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「これは、君の望みを叶えるだけだ」
「うん、それでいいよ」
ヨアヒムがバスローブを脱がせるのを手伝う。
生白い肌が晒され、後輩の喉仏が動いた。
「ヨアヒム」
レオも初めてだが、ヨアヒムがガチガチに緊張しているのを見るとなんだか落ち着いてくる。彼のバスローブを引っ張って、唇にキスをする。甘い酒の匂いがした。啄むようにキスをしていると、ヨアヒムが恐る恐るキスを返してくれるようになる。
何度か繰り返したあと、僅かに隙間をあけ、ヨアヒムの舌を迎え入れる。
不器用だがレオの全てを知りたがる欲張りな動きについていく。
ヨアヒムの手を自分の股座へ誘導した。
意図に気付いたヨアヒムは遠慮がちに蕾に触れる。シワを広げるように撫でた後、レオより少し太い人差し指がぬぷりと挿れられる。レオが行ったのは洗浄と拡張、それに潤滑油の仕込みだ。分かってはいたけれど、小さな水音はレオの羞恥心を煽った。
「痛くないか」
「ああ、大丈夫だ」
初心者のレオでは拡張が十分にできなかった。加えてヨアヒムのものは先ほど触っただけで直接見てはいないが、平均より長大であると察せられた。あとの拡張は任せるしかない。
括約筋をほぐすよう、ヨアヒムの指が前後する。異物感はあるものの、耐えられないほどではない。いつになく真面目な様子が可愛くて、再び彼の頬にキスを落とす。
「だから、煽りすぎるな」
「ごめん、ヨアヒムが可愛くて」
揶揄いたくなる。可愛いと言われて不機嫌を隠さないところも、それでも指先はずっと丁寧で優しいところも、全部可愛い。
ヨアヒムの指が進む。
「ん…」
中を広げるような動き。ローションの水音が大きくなって、頬に熱が集まった。
「レオの方が可愛い」
「あ、ん、……そう、かな。一応、年上なんだけど」
「昔も今もレオは内面まで可愛くて美しくて、ずっと僕のものにしたかった」
「もう君のだよ」
「それは──僕が、戸籍上の関係を買っただけだ」
だから大きな意味があるわけではないのだと。
「お前、あ、……は、さっきから、ずっと、……口説いてくる、よな」
「こんなの口説いた内に入らない。ただ今まで言いたかったことの一部を話しただけだ」
くるりと全体を撫で、様子を伺っていた指が腹側の一点を擦った瞬間、下腹部に違和感が走った。
ぴく、とレオが動いたのを目敏く見つけたヨアヒムが反応のあった場所に人差し指を置いた。
「ん、なんかそこ、変だ」
さっきまで動いていた指は一点に触れたまま動かない。
それなのに、じわじわと変な感覚が募っていく。このままだと何かが変わってしまう気がして焦る。
「ねぇ、そこ」
「レオ、多分これが前立腺だ」
「前立腺……」
指南書で読んだことがある。
男性が気持ちよくなれる場所だ。
「でも、俺が風呂で探したときはこんな変な感じはしなかった」
違和感の正体がわかったはずなのに、居た堪れないような焦りはまだある。ヨアヒムの指がそこから全く離れないからだ。触られるのが少し怖くて腰が揺れるけど、ヨアヒムはそのまま追いかけてくる。
「なあ、ちょっと」
「大丈夫、レオがしてくれたみたいに、僕もレオのこと気持ちよくするから」
どこからそんな自信が出てくるのか知らないが、そう言われれば黙るしかない。
気持ちよくしてほしいと誘ったのはレオだし、やる気を漲らせる後輩を前に、応援しない先輩なんていないから。
「ん、う、任せる…」
いじりやすいよう、足を少し広げてみせた。
酷く恥ずかしい。
薄暗くて助かった。
「うん、それでいいよ」
ヨアヒムがバスローブを脱がせるのを手伝う。
生白い肌が晒され、後輩の喉仏が動いた。
「ヨアヒム」
レオも初めてだが、ヨアヒムがガチガチに緊張しているのを見るとなんだか落ち着いてくる。彼のバスローブを引っ張って、唇にキスをする。甘い酒の匂いがした。啄むようにキスをしていると、ヨアヒムが恐る恐るキスを返してくれるようになる。
何度か繰り返したあと、僅かに隙間をあけ、ヨアヒムの舌を迎え入れる。
不器用だがレオの全てを知りたがる欲張りな動きについていく。
ヨアヒムの手を自分の股座へ誘導した。
意図に気付いたヨアヒムは遠慮がちに蕾に触れる。シワを広げるように撫でた後、レオより少し太い人差し指がぬぷりと挿れられる。レオが行ったのは洗浄と拡張、それに潤滑油の仕込みだ。分かってはいたけれど、小さな水音はレオの羞恥心を煽った。
「痛くないか」
「ああ、大丈夫だ」
初心者のレオでは拡張が十分にできなかった。加えてヨアヒムのものは先ほど触っただけで直接見てはいないが、平均より長大であると察せられた。あとの拡張は任せるしかない。
括約筋をほぐすよう、ヨアヒムの指が前後する。異物感はあるものの、耐えられないほどではない。いつになく真面目な様子が可愛くて、再び彼の頬にキスを落とす。
「だから、煽りすぎるな」
「ごめん、ヨアヒムが可愛くて」
揶揄いたくなる。可愛いと言われて不機嫌を隠さないところも、それでも指先はずっと丁寧で優しいところも、全部可愛い。
ヨアヒムの指が進む。
「ん…」
中を広げるような動き。ローションの水音が大きくなって、頬に熱が集まった。
「レオの方が可愛い」
「あ、ん、……そう、かな。一応、年上なんだけど」
「昔も今もレオは内面まで可愛くて美しくて、ずっと僕のものにしたかった」
「もう君のだよ」
「それは──僕が、戸籍上の関係を買っただけだ」
だから大きな意味があるわけではないのだと。
「お前、あ、……は、さっきから、ずっと、……口説いてくる、よな」
「こんなの口説いた内に入らない。ただ今まで言いたかったことの一部を話しただけだ」
くるりと全体を撫で、様子を伺っていた指が腹側の一点を擦った瞬間、下腹部に違和感が走った。
ぴく、とレオが動いたのを目敏く見つけたヨアヒムが反応のあった場所に人差し指を置いた。
「ん、なんかそこ、変だ」
さっきまで動いていた指は一点に触れたまま動かない。
それなのに、じわじわと変な感覚が募っていく。このままだと何かが変わってしまう気がして焦る。
「ねぇ、そこ」
「レオ、多分これが前立腺だ」
「前立腺……」
指南書で読んだことがある。
男性が気持ちよくなれる場所だ。
「でも、俺が風呂で探したときはこんな変な感じはしなかった」
違和感の正体がわかったはずなのに、居た堪れないような焦りはまだある。ヨアヒムの指がそこから全く離れないからだ。触られるのが少し怖くて腰が揺れるけど、ヨアヒムはそのまま追いかけてくる。
「なあ、ちょっと」
「大丈夫、レオがしてくれたみたいに、僕もレオのこと気持ちよくするから」
どこからそんな自信が出てくるのか知らないが、そう言われれば黙るしかない。
気持ちよくしてほしいと誘ったのはレオだし、やる気を漲らせる後輩を前に、応援しない先輩なんていないから。
「ん、う、任せる…」
いじりやすいよう、足を少し広げてみせた。
酷く恥ずかしい。
薄暗くて助かった。
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