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母の再婚相手で連れ子愛莉の父が失踪したという話を聞いた。
私にとってはどうでもいい事なんだけど、働いていない母とアルバイトもしたことがない愛莉がお金の無心に来ることなんて想像しやすく外れる事もなく。
「お帰りください」
「なによ!あたしはあの子の母親なのよ!」
「お帰りください」
「家族が飢えてるのにひどいじゃない!」
家の前で騒ぐ母子を田淵さんと三橋さんが『お帰りください』のエンドレスで対応している。
あまりにもしつこい場合は即座に警察に連絡を入れて連れて行ってもらう事にしている。
そろそろ呼ぶか…と思っていたら『覚えてなさい!実の母親にこんな仕打ちして!』と言い捨てて帰っていった。
「乗ってきた車とか今まで買い漁ってた宝石とかブランド品売れば暫く暮らせるでしょ。しかもこんなになっても働こうとしないなんてある意味凄い」
「本当に鈴さんの母親なんですか?」
「残念ながら。どうやら見たこともない父の方の血筋が強く出てくれたようです」
「…父親に会ったことはないのですか?」
「記憶にないですね…。母曰く糞真面目過ぎて面白くもなかったらしいんですけど」
それ以降父親の事なんて何も言わないし父親につながる物もなかったので私の中では父親は本当に育ててくれた祖父だけなのだ。
…最近先生が父親っぽくなっているけれど。
「田淵さん達すみません…」
「いえ、ただキーキー喚くだけですからね。毒薬や爆発物を投げてこないだけマシですよ」
「…そんなの居たんですか?」
「少数ですけどね。眞守さんに頂いた能力で難なく撃退できていますが」
「何かあったら絶対に言ってくださいね?」
私のせいで田淵さん達のみに何かあったらと思うと…。
「大丈夫ですよ。幸い眞守さんととんでもない経験・体験していますから他に比べるとどんな状況でも冷静に対応できるメンタルが身につきましたから」
「なんか本当にすみません」
学校に行く時間なのでそれだけいって家を出る。
「きゅい~」
「大人しくしないと次からお留守番だよ?」
「きゅぃ…」
それは困るとオニキスは大人しくフードの中に納まる。
バスの中では静かにと教えたので出て騒ぐことはない。
当初のようにバスの中で黒服がひしめいている事は無くなった。
無くなった代わりに今度は海外勢で見覚えがある顔が代わる代わる入るようになった。
勧誘海外勢バージョンだろうか?
結界で私に近寄れないようにしているので今のところ誰も私に声をかけられていないけれど。
「あぁ、スズ。堀北先生が呼んでました」
「あ。ありがとう」
同じクラスのイリーナが教えてくれた。
最初こそ色々とあったけれど、彼女はどうやら私にそこまでの興味がないらしく勧誘してくることはなかった。
初めに過剰反応したのは、やはり個人情報を回し見したという後ろめたい気持ちからだったと。
他二人は普通に接してくると見せかけてちょいちょい勧誘してくるのでやはり結界の餌食になっている。
「眞守さん大丈夫?」
「朝から疲れる事があって…」
朝からは本当に勘弁してくれと思う。
「そういえばもうすぐテストが近いけど大丈夫?」
「勉強は疎かにしてないよ。一応良い先生が居るから学ぶ環境はばっちりだし?」
「あぁー。今度の土日勉強教えてもらいに行って良い?」
先生が居るもんねと納得した藤森さんが勉強会の提案をしてくれるがその日は残念ながら予定があるのです。
「ごめん、その日は強制的にダンジョンの攻略に連れていかれるんだ…」
「普通ならヒャッハー!って喜ぶと思うんだけど、ダンジョン攻略」
「普通だったらね?でもうちだけじゃなくてうちが不正しているって疑っている所と興味がないっていうところと阿呆が集まったところと行かなくちゃいけないから…。藤森さんも来る?一人分空いてるよ?」
こうなったら道連れを…と思えば藤森さんはさっと私から距離をとる。
「面倒ごとは拗らせた兄貴だけで十分!」
「え、お兄さん拗らせちゃったの?なにを?」
「彼女さんに振られたのがショックだったらしくて…」
「あぁ…」
でもそれは自業自得の部類だしなぁ…。
「女性に優しくできるように練習するってあたし相手になんか馬鹿丁寧に接してくるんだけど…ボロが出ちゃうんだよね…」
遠い目をする藤森さん。
「お互い大変だね…」
「眞守さんに比べるとうちの事なんて些細なことだけどさ」
なんか酷いことを言われた。
呼び出されていたので職員室に向かう。
「先生、お呼びだと聞いて」
「あ、眞守さん。あのね~」
先生の要件は保護者のサインが必要なものがあるという前説明と、授業中オニキスが教室から出ないようにさせてほしいという事だった。
「わかりました」
「あー、あとね…」
最後に先生が申し訳なさそうな声音で言ったのは連れ子愛莉の学校の諸々の入金が先月分入っていないという事だった。
「先生、悪いんですけどあっちサイドと私は無関係です。あっちが私の事で何かすることもないですけど私があっちサイドに何かすることもありません。それは私に言う事じゃなくてあっちの親御さんに言ってください」
「でも…」
「話は終わりですか?失礼しますね」
まだ何か言いたそうにしている先生に頭を下げて職員室から出る。
「堀北先生、悪い先生じゃないけど善意が面倒くさいよねぇ…」
うちの事情は知っているけど『でも家族なんだから困ったときは助け合わなきゃ…!』と普通に言ってしまうような先生である。
何をどう言われたのか知らないけれど私があっちサイドに何かを恵んでやることなんて何もない。
むしろそこまで親身になるのなら先生が人柱になればいいのにと思ってしまう。
「何やらかしたの?」
「いや、やらかしてないよ?授業中オニキスが教室から出ないようにしてほしいって言われただけで」
「また何か凄いものを仲間にしたのかと思った」
「また何か凄いアイテムを手に入れたのかと思った」
「また何か凄いイケメンをゲットしたのかと思った」
「…イケメンなんてそんなにダンジョンに居てたまりますか…」
最後の言葉を聞いて私はげんなりとする。
イケメン、割と疲れるよ…?
そのまま授業が始まる。
オニキスは教室の後ろのロッカーの上に籠とクッションを置いたらそこで丸まって寝始める。
起きてもその場所から動くこともなく、休み時間になると私のところに来て甘える感じだ。
「賢いね~」
「えらいね~」
「きゅい~」
皆に褒められて小さな前足で顔を抑えて照れるオニキスにクラスメイトが悶えている。
可愛いは正義だよね…なんて思いながら放課後まで何の問題も無く過ごすことが出来た。
「ちょっと顔貸しなさいよ!」
「お断りします」
言って立ちはだかる連れ子愛莉の横を通り過ぎる。
「ちょっと、アタシが来いって言ってるのよ!?」
「やかましい。人に集る暇あるならバイトでもして自分でお金稼ぎなさい」
「っ!なによ!ちょっと良い能力貰って良い男侍らせて良いクランに入ったからって!」
愛莉が顔を真っ赤にして言い始める。
いつもと変わらない勝手な物言いに辟易としてしまう。
「愛莉、ちょっと落ち着こう」
「…そうね。ごめんなさい…」
あの愛莉が謝った!?
その事実に驚きつつも表情出ないように努力する。
愛莉を諫めた相手に視線を向ければ――その相手は私の目に真っ赤に映る。
めちゃくちゃアウトだった。
私のフードに入っていたオニキスが顔だけのぞかせて小さく威嚇の声を出しているのも証拠だ。
先程から何かパチパチと耳元で音がする。
【****の使徒…****から使命を受けて力を授かった元異世界の住人。【魅了】の能力を持つ】
私、どうやら魅了されそうになっているらしい。
でも色々と耐性を持っているし、見えないけれどネックレスに状態異常無効化するリングを通して身に着けてますし…。
「こんにちは、ボクは鷹田 零です」
「はぁ」
握手を求めて手を出されたけれど一歩下がって距離をとる。
使徒こと鷹田は少し肩を竦めて目を伏せただけで、でも愛莉だけは私の態度に『何その態度!』と声を荒げた。
「愛莉、良いんだよ。見知らぬ人にいきなり握手を求められても普通は警戒するよ」
「でも零がせっかく…」
「ありがとう。愛莉がそう思ってくれるだけでボクは嬉しいよ…」
なんか茶番が始まった。
乙女のように顔を赤らめてもじもじする愛莉と胡散臭い笑顔を浮かべる使徒。
『****』とあるから禍の種をダンジョンに送り込んだ奴がまた何かしらアクションを起こしたのだろうと察する。
「…もういいですか?こっちも暇じゃないので」
「ちょっと…!」
「大丈夫。愛莉に姉妹が居るって聞いたから会っておきたかっただけだから」
「零は優しすぎるわ…」
明日は槍が振るのかもしれない――そんな事を考えながら愛莉たちの前から去る。
角を曲がったところで即『転移』である。
「眞守ちゃん?」
「面倒くさいのが現れました」
クラン事務所には白尾さんとチビ狐の姿があった。
「…みんなで聞いた方がよさそうだね、招集するよ」
「お願いします」
本当に面倒くさいことになったと頭を抱える。
私はおじいちゃんとおばあちゃんが残した家を守りたかっただけなのに…。
一応ダンジョン管理神にもメッセージを送っておく。
彼らもダンジョンにちょっかいをかけている存在を今躍起になって探しているようだったから。
「…はぁ、本当に面倒くさいなぁ…」
深くて長いため息を吐けばオニキスがザラリとした舌で頬を撫でて慰めてくれた。
私にとってはどうでもいい事なんだけど、働いていない母とアルバイトもしたことがない愛莉がお金の無心に来ることなんて想像しやすく外れる事もなく。
「お帰りください」
「なによ!あたしはあの子の母親なのよ!」
「お帰りください」
「家族が飢えてるのにひどいじゃない!」
家の前で騒ぐ母子を田淵さんと三橋さんが『お帰りください』のエンドレスで対応している。
あまりにもしつこい場合は即座に警察に連絡を入れて連れて行ってもらう事にしている。
そろそろ呼ぶか…と思っていたら『覚えてなさい!実の母親にこんな仕打ちして!』と言い捨てて帰っていった。
「乗ってきた車とか今まで買い漁ってた宝石とかブランド品売れば暫く暮らせるでしょ。しかもこんなになっても働こうとしないなんてある意味凄い」
「本当に鈴さんの母親なんですか?」
「残念ながら。どうやら見たこともない父の方の血筋が強く出てくれたようです」
「…父親に会ったことはないのですか?」
「記憶にないですね…。母曰く糞真面目過ぎて面白くもなかったらしいんですけど」
それ以降父親の事なんて何も言わないし父親につながる物もなかったので私の中では父親は本当に育ててくれた祖父だけなのだ。
…最近先生が父親っぽくなっているけれど。
「田淵さん達すみません…」
「いえ、ただキーキー喚くだけですからね。毒薬や爆発物を投げてこないだけマシですよ」
「…そんなの居たんですか?」
「少数ですけどね。眞守さんに頂いた能力で難なく撃退できていますが」
「何かあったら絶対に言ってくださいね?」
私のせいで田淵さん達のみに何かあったらと思うと…。
「大丈夫ですよ。幸い眞守さんととんでもない経験・体験していますから他に比べるとどんな状況でも冷静に対応できるメンタルが身につきましたから」
「なんか本当にすみません」
学校に行く時間なのでそれだけいって家を出る。
「きゅい~」
「大人しくしないと次からお留守番だよ?」
「きゅぃ…」
それは困るとオニキスは大人しくフードの中に納まる。
バスの中では静かにと教えたので出て騒ぐことはない。
当初のようにバスの中で黒服がひしめいている事は無くなった。
無くなった代わりに今度は海外勢で見覚えがある顔が代わる代わる入るようになった。
勧誘海外勢バージョンだろうか?
結界で私に近寄れないようにしているので今のところ誰も私に声をかけられていないけれど。
「あぁ、スズ。堀北先生が呼んでました」
「あ。ありがとう」
同じクラスのイリーナが教えてくれた。
最初こそ色々とあったけれど、彼女はどうやら私にそこまでの興味がないらしく勧誘してくることはなかった。
初めに過剰反応したのは、やはり個人情報を回し見したという後ろめたい気持ちからだったと。
他二人は普通に接してくると見せかけてちょいちょい勧誘してくるのでやはり結界の餌食になっている。
「眞守さん大丈夫?」
「朝から疲れる事があって…」
朝からは本当に勘弁してくれと思う。
「そういえばもうすぐテストが近いけど大丈夫?」
「勉強は疎かにしてないよ。一応良い先生が居るから学ぶ環境はばっちりだし?」
「あぁー。今度の土日勉強教えてもらいに行って良い?」
先生が居るもんねと納得した藤森さんが勉強会の提案をしてくれるがその日は残念ながら予定があるのです。
「ごめん、その日は強制的にダンジョンの攻略に連れていかれるんだ…」
「普通ならヒャッハー!って喜ぶと思うんだけど、ダンジョン攻略」
「普通だったらね?でもうちだけじゃなくてうちが不正しているって疑っている所と興味がないっていうところと阿呆が集まったところと行かなくちゃいけないから…。藤森さんも来る?一人分空いてるよ?」
こうなったら道連れを…と思えば藤森さんはさっと私から距離をとる。
「面倒ごとは拗らせた兄貴だけで十分!」
「え、お兄さん拗らせちゃったの?なにを?」
「彼女さんに振られたのがショックだったらしくて…」
「あぁ…」
でもそれは自業自得の部類だしなぁ…。
「女性に優しくできるように練習するってあたし相手になんか馬鹿丁寧に接してくるんだけど…ボロが出ちゃうんだよね…」
遠い目をする藤森さん。
「お互い大変だね…」
「眞守さんに比べるとうちの事なんて些細なことだけどさ」
なんか酷いことを言われた。
呼び出されていたので職員室に向かう。
「先生、お呼びだと聞いて」
「あ、眞守さん。あのね~」
先生の要件は保護者のサインが必要なものがあるという前説明と、授業中オニキスが教室から出ないようにさせてほしいという事だった。
「わかりました」
「あー、あとね…」
最後に先生が申し訳なさそうな声音で言ったのは連れ子愛莉の学校の諸々の入金が先月分入っていないという事だった。
「先生、悪いんですけどあっちサイドと私は無関係です。あっちが私の事で何かすることもないですけど私があっちサイドに何かすることもありません。それは私に言う事じゃなくてあっちの親御さんに言ってください」
「でも…」
「話は終わりですか?失礼しますね」
まだ何か言いたそうにしている先生に頭を下げて職員室から出る。
「堀北先生、悪い先生じゃないけど善意が面倒くさいよねぇ…」
うちの事情は知っているけど『でも家族なんだから困ったときは助け合わなきゃ…!』と普通に言ってしまうような先生である。
何をどう言われたのか知らないけれど私があっちサイドに何かを恵んでやることなんて何もない。
むしろそこまで親身になるのなら先生が人柱になればいいのにと思ってしまう。
「何やらかしたの?」
「いや、やらかしてないよ?授業中オニキスが教室から出ないようにしてほしいって言われただけで」
「また何か凄いものを仲間にしたのかと思った」
「また何か凄いアイテムを手に入れたのかと思った」
「また何か凄いイケメンをゲットしたのかと思った」
「…イケメンなんてそんなにダンジョンに居てたまりますか…」
最後の言葉を聞いて私はげんなりとする。
イケメン、割と疲れるよ…?
そのまま授業が始まる。
オニキスは教室の後ろのロッカーの上に籠とクッションを置いたらそこで丸まって寝始める。
起きてもその場所から動くこともなく、休み時間になると私のところに来て甘える感じだ。
「賢いね~」
「えらいね~」
「きゅい~」
皆に褒められて小さな前足で顔を抑えて照れるオニキスにクラスメイトが悶えている。
可愛いは正義だよね…なんて思いながら放課後まで何の問題も無く過ごすことが出来た。
「ちょっと顔貸しなさいよ!」
「お断りします」
言って立ちはだかる連れ子愛莉の横を通り過ぎる。
「ちょっと、アタシが来いって言ってるのよ!?」
「やかましい。人に集る暇あるならバイトでもして自分でお金稼ぎなさい」
「っ!なによ!ちょっと良い能力貰って良い男侍らせて良いクランに入ったからって!」
愛莉が顔を真っ赤にして言い始める。
いつもと変わらない勝手な物言いに辟易としてしまう。
「愛莉、ちょっと落ち着こう」
「…そうね。ごめんなさい…」
あの愛莉が謝った!?
その事実に驚きつつも表情出ないように努力する。
愛莉を諫めた相手に視線を向ければ――その相手は私の目に真っ赤に映る。
めちゃくちゃアウトだった。
私のフードに入っていたオニキスが顔だけのぞかせて小さく威嚇の声を出しているのも証拠だ。
先程から何かパチパチと耳元で音がする。
【****の使徒…****から使命を受けて力を授かった元異世界の住人。【魅了】の能力を持つ】
私、どうやら魅了されそうになっているらしい。
でも色々と耐性を持っているし、見えないけれどネックレスに状態異常無効化するリングを通して身に着けてますし…。
「こんにちは、ボクは鷹田 零です」
「はぁ」
握手を求めて手を出されたけれど一歩下がって距離をとる。
使徒こと鷹田は少し肩を竦めて目を伏せただけで、でも愛莉だけは私の態度に『何その態度!』と声を荒げた。
「愛莉、良いんだよ。見知らぬ人にいきなり握手を求められても普通は警戒するよ」
「でも零がせっかく…」
「ありがとう。愛莉がそう思ってくれるだけでボクは嬉しいよ…」
なんか茶番が始まった。
乙女のように顔を赤らめてもじもじする愛莉と胡散臭い笑顔を浮かべる使徒。
『****』とあるから禍の種をダンジョンに送り込んだ奴がまた何かしらアクションを起こしたのだろうと察する。
「…もういいですか?こっちも暇じゃないので」
「ちょっと…!」
「大丈夫。愛莉に姉妹が居るって聞いたから会っておきたかっただけだから」
「零は優しすぎるわ…」
明日は槍が振るのかもしれない――そんな事を考えながら愛莉たちの前から去る。
角を曲がったところで即『転移』である。
「眞守ちゃん?」
「面倒くさいのが現れました」
クラン事務所には白尾さんとチビ狐の姿があった。
「…みんなで聞いた方がよさそうだね、招集するよ」
「お願いします」
本当に面倒くさいことになったと頭を抱える。
私はおじいちゃんとおばあちゃんが残した家を守りたかっただけなのに…。
一応ダンジョン管理神にもメッセージを送っておく。
彼らもダンジョンにちょっかいをかけている存在を今躍起になって探しているようだったから。
「…はぁ、本当に面倒くさいなぁ…」
深くて長いため息を吐けばオニキスがザラリとした舌で頬を撫でて慰めてくれた。
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