6 / 6
これが私のハッピーエンド
しおりを挟む
「王妃になること」
私の言葉にハイノとギルベルトが息を呑んだのがわかった。
そして、回復したのはハイノの方が早かった。
「……あ、だからか! ってエリーゼ、お前陛下を出し抜くなんて」
ふふー。せーいーかーいー。
私がお姉様のためならともかく、アルフォンス王子のためにそんな面倒くさいカードを切るわけないでしょー?
評判が地に落ちた令嬢を王妃に迎えるわけにはいかないものねえ。
あちらさんから縁談はなかったことに……ってすぐに連絡が来るわよう。
今回のことでうまくいったのはお姉様とアルフォンスの婚約破棄、アルフォンスの矯正。お姉様はそのままでも十分だけど、しばらくすれば私が一芝居打ったことに気づくはず。私の裏工作、社交界の裏。それは褒められたことではないけれど、社交界を生きるために必要なことだ。お姉様の堅い考えも変わると良いな。
うまくいった代わりに、失ったもの。
「私の評判が悪すぎて結婚できないかもしれないくらいかなあ」
公爵令嬢という肩書きにも限界があるよね。ぶっちゃけどうでも良いけど。
「「いや、それはない」」
へ?
珍しいこともあるものだねー。
二人の声がぴたりと重なった。
「なんでそんな言い切ってるの?」
ハイノとギルベルトは顔を見合わせて噴き出した。
な、何よー?
「俺かハイノと結婚するだろ? エリーゼは」
「当然だな」
……え? え?
どういう、こと?
混乱している私に二人が悪戯っ子みたいな表情を浮かべる。
「「俺たちはお前が好きってこと」」
……す、き?
「えええええええええええええっ!? 全然そんな素振りなかったじゃない!」
「当たり前だ。お前はずっとポーカーフェイスが大事って言ってただろ」
「気づかれないように表情を作るのには慣れていた」
うーわー。
もしかして私、二人のこと鍛えすぎた?
私の言葉にハイノとギルベルトが息を呑んだのがわかった。
そして、回復したのはハイノの方が早かった。
「……あ、だからか! ってエリーゼ、お前陛下を出し抜くなんて」
ふふー。せーいーかーいー。
私がお姉様のためならともかく、アルフォンス王子のためにそんな面倒くさいカードを切るわけないでしょー?
評判が地に落ちた令嬢を王妃に迎えるわけにはいかないものねえ。
あちらさんから縁談はなかったことに……ってすぐに連絡が来るわよう。
今回のことでうまくいったのはお姉様とアルフォンスの婚約破棄、アルフォンスの矯正。お姉様はそのままでも十分だけど、しばらくすれば私が一芝居打ったことに気づくはず。私の裏工作、社交界の裏。それは褒められたことではないけれど、社交界を生きるために必要なことだ。お姉様の堅い考えも変わると良いな。
うまくいった代わりに、失ったもの。
「私の評判が悪すぎて結婚できないかもしれないくらいかなあ」
公爵令嬢という肩書きにも限界があるよね。ぶっちゃけどうでも良いけど。
「「いや、それはない」」
へ?
珍しいこともあるものだねー。
二人の声がぴたりと重なった。
「なんでそんな言い切ってるの?」
ハイノとギルベルトは顔を見合わせて噴き出した。
な、何よー?
「俺かハイノと結婚するだろ? エリーゼは」
「当然だな」
……え? え?
どういう、こと?
混乱している私に二人が悪戯っ子みたいな表情を浮かべる。
「「俺たちはお前が好きってこと」」
……す、き?
「えええええええええええええっ!? 全然そんな素振りなかったじゃない!」
「当たり前だ。お前はずっとポーカーフェイスが大事って言ってただろ」
「気づかれないように表情を作るのには慣れていた」
うーわー。
もしかして私、二人のこと鍛えすぎた?
0
お気に入りに追加
53
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
悪役令嬢は婚約破棄され、転生ヒロインは逆ハーを狙って断罪されました。
まなま
恋愛
悪役令嬢は婚約破棄され、転生ヒロインは逆ハーを狙って断罪されました。
様々な思惑に巻き込まれた可哀想な皇太子に胸を痛めるモブの公爵令嬢。
少しでも心が休まれば、とそっと彼に話し掛ける。
果たして彼は本当に落ち込んでいたのか?
それとも、銀のうさぎが罠にかかるのを待っていたのか……?
親が決めた婚約者と幸せになれる筈がありません!
真咲
恋愛
親が決めた婚約者……まだ、会ったこともない相手に私は。
全く、これっぽっちも、微塵も、期待していなかった。
別にラブラブしていなくたって、恋愛で幸せになれなくたって、私はお金があればそれでいいんだからね。
そして迎えた面会の日ーー。
私の婚約者は、お金はあるが愛はない、正に私が望んだ婚約者。
……に、見えた。
お金が第一(?)な令嬢の、婚約生活な日常です!
ちょっとほっこりできるかも(?)……さらっと読める短編!
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています
最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。
ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。
ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も……
※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。
また、一応転生者も出ます。
すみません! 人違いでした!
緑谷めい
恋愛
俺はブロンディ公爵家の長男ルイゾン。20歳だ。
とある夜会でベルモン伯爵家のオリーヴという令嬢に一目惚れした俺は、自分の父親に頼み込んで我が公爵家からあちらの伯爵家に縁談を申し入れてもらい、無事に婚約が成立した。その後、俺は自分の言葉でオリーヴ嬢に愛を伝えようと、意気込んでベルモン伯爵家を訪れたのだが――
これは「すみません! 人違いでした!」と、言い出せなかった俺の恋愛話である。
※ 俺にとってはハッピーエンド! オリーヴにとってもハッピーエンドだと信じたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
キャラと設定と文章のノリが最高でした\(^o^)/
eLさん、感想ありがとうございます!!
妹ちゃん、つぇぇー!最恐だわ、
お姉ちゃん好き!なのカワユス!(笑)
感想ありがとうございます(*^^*)
お姉ちゃんのためならたぶん国王も敵に回します笑