どうしよう、俺の公子様がXXに。

小夜時雨

文字の大きさ
上 下
16 / 168

夜会へ⑥ 続・3P注意

しおりを挟む
 しばらく咥えられていた男は、ぐっと公子の頭を掴んでさらに押し込んで……、武者ものは、

「うっ」

 激しく公子の体を揺さぶったあと、ぐぐぐっと公子の体を押し込んだ。
ぶるぶると震える総身。肉体美もそうだが、震える胸筋。汗もまるで匂いもしそうだ。
なんともものすごい、3Pであった。

 (ほ)

 これで終わりか、と思ったら第二ラウンドも始まった。

 
 ちら、と僕はタイザーを見やるが、彼はさらに引き続き観戦するつもりであるらしい、だんだんと僕は彼らの長丁場な様子に、時間を持て余し気味になっていた。

 (暇だな……)

 見ていてエロいし、興奮するが、しかし自分がやってるわけでもなく……、デバガメは、案外とつまらないな、と心の中で呟く。
 (自分がやってるわけじゃないからかな)
 僕は案外と実践派であるらしかった。
 
 帰ろうかな……。


 場面は切り替わり、主導権は相変わらず公子にあるものらしく、貴族の長い髪を撫でながら肩を押し倒し、乗り上げた公子は上から貴族の逸物を片手で触れながら自らの中へ挿入しようとゆっくりと腰を落とし……、横で半立ちしている武人の、未だ萎えない巨根を器用に頬張っていた、その瞬間だった。

 そう、僕が、喋ってしまったのは。

 「な、タイザー。
  僕、もう……」
 「え、えー、せっかく来たのに……」
 「だってさあ。つまんなくなってきたんだもん」
 「もん、って。ぶりっ子かよ。
  せっかくの特等席なのに……」

 思いの外、声は相手に届いてしまったようだ。
 うっかり、というレベルではなかった、はずである。
 獣人は耳が良いが、かといってこんな電波レベルの小声を拾うほど、彼らは性行為に熱心だったし、暇じゃなかった。そう、警戒心とか、そういった……、何か、別のことに意識を向けていなければ。
 無防備な行為であるのだ、こういった行為は。
 獣だって、同じ。
 獣人だって、同じだ。

 だから、僕は……間抜けだったんだろう。
 
 みつけた、と。
 
 言わんばかりに、噛み締める公子の、優雅な唇が獰猛になって……、結果。
 
 つんざく雄々しい悲鳴が、轟く。


 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

せっかく美少年に転生したのに女神の祝福がおかしい

拓海のり
BL
前世の記憶を取り戻した途端、海に放り込まれたレニー。【腐女神の祝福】は気になるけれど、裕福な商人の三男に転生したので、まったり気ままに異世界の醍醐味を満喫したいです。神様は出て来ません。ご都合主義、ゆるふわ設定。 途中までしか書いていないので、一話のみ三万字位の短編になります。 他サイトにも投稿しています。

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

不憫王子に転生したら、獣人王太子の番になりました

織緒こん
BL
日本の大学生だった前世の記憶を持つクラフトクリフは異世界の王子に転生したものの、母親の身分が低く、同母の姉と共に継母である王妃に虐げられていた。そんなある日、父王が獣人族の国へ戦争を仕掛け、あっという間に負けてしまう。戦勝国の代表として乗り込んできたのは、なんと獅子獣人の王太子のリカルデロ! 彼は臣下にクラフトクリフを戦利品として側妃にしたらどうかとすすめられるが、王子があまりに痩せて見すぼらしいせいか、きっぱり「いらない」と断る。それでもクラフトクリフの処遇を決めかねた臣下たちは、彼をリカルデロの後宮に入れた。そこで、しばらく世話をされたクラフトクリフはやがて健康を取り戻し、再び、リカルデロと会う。すると、何故か、リカルデロは突然、クラフトクリフを溺愛し始めた。リカルデロの態度に心当たりのないクラフトクリフは情熱的な彼に戸惑うばかりで――!?

処理中です...