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緊張の夕暮れ、魔の領域3 ※少しだけ戯れる主人公×公子
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多少は発散すれば、彼も満足するだろう。
そういった想いでもって、僕は彼の胸元を口に含んだ。
慌てて、戸惑っている高位貴族の彼を見上げるのも面白い。
舐めると、少し硬かった乳首がさらに硬度を高めた。
ちょっとした粒だったそれなのに、人体の神秘は面白い。いや、獣人の神秘か。
「リヒ、いきなり、何を」
僕の頭の上に、フリード公子の手がかかる。さわさわ、と撫でられる……。力の入っていない、困惑中の美人顔は珍しい。もう片方の手はどうすればいいのか彷徨うようにして、公子自身の鎖骨に置かれている。
仰ぎ見ながら舌の上に硬い尖りを転がすと、彼は甘い声を上げ続けた。
「……、う……んん……」
次第に力なく横たわる彼に続けとばかりに覆い被さるようにして、もう片方の寂しそうにしている胸にも触れる。
さわさわと撫でたり、ゆるゆると回したり。ひっぱったり。こちら側もすぐに硬くなり、いやらしく緩急つけて手のひらで揉んだりすると、ビクビクと震える公子様の様子に、僕としては大変しこり甲斐があった。
(とはいえ、ずいぶんと感度が高い)
乱れ髪の合間から漏れる艶めく唇からは、僕の愛称と、感じ入る熱のこもった喘ぎ声。
(タイザーたちとのよもやま話によれば、開発されてる、ってやつかな?)
僕は自分の胸を触りたい気持ちがないので、彼がここまでふるふるとしているのがなんとも謎めいている。
となると、そうなるわけだ。
(むぅ……)
それはそれで、面白くない。
ここら辺は、僕は潔癖かもしれない。
(まあ、こんなに綺麗な人が自分の下で乱れるなら、どんな顔を次は見せてくれるか……支配欲を持っても、仕方ないよね)
ただ、それはそれで、彼の過去が気になってしまう。
僕の口の中で転がした乳首のまわり。乳輪をなぞると、フリード公子はビクビク、と腰をくねらした。
僕の、下で。舌でね。
その切先には、誰かが噛み付いた痕跡がある。歯形の残り。
やぱり、それを目にしてしまうと。間接キスのような、傷。
誰かにとられた、それ。ダメだった。
「あー……」
やっぱり、僕の嫉妬心が存外に。
僕の腹の底に、ほんの少し積み上げていたそれが、少しだけ顔を出した。
「あぐっ!」
僕の歯が、出ていたから。
それなりに痛みを感じたことだろう。
(けど)
「な、何を、リヒ……!」
魚のように跳ねた肢体。顔だけ向けてきた彼の目は、噛まれた衝撃で涙目である。いや、元々うるうるとしていたから、宝石のように煌めいている。
僕はちらと視線だけ向けて、赤い舌を見せつけながら、新たに傷つけた胸の周りを舐め回した。じっくりと。
「あ、っ……ん、んっ」
痛みすら感じ取りながら、フリード公子は僕の頭を両手で、柔く触る。ひどく優しい心地だ。
僕の丸いハーフらしい耳朶にも撫でて、目元を柔く。赤く染めて。
「リヒ……」
ほんの少量だったけれども、少しだけ出てきた血を、僕はなめとった。
……これは僕の本能によるさらなる力で、このわずかな血は消えてしまい、傷すらも消滅する。
ちゅう、と吸って、熱い息を吹き付けると、たまらずにフリードは、んんっ、と僕の体を両足で抱え込んだ。
先ほどから自己主張してくる彼の股間の逸物とともに。ぎゅうぎゅうと。
そういった想いでもって、僕は彼の胸元を口に含んだ。
慌てて、戸惑っている高位貴族の彼を見上げるのも面白い。
舐めると、少し硬かった乳首がさらに硬度を高めた。
ちょっとした粒だったそれなのに、人体の神秘は面白い。いや、獣人の神秘か。
「リヒ、いきなり、何を」
僕の頭の上に、フリード公子の手がかかる。さわさわ、と撫でられる……。力の入っていない、困惑中の美人顔は珍しい。もう片方の手はどうすればいいのか彷徨うようにして、公子自身の鎖骨に置かれている。
仰ぎ見ながら舌の上に硬い尖りを転がすと、彼は甘い声を上げ続けた。
「……、う……んん……」
次第に力なく横たわる彼に続けとばかりに覆い被さるようにして、もう片方の寂しそうにしている胸にも触れる。
さわさわと撫でたり、ゆるゆると回したり。ひっぱったり。こちら側もすぐに硬くなり、いやらしく緩急つけて手のひらで揉んだりすると、ビクビクと震える公子様の様子に、僕としては大変しこり甲斐があった。
(とはいえ、ずいぶんと感度が高い)
乱れ髪の合間から漏れる艶めく唇からは、僕の愛称と、感じ入る熱のこもった喘ぎ声。
(タイザーたちとのよもやま話によれば、開発されてる、ってやつかな?)
僕は自分の胸を触りたい気持ちがないので、彼がここまでふるふるとしているのがなんとも謎めいている。
となると、そうなるわけだ。
(むぅ……)
それはそれで、面白くない。
ここら辺は、僕は潔癖かもしれない。
(まあ、こんなに綺麗な人が自分の下で乱れるなら、どんな顔を次は見せてくれるか……支配欲を持っても、仕方ないよね)
ただ、それはそれで、彼の過去が気になってしまう。
僕の口の中で転がした乳首のまわり。乳輪をなぞると、フリード公子はビクビク、と腰をくねらした。
僕の、下で。舌でね。
その切先には、誰かが噛み付いた痕跡がある。歯形の残り。
やぱり、それを目にしてしまうと。間接キスのような、傷。
誰かにとられた、それ。ダメだった。
「あー……」
やっぱり、僕の嫉妬心が存外に。
僕の腹の底に、ほんの少し積み上げていたそれが、少しだけ顔を出した。
「あぐっ!」
僕の歯が、出ていたから。
それなりに痛みを感じたことだろう。
(けど)
「な、何を、リヒ……!」
魚のように跳ねた肢体。顔だけ向けてきた彼の目は、噛まれた衝撃で涙目である。いや、元々うるうるとしていたから、宝石のように煌めいている。
僕はちらと視線だけ向けて、赤い舌を見せつけながら、新たに傷つけた胸の周りを舐め回した。じっくりと。
「あ、っ……ん、んっ」
痛みすら感じ取りながら、フリード公子は僕の頭を両手で、柔く触る。ひどく優しい心地だ。
僕の丸いハーフらしい耳朶にも撫でて、目元を柔く。赤く染めて。
「リヒ……」
ほんの少量だったけれども、少しだけ出てきた血を、僕はなめとった。
……これは僕の本能によるさらなる力で、このわずかな血は消えてしまい、傷すらも消滅する。
ちゅう、と吸って、熱い息を吹き付けると、たまらずにフリードは、んんっ、と僕の体を両足で抱え込んだ。
先ほどから自己主張してくる彼の股間の逸物とともに。ぎゅうぎゅうと。
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