しているとビクビクと蠢きつつ、決して離れず、まるで蠕動するかのように震えたのだ。
 
 「ん、ん、んん……」

 同時に、彼の熱く硬度すら保っている逸物もさらなる高みを目指し、頑張った。
なんたって、とろとろ状態の彼の瞳孔は明らかに獲物を見る縦になっており、今にも僕に襲いかかりそうだった、ってのは野暮かな。早くイカせないと僕の身が危なそうだったし。
 
 「リヒ、リヒぃ……」
 「うん、うん」
 「リヒのを……」
 「うん、うん」

 最初の瞬間を思い出しながら、そうそう、この固いところをさらにコスコスと撫でてやり……、ぎゅうぎゅうに締め上げてくるフリードの中を激しく出し入れさせながら、フリードのものも大いに興奮させ……、

 「う、んうっ」
 
 喘ぎ声の様子から、まだ一歩足りないみたいなので3本に指を増やして縦穴のアナルを指先の密集地みたくさせ、僕は彼のペニスへの手淫を素早く動かして促す。
 途中、少し強めに圧力をかけて。

 「っ!」

 声にならない声で、彼は達した。
 (おお……)
 想像よりも多めに出た濃度の高い精液はとろとろと、僕の手を再び汚した。
とんでもなく僕の指は彼の穴の中で離さんとばかりにきつく締め付けてたし、めくり上がったアナルの縁は心配になるほどだったが、獣人は基本頑丈なので大丈夫だろう……おそらく。男色の情報はそれなりに交友関係の中で話題にはなることはあれども、ここまでセンシティブな話は出てこない。
 はあ、はあ、と上がる息は彼のものだ。
 室内に響く彼の吐息は、こんな時まで色っぽく、僕の指が彼のアナルから出る時でさえも、
 
 「う……」

 と、眉根に皺を寄せ、困った顔をしていた。あまり離れてほしくないらしく、雄弁な彼の尻尾が、僕の手を離そうとしない。
 
 「離れないから。約束したでしょう」
 
 穏やかに伝えたところでようやく解放された僕は、手指を布巾で浄める。
静かに裸のまま横たわっている彼の頭を撫でやると、多少、安堵感はでてきたものらしい、フリードリヒの色恋に狂った瞳は閉じられた。
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