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竜王の系譜
竜王の系譜<孫とひ孫>
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その話を聞いていきり立ったのは、竜王の系譜たる竜であった。
「なんと! あの可愛(かわゆ)い、可愛(かわゆ)いひ孫が!!」
普段、微動だにしない岩のごとき御仁ではあるが、こと、ひ孫の話になると話は違う。ふしゅーと熱風のごとき鼻息が深淵の洞穴から地上へ、蒸気となってあちこちの穴ぼこから吹き上がる。近場で作業をしていたコボルトもどきたちが、うきゃー、と叫びながら逃げ惑った。
「竜王様ぁ、少し抑えてくだせぇ」
配下なる者たちが慌てて駆け寄り、頭部を覆っていたほっかむりをとる。
その露わになった顔立ちは皆整っていて、特に耳が長い。人間たちは彼ら黒い肌を持つ者たちをダークエルフ、と呼んだ。端正な顔立ちを持つ彼らを人間どもは奴隷として酷い目にあわせた過去があったものだが、もはや遠い出来事。凄惨な過去は過去とした現代の彼らは畑作に精を出し、やけに自発的な人間奴隷たちに負けてたまるか! などと日夜農業に勤しんでいた。黒耳長は森に引っ込む白い耳長どもと違うのだ!! というのがポリシーらしく、数が少なくなって悪戯し甲斐もなくなった人間なんて放っておいて黙々と草取りをし、ご隠居古竜に健康野菜の捧げものをしつつの健康的な日常を送っていた。
そんな黒耳長たちが崇めている竜が潜む洞穴から異変を感じ、野良仕事をしている最中であったがばかりにクワや薪を抱えたまま黒耳たちは慌ててやって来たわけである。穴の奥へ。
「むむむむ、何たることだ、おい、黒耳たちよ」
「へえ」
「我の、可愛(かわ)ゆすぎるひ孫が!」
動揺してぶんぶんと尻尾を振って地面を揺らす古の竜に怯えもせず、ふんふんと肯く黒集団エルフたち。その顔はとても真剣だ。話の経緯を聞き取り、彼らは怒り出した。
「なんたることだ!」
「ふてぇ野郎だ!」
「人間ってぇやつは、ったくよぉ!」
黒耳の先祖はその妖艶で魅惑的な容姿で人間たちを魅了したが、現在のダークエルフたちは骨太筋肉隆々の勇ましい出で立ちである。とてもじゃないが繊細ではないガチムチマッチョだ。口も悪い。
「わしらのクワで耕してやろう!」
「簀巻きにしたろ!」
うん、うん、と円陣組んで頷き合う黒耳長の人たち。
腕まくりをして意見がまとまったようである。
古竜の渋い顔含め、黒耳長の人たちは一斉に使者を見つめた。
使者はぺこりと頭を下げる。
「ということじゃ。
王の使いよ――――メルキゼデクを取り戻すために力を貸してやろう」
爛々と輝く竜王の瞳――――話がまとまったところで。
ぶふーと熱波を放ちながら、古竜は洞窟からのそのそと這い上がり。ずりずりと尻尾を引きずって轍を作る。意気揚々と黒耳長たちもぞろぞろと竜の後ろをついて地上へ。久しぶりに竜王様が動いた、天変地異じゃ! などと互いに喋くり合いながら。
久方ぶりの太陽に目を細める古の竜。その体躯は立派だった。どの竜よりも大きく、年季の入った体だ。黒耳長たちも、王の全容を目の当たりにしておおー、と感心の声を上げる。
光に照らされた竜王の体躯は、まさしく王位に相応しいものだった。
厚めの皮膚はキラキラとした鱗で覆われ。爪は鋭く、角は大きい。ぎろり、とした鋭い目もたまらない。
竜は歓声を心地よく感じとりながら、耳を蠢かし。
空を飛ぼうと体躯よりも大きな翼を動かした――――颯爽と、動かそうとしたのだが。
ずり、と。体がやや斜めに崩れた。
「む……ぬおお!?」
「りゅ、竜王様ぁあ!?」
竜とは引きこもるもの。
普段運動しない、整備をしない翼の動きが異様だった。竜はしまった、という表情を浮かべ、わたわたと前足で宙を掻き、四肢を踏ん張らせようとしたが……時遅く。
地すべりを起こすかのように竜の巨体が山から滑り落ちる。ずっと引きこもっていたツケが返ってきたのである。黒耳長たちは四方八方へ逃げ惑い、竜王様は――――どどん、とひとつ山を潰した。
「……竜王様ぁ、だからちったあ運動をしろと」
「すまんな、黒耳の」
「まったくだぁ」
竜はしょんぼりとした。
しかし、この仕方ないなあ、という空気は好きだった。黒耳長たちとの付き合いも長い。かれこれ、千年は。そう、千年以上は、この地に居座っていた竜なのだ。
娘が生まれたのは数百年前の出来事。
その娘がお嫁さんになる、という夢を抱きながら夫たる小さい生き物を連れてきたときは度肝を抜かれたものだが。
ふしゅー、と灼熱のため息を吐きながら、ぼうっと思い出を蘇らせる。
可愛い花の冠を頭にかけてくれた我が愛娘。耳のある男が良いと出て行った後姿。ほろりと胸にくるものがある。ピンク色の尻尾は愛らしかった。
(我がこの地を離れた時は、そうそうない。神人にこき使われた以来……、
……ほんに久しいものよ)
なんとも感慨深い、とほんのちょっとだけ涙が出そうになる。
メルキゼデクは竜王にとって可愛い可愛いひ孫である。
ピンク鱗の娘は可愛い。その娘にとっての孫だからメルキゼデクはとっても可愛い。ルキゼの父であり、娘の子である猫耳王は生意気過ぎてあんま可愛くないが。メルキゼデクは竜の血を引くひ孫なのに、あまり竜という気配がない見目だがふわふわな金髪に滑らかな褐色肌、キラキラと竜らしい縦長の瞳孔は猫よりは竜に近い子だ。耳は猫耳だがいずれは王に相応しい貫禄を持つだろうし、顔立ちもまあまあ可愛い。いや、絶対に可愛いひ孫だ。整った顔立ちは顔だけは良い父に似た美丈夫間違いないもので、竜王は非常に満足しながら子孫であるひ孫を愛猫していた。たまに遊びに来たメルキゼデクを鍛えてやろうと、太ましい尻尾でおちょくったり、風を口から放って空に飛ばして遊ばせたり。自然大好きなひ孫。よく大地と遊ばせ、きゃっきゃきゃっきゃと喜ぶその小さいひ孫を猫可愛がりしていたのだが、王たる教育が始まって以来なかなか来る気配がなくて寂しい爺をしていた古の竜。
それがまさか、そのようなとんでも事態に陥っていたとは。
父親である現王の孫を叱りつけたいところなれども、力がなければ負けるのは掟。
別大陸でもやっていけねば王にはなれない、のは真理だと、飛び去った使者の言葉に頷くよりほかはない。子供とはいえ、まずは生き延びる術をつけてやりたいとはさすがは王であると王の祖父たる竜は唸った。竜王の系譜たる己に刃向ったこともある孫の猫耳王、只者ではない。
(準備だけしておけ、ということだが)
まあしておいてやろう。
ふしゅー。
孫は無駄に戦闘狂い。祖父である竜王に戦いを挑むほどである――――決して憎たらしい、というほどでもない、が。
朝日が昇る。
合図だ。
古の竜はゆっくりとその大地に横たえておいた体を起き上がらせて。
立派な翼を大きくしならせた。大気を吸い、鋭い歯をあたりに見せつけて。腹の底からの声を、大陸中に響かせたものである。鮮血の如き大きな舌が蠢いた。
ぎゃおおおおおおおおお!
竜王の一喝。
これに呼応するかのように、しばらくすると大気を震わす風が遥か遠くから聞こえてくる。初めは黒い粒だったが圧倒的体躯を持って、竜たちが大陸中から集まってきた。老いも若きも、皆一様に馳せ参じる。
黒耳長たちも竜王に侍り。
彼らは頭を垂れた。我らが王に。
古の竜王の直系。
その姿は王に相応しい、見事なものである。
「竜王さまぁ、行くんですかい」
「うむ……。
猫耳の王にな」
「茶でもしばきに?」
「そうともいう。
ほれ、黒耳長の。お前たちの中に剛の者が何人かいるだろう。
そこの竜たちの後ろに乗ってこんか。人間相手に暴れることができようぞ」
黒耳長たちも、幾人か暇つぶし……、
もとい、竜王のひ孫のために力を貸すことにしたものらしい、遅れてついてきた竜の背に何人か黒い肌を持つダークエルフが首から手を離さぬようひしっと抱き着いて落ちないようにしていた。
「では、参るぞ!」
ばさ、と天を覆い隠すほどに翼広げ。足に力を入れて大地を揺るがし、翼に風を纏って飛び上がり久方ぶりの空の旅を楽しんだ。鮮やかな朝焼けに、後方にいる黒耳たちは嬉しげに声を上げた。
(どこもかしこも変わらぬ。
あの時、我も神人を背に乗せてやったらあのようにして喜び……、
…………泣きべそかいておったなあ)
古の竜は、孫の思惑に乗ってやることにした。
「なんと! あの可愛(かわゆ)い、可愛(かわゆ)いひ孫が!!」
普段、微動だにしない岩のごとき御仁ではあるが、こと、ひ孫の話になると話は違う。ふしゅーと熱風のごとき鼻息が深淵の洞穴から地上へ、蒸気となってあちこちの穴ぼこから吹き上がる。近場で作業をしていたコボルトもどきたちが、うきゃー、と叫びながら逃げ惑った。
「竜王様ぁ、少し抑えてくだせぇ」
配下なる者たちが慌てて駆け寄り、頭部を覆っていたほっかむりをとる。
その露わになった顔立ちは皆整っていて、特に耳が長い。人間たちは彼ら黒い肌を持つ者たちをダークエルフ、と呼んだ。端正な顔立ちを持つ彼らを人間どもは奴隷として酷い目にあわせた過去があったものだが、もはや遠い出来事。凄惨な過去は過去とした現代の彼らは畑作に精を出し、やけに自発的な人間奴隷たちに負けてたまるか! などと日夜農業に勤しんでいた。黒耳長は森に引っ込む白い耳長どもと違うのだ!! というのがポリシーらしく、数が少なくなって悪戯し甲斐もなくなった人間なんて放っておいて黙々と草取りをし、ご隠居古竜に健康野菜の捧げものをしつつの健康的な日常を送っていた。
そんな黒耳長たちが崇めている竜が潜む洞穴から異変を感じ、野良仕事をしている最中であったがばかりにクワや薪を抱えたまま黒耳たちは慌ててやって来たわけである。穴の奥へ。
「むむむむ、何たることだ、おい、黒耳たちよ」
「へえ」
「我の、可愛(かわ)ゆすぎるひ孫が!」
動揺してぶんぶんと尻尾を振って地面を揺らす古の竜に怯えもせず、ふんふんと肯く黒集団エルフたち。その顔はとても真剣だ。話の経緯を聞き取り、彼らは怒り出した。
「なんたることだ!」
「ふてぇ野郎だ!」
「人間ってぇやつは、ったくよぉ!」
黒耳の先祖はその妖艶で魅惑的な容姿で人間たちを魅了したが、現在のダークエルフたちは骨太筋肉隆々の勇ましい出で立ちである。とてもじゃないが繊細ではないガチムチマッチョだ。口も悪い。
「わしらのクワで耕してやろう!」
「簀巻きにしたろ!」
うん、うん、と円陣組んで頷き合う黒耳長の人たち。
腕まくりをして意見がまとまったようである。
古竜の渋い顔含め、黒耳長の人たちは一斉に使者を見つめた。
使者はぺこりと頭を下げる。
「ということじゃ。
王の使いよ――――メルキゼデクを取り戻すために力を貸してやろう」
爛々と輝く竜王の瞳――――話がまとまったところで。
ぶふーと熱波を放ちながら、古竜は洞窟からのそのそと這い上がり。ずりずりと尻尾を引きずって轍を作る。意気揚々と黒耳長たちもぞろぞろと竜の後ろをついて地上へ。久しぶりに竜王様が動いた、天変地異じゃ! などと互いに喋くり合いながら。
久方ぶりの太陽に目を細める古の竜。その体躯は立派だった。どの竜よりも大きく、年季の入った体だ。黒耳長たちも、王の全容を目の当たりにしておおー、と感心の声を上げる。
光に照らされた竜王の体躯は、まさしく王位に相応しいものだった。
厚めの皮膚はキラキラとした鱗で覆われ。爪は鋭く、角は大きい。ぎろり、とした鋭い目もたまらない。
竜は歓声を心地よく感じとりながら、耳を蠢かし。
空を飛ぼうと体躯よりも大きな翼を動かした――――颯爽と、動かそうとしたのだが。
ずり、と。体がやや斜めに崩れた。
「む……ぬおお!?」
「りゅ、竜王様ぁあ!?」
竜とは引きこもるもの。
普段運動しない、整備をしない翼の動きが異様だった。竜はしまった、という表情を浮かべ、わたわたと前足で宙を掻き、四肢を踏ん張らせようとしたが……時遅く。
地すべりを起こすかのように竜の巨体が山から滑り落ちる。ずっと引きこもっていたツケが返ってきたのである。黒耳長たちは四方八方へ逃げ惑い、竜王様は――――どどん、とひとつ山を潰した。
「……竜王様ぁ、だからちったあ運動をしろと」
「すまんな、黒耳の」
「まったくだぁ」
竜はしょんぼりとした。
しかし、この仕方ないなあ、という空気は好きだった。黒耳長たちとの付き合いも長い。かれこれ、千年は。そう、千年以上は、この地に居座っていた竜なのだ。
娘が生まれたのは数百年前の出来事。
その娘がお嫁さんになる、という夢を抱きながら夫たる小さい生き物を連れてきたときは度肝を抜かれたものだが。
ふしゅー、と灼熱のため息を吐きながら、ぼうっと思い出を蘇らせる。
可愛い花の冠を頭にかけてくれた我が愛娘。耳のある男が良いと出て行った後姿。ほろりと胸にくるものがある。ピンク色の尻尾は愛らしかった。
(我がこの地を離れた時は、そうそうない。神人にこき使われた以来……、
……ほんに久しいものよ)
なんとも感慨深い、とほんのちょっとだけ涙が出そうになる。
メルキゼデクは竜王にとって可愛い可愛いひ孫である。
ピンク鱗の娘は可愛い。その娘にとっての孫だからメルキゼデクはとっても可愛い。ルキゼの父であり、娘の子である猫耳王は生意気過ぎてあんま可愛くないが。メルキゼデクは竜の血を引くひ孫なのに、あまり竜という気配がない見目だがふわふわな金髪に滑らかな褐色肌、キラキラと竜らしい縦長の瞳孔は猫よりは竜に近い子だ。耳は猫耳だがいずれは王に相応しい貫禄を持つだろうし、顔立ちもまあまあ可愛い。いや、絶対に可愛いひ孫だ。整った顔立ちは顔だけは良い父に似た美丈夫間違いないもので、竜王は非常に満足しながら子孫であるひ孫を愛猫していた。たまに遊びに来たメルキゼデクを鍛えてやろうと、太ましい尻尾でおちょくったり、風を口から放って空に飛ばして遊ばせたり。自然大好きなひ孫。よく大地と遊ばせ、きゃっきゃきゃっきゃと喜ぶその小さいひ孫を猫可愛がりしていたのだが、王たる教育が始まって以来なかなか来る気配がなくて寂しい爺をしていた古の竜。
それがまさか、そのようなとんでも事態に陥っていたとは。
父親である現王の孫を叱りつけたいところなれども、力がなければ負けるのは掟。
別大陸でもやっていけねば王にはなれない、のは真理だと、飛び去った使者の言葉に頷くよりほかはない。子供とはいえ、まずは生き延びる術をつけてやりたいとはさすがは王であると王の祖父たる竜は唸った。竜王の系譜たる己に刃向ったこともある孫の猫耳王、只者ではない。
(準備だけしておけ、ということだが)
まあしておいてやろう。
ふしゅー。
孫は無駄に戦闘狂い。祖父である竜王に戦いを挑むほどである――――決して憎たらしい、というほどでもない、が。
朝日が昇る。
合図だ。
古の竜はゆっくりとその大地に横たえておいた体を起き上がらせて。
立派な翼を大きくしならせた。大気を吸い、鋭い歯をあたりに見せつけて。腹の底からの声を、大陸中に響かせたものである。鮮血の如き大きな舌が蠢いた。
ぎゃおおおおおおおおお!
竜王の一喝。
これに呼応するかのように、しばらくすると大気を震わす風が遥か遠くから聞こえてくる。初めは黒い粒だったが圧倒的体躯を持って、竜たちが大陸中から集まってきた。老いも若きも、皆一様に馳せ参じる。
黒耳長たちも竜王に侍り。
彼らは頭を垂れた。我らが王に。
古の竜王の直系。
その姿は王に相応しい、見事なものである。
「竜王さまぁ、行くんですかい」
「うむ……。
猫耳の王にな」
「茶でもしばきに?」
「そうともいう。
ほれ、黒耳長の。お前たちの中に剛の者が何人かいるだろう。
そこの竜たちの後ろに乗ってこんか。人間相手に暴れることができようぞ」
黒耳長たちも、幾人か暇つぶし……、
もとい、竜王のひ孫のために力を貸すことにしたものらしい、遅れてついてきた竜の背に何人か黒い肌を持つダークエルフが首から手を離さぬようひしっと抱き着いて落ちないようにしていた。
「では、参るぞ!」
ばさ、と天を覆い隠すほどに翼広げ。足に力を入れて大地を揺るがし、翼に風を纏って飛び上がり久方ぶりの空の旅を楽しんだ。鮮やかな朝焼けに、後方にいる黒耳たちは嬉しげに声を上げた。
(どこもかしこも変わらぬ。
あの時、我も神人を背に乗せてやったらあのようにして喜び……、
…………泣きべそかいておったなあ)
古の竜は、孫の思惑に乗ってやることにした。
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