遠水連天碧

桂葉

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七章

芳香

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――――――


 玉風は、実に単純な性格をしている。
 清江を好きだと言った、まずはそれを認めてやるだけでいいとのんびり構えていたのだったが、たちまちこちらに余裕がなくなったことに、かなり戸惑ったことをよく覚えている。
 もともと遠慮や配慮の足りない子ではあった。それは幼子の無知のようなもので、教えればなんとかなると思っていたのも、甘かった。
「いいか、君。天上したときに教えられただろう。天界で、色恋は禁止だ」
 なぜ、こんなことを大声で怒鳴らなければならないのか。頭を抱えながらの説教に、しかし相手は全く堪えていなかった。
「まあまあ、落ち着いて。ばれなきゃ問題ないでしょ。確かにあなたほどの神様がこんな若いのを侍らしてたら、体裁はよくないよね。わかる」
 ばれなければいい。これは一つ言いえたことだった。禁じられねばならぬほど横行しがちなものであるし、禁じられたとてなくなってしまうものでもない。しかしそれが人目に隠れて成り立つには、それによる弊害を起こさないことと、節度をわきまえることが必然となるものだ。その重要な部分を、この玉風はまったく理解していないのが問題なのだ。
「そうじゃない。話を聞け」
 疲れとため息が混じる声は、繕う余裕もなく理性を欠いてきた。
 なぜ、こんなことを、こんな若造に、自分などが言い諭さねばならないのか。恋などしたこともない自分が。
 ただし、色は嗜んできた。禁を犯していることは分かっていたが、かつての侍女とはそういう関係だった。しかし、彼女も割り切っていたように、恋は互いに持ち込まなかったのだ。ただ、共にありて肌を寄せ合うだけのものだった。もちろん、この自邸の中だけのことであり、それに溺れて神としての務めをないがしろにすることもなかった。その程度の事ならば、たいていの神は経験しているし、暗黙に目零しされているという現実もあった。
「でもね、心なんて、各々の自由で止められるもんじゃないよ。ましてや恋なんて。僕には無理だ」
 憤然と主張する玉風が近頃どういうことになっているかと言えば、考えるだけで頭が痛む。
 どこにでもついて来る。来たら来たで、必要以上に接近したり、熱っぽい目で見上げてくる。それを、人目もはばからず平気でやる。さすがに参った。
 通りすがる天官には、あからさまに笑われた。「そうですか、どうぞ程々に」と、ほほえましく見守る視線なのだが、それを向けられる方はたまったもんじゃない。窘められないということは、清江の方が信用されているのだということなのだろうが、そう生温く許されてしまうのはかえって座りが悪いのだ。
 さっそく天鳴に見つかった時は酷かった。「隅に置けねえなあ」とまあ、その後は盛大に揶揄われた。長年天女を抱え込んでいたことは天鳴も知っているので、ここで男神が来たことが面白くてならないようなのだ。見たとたん案の定の早合点をして、ぽんと手を打ち、玉風を「小姓」扱いした。以後どれだけ否定しようが、手出しをしていないことを力説しようが、いまだ聞く耳を持っていない。
「止めよとまでは言わん。が、そう大っぴらにはするな。本当に、罰が下るぞ」
 ふだんはわりと平板な話し方をする清江も、こうなっては怒気を鎮める余裕もなく言った。
「大丈夫、僕の片恋だから、あなたは巻き込まないよ」
「既に巻き込んでいるだろうが。天界は暇人ばかりだから、噂の広まるのは早いんだ。いい笑いものだぞ」
「僕は気にしませんけどね」
「玉風! 君というやつは……」
「なあに?」
「もういい。知らん。だが、私に期待はするな。それから、外でそうとわかる行動をとるな。さすがに、次はないぞ。ここを追い出す」
「はーい」
 先だっての功績により、玉風は一躍時のひととなった。清江と組んだというのも、その話題性を盛り上げてしまったようだ。本来ならば玉風など足元にも及ばぬ大神である清江が、あの玉風を御しているというだけで、面白おかしく語り草にされる要素は十分だ。
 同時に、玉風の神格も跳ね上がった。何度も神風が吹いて戦が収まったということで、戦で虐げられていた民たちが崇め始めたのだ。目立つ飛躍を遂げた神は、天界にとっても注目の的になる。
 その上に、これである。清江が玉風を気に入って、それでいい仲になったのだという筋書きが簡単にできあがってしまった。
「だめなのかなあ……」
 玉風に与えた部屋を出ようとしたとき、そんな細い声が清江を引き止めた。
 彼にしては気弱な声色が満更演技でもないことを、清江の耳が聞き分けてしまった。
 つい立ち止まり、肩越しに振り返る。
 しょぼんと肩を落とし、うつむいた玉風の苦笑が目に入った。
「玉風……」
「清江。あなたは流石だよ。古い神だし、水の神だし。落ち着いていて、おとなだ」
「……」
「止められないんだ、僕は、自分を自分で。生まれ持ったものって、けっこう厄介だよね」
 ふいに顔を上げ、頑張って作ったとわかる笑みを向ける。憐れみだったのだろうか、それは清江の心に小さい痛みを伝えた。
 泣き笑い。名付けるならそういう表情だった。それは、天に召された時の、あの天女の顔にも重なるものがあった。切なさだけをそこに留めたような笑みは、ひどく儚い。
「禁を犯さぬ範囲でなら、自由でいい。そう言ったはずだ。君たちほど自由を本性とする神はいない。そのことは理解しているつもりだ」
 引き返して、慰めてやることはできなかった。そうしてしまったら、今は玉風を辛くさせてしまうような気がした。だから戸口に立ち止まったままで、言葉だけを彼に届けた。
 再び前を向いたので、後で玉風がどんな顔をしたのかはわからなかった。ただ、戸を閉める一呼吸前に、
「あなたは優しいね」
 そんな一言が投げかけられた。


◇◇◇


 それから、ほどなく経った日のことだ。
「清江、いい?」そう問われたので、
「聞くのが遅い。そうは思わないか」と、すげなく返した。
 ところは、清江の寝所にて。清江は寝台の上、玉風は清江の上。つまり、体の上に乗り上げられている体勢である。
 この状況になる少し前。夜も更けたので、静かに書を読んでいた手を止め、清江は明かりを消して布団に入った。
 読んでいたのは、人の書いた詩集だった。最近天鳴が地上に降り、人のふりで遊ぶことを気に入っていて、その土産にともらったものだった。
 この国にはたくさんの文人がいて、どうやら最近詩を詠じるのが流行っているらしい。さまざま特徴はあれど、一様に言葉の運びや響きが美しく、詠まれる心情や情景もまた趣深く、清江はその一冊を気に入ってよく読んでいた。
 中には当然のように恋歌も含まれている。しかし、詩はあまりにも美しい言葉で綴られているせいで、実際にどのような心の在り様をそういうのかを、読み取ることはできていない。
 詩人たちは、ただ逢いたいと、遠き空に咲く花に相手への想いを託す。さもありなんとは思うが、それだけでは、心の深いところまではわからない。味わう気持ちの温度さえも、これではなんの参考にもならないと、そう思って詩集を閉じた清江だった。
 月明かりが差し込む宵だった。瞼を伏せても穏やかな光が感じられるほどだ。
 ふいに、廊下で足音が聞こえた。天界に妖の類は存在しないので、それが玉風のものであることは確かだ。眠れず庭でも歩こうというのか、それとも?
 考えていると、部屋の向こうから扉の開く気配がした。どうも、ここに用があったらしい。
「玉風、どうした?」
 声をかけるが返事はない。ただ、気配はこちらへとまっすぐに歩いてきた。
 清江は上半身を起こし、玉風の様子がどこかいつもとは違うことを感じながら、彼の目的を見定めるべくじっと見守っていたのだが。
 彼は、薄い外套にすっぽりと身を包んでいた。白翡翠の色に、月が反射して美しい。
 彼は黙ったままついに清江の寝台までたどり着くと、そっと外套を脱ぎ去り、寝台に膝立ちで乗り上げ、その台詞をのたまった。……そういう次第だ。
「聞いたらダメって言うでしょう?」
「だからといって、これはないと思うがな。君には慎みというものはないのか」
「自由奔放が信条なので。もう、天性のものだから」
「開き直るんじゃない」
 これはもう、他にどう解釈のしようもない、夜這いであろう。
 確かに、人目に触れるようにはするなと言った。しかし、だからといってこれはどうなのだ。さすがに予想外の展開で、清江は呆れを通り越して彼の行動力に恐れ入った。
「あなたが全然構ってくれないのがいけない。仕方なく実力行使ってとこかな」
「部屋に戻りなさい」
「嫌だよ。勇気を振り絞ってきたんだ。恥をかかせないで」
「私のせいか」
 しかもだ。似合っていないでもないのでそれも罪深き問題なのだが、ご丁寧にそれらしいいで立ちで来ているのだ。
 およそ妓女でもこんな淫らな格好はなかなかするまい。袖のない短い上衣は襟を詰めているわりに胸元が開いており、さあどうぞ手を入れてくださいと言わんばかりだ。身をかがめるだけで、隠しておくべき場所までちらりと見えてしまう。腹部もさらされており、袴は腰骨に引っ掛かっている程度のところまで降ろされ、しかも衣は実に薄く、動けば肌の色が透けて見えそうである。どうせその下は何もつけていないに違いない。足は裸足。袴の裾が捲れれば、白い腿がすぐに見え隠れする。とまあ、男の欲をそそるためだけに作られた服を身にまとっており、彼の煽情的な色香と麗しい容姿がそれに全く違和感を与えずいっそ見事だ。
 しかし、本業の男娼でもない者が、よくこのような格好をするものだ。しかも、よりによってこの清江を誘惑するために。
「君、恥ずかしくないのか」
「恥ずかしいに決まってるじゃない。でも、あなたを振り向かせるためにしてる。この努力を無駄にしないでほしいよ」
「そこまでしなくてもいいと言っている」
「じゃあ、いつものままでも、抱いてくれるの?」
「……あのなあ……」
 つ、と玉風の指が清江の胸元に着地した。ちょうど、夜着の襟の合わせ目の上。
 そっけなく応じることで色めかしい雰囲気に持っていくまいとしている清江の努力も、ここで効力を失った。
「あなたが好き」
 艶めいた声が、清江の肌を撫でるようだ。
「あなたが欲しくて、夜も眠れない」
「……」
「ねえ、わからないでしょう。男が、男に抱かれたいなんて思うこと。それを認めるのにどれだけ勇気が要るか」
「……」
「だけどね、僕はあなたが好きで、あなたと触れ合いたいから。僕が抱かれるしかないよね。でも、あなたが振り向いてくれないと、抱かれることはできないんだよ。抱かれることでしか、あなたと繋がれないんだ。必死にもなるよ……」
 玉風の指が、そっと襟をめくった。素肌に、指が走る。
 そして、胸板を撫でていく。女なら感じるらしいその場所にも、何度も触れてきて。
「お願い……」
 そっと、玉風はしなだれかかった。清江の体に身を添わせるようにして覆いかぶさり、そして手を下肢に滑らせていった。
「……っ」
 ここまで煽られてから触れられて、反応せずにはいられなかった。体が急に熱くなる。普段抑えている生来の欲が呼び覚まされた瞬間だった。
「男子の抱き方など、知らんぞ」
「女と同じだよ。しかも、入れる場所は一つしかない」
「……。いいのか。こんなことで」
 こんなこと、が何を指すのかは、わからない。その気になってしまった体に言い訳が欲しかっただけなのだろう。
「僕が望んですることだから。だいじょうぶ。僕がうまくやるよ」
 枕に上半身を預けて仰向けに寝たままの体勢で、玉風に口づけられ、肌をまさぐられ、魔羅を刺激された。それは素直に猛り、もう彼を求めるしかない状態になった。
「よかった。その気になってくれたんだね」
 一度身を起こし、玉風は清江の腹の上にまたがった。
「待て。退きなさい」
「いいの。このまましよ?」
「……」
 彼は艶めかしく腰を一度上げ、そして自ら清江のものを、体にあてがった。それを清江は止めた。
「待ちなさい。それではあんまりだ」
「へ?」
 そんな、ほんとうに男娼のようなことをさせるのが可愛そうになった。こんな奔放さでも、彼も神だ。このような卑しい行為に身をやつしていい存在ではない。
 経験がないにしても、男の体でどこが女の代わりになるくらいはわかる。せめてこちらからしてやらねば、本来矜持の高いはずの彼があまりにも不憫な気がした。
 こんな格好までして、自分で貫かれようなどとは。ここまでさせたのが清江であることに呵責さえ感じられて、たまらなくなった。
「抱いてやる」
「うそ……」
「ここまでしたのなら、抱かせなさい」
「清江!」
 強引に玉風の体を倒し、寝台に転がした。両腕で囲うように覆いかぶさり、見下ろして彼に問う。
「このままがいいか、後ろがいいか」
「このままがいい。あなたの顔が見たい」
「見せたくはないのだぞ」
 こんどは清江が身を起こし、玉風の着ているものを引きちぎって破いた。衣が薄いので、それは呆気ないほどにたやすい。
「私を誘惑するのに、このようなはしたない格好は必要ない。覚えておきなさい」
「じゃあ、どうすれば? 裸で来ればいいの?」
「いつものままでいい。着衣では不満か? もしくは脱がされたくはないか?」
「……清江?」
「龍神をその気にさせたこと、後悔はすまいな?」
「あ……!」
 玉風が声をあげたのは、清江が彼の魔羅に触れたからだった。掌で包むように触れて、それをつつっと滑らせる。すると、既にいいところまで立ち上がっていたそれが、ぐいと硬さを増した。
「この私を誘惑するなど、生意気なことだ」
「や……! 待って!」
「もう音を上げるのか? 不甲斐なしだな。真似事で終わらせるつもりだったか?」
 ねっとりと掌全体を使って撫でまわし、指先で先端を擽ると、玉風は腰を浮かして身もだえを始める。
「あ……、だめ……。なんで……? 話が、違う」
「君が私を侮り過ぎていただけだろう。観念しなさい」
 ひときわ、手の動きを激しくする。するともう堪えきれなくなったようで、玉風が背を反らし、高い声をあげて精を果てた。
「うそ……」
「嘘にしたいならそれでもよいが、まだ終われぬな」
 玉風が果ててすぐでも、こちらに余裕はなかった。足を開かせてそこを眺めると、玉風は慌てたように言った。
「まだ!」
「今ならいっとう心地よくなれるぞ。なぜ止める」
「ちょっとまって、なんであなた、そんななの? 全然違うよね、普段と!」
「普段からこれではさすがにまずいだろうさ」
「って、そういうことじゃなくて。女なら慣れてたの? そんなの聞いてない」
「四の五の言うな。やるぞ」
「……!」
 たった今玉風が吐き出した精を指ですくい、秘所にたっぷりと塗り付ける。そしてそのまま指を差し込むと、そこは簡単に侵入を許した。
 なるほど、自分で慰めてもいたようだ。おかげで傷を恐れて苦労することもなさそうだ。
 誰かと体を繋げる心地よい記憶が脳に蘇り、理性もそろそろ限界だった。閨事はもう何年ぶりになるだろう。侍女が天寿を迎えて消えてから誰も迎えていなかったから、数えるのも億劫なほどの御無沙汰だ。あの感覚を思い出すだけで身震いがする。体が猛り、情欲のままに身を任せてしまいたい。
 刺した指を増やし、かき回して中から撫でて解し、それだけで喘ぎを止められない玉風のとろけた顔に煽られるままに、清江は自身をそこに差し込んだ。
 詰まるように締め付けられたが、ぐいと強引にねじ込んだ。
「ああっ……!」
 悲鳴のような喘ぎが玉風の口から洩れる。
「気をやるなら、絶頂を味わってからにしなさい」
「や、……まだ動かないで!」
「無理を言うんじゃない」
 こっちはもう、あとは攻めるだけのところまで来ている。男の体は思いの外締め付けが強く、苦しいほどだが具合はよかった。それでもできうる限りゆっくりと中を広げながら小さい抜き差しをはじめ、それをだんだんと大きく激しくしていき、しまいには体の欲求のままに強く、何度も中を擦り上げ、そして。玉風の中に精を放った。
「……!」
 大きく体をしならせ、四肢を震わせて、掠れた声で喉を鳴らしたのは、玉風だった。快感がそうさせたのか、あるいは清江が彼の中に放ったもののせいだったのか。
「大事ないか」
 繋がりを解き、そっと覗き込んで問いかけると、いくぶん疲労した笑みで玉風は笑った。
「最高だった」
 満たされた笑みだった。彼は決して男に抱かれることに慣れた体ではなかったくせに、誘い込んで念願を果たしたわけだが、そんな彼を満足させられたことは、清江にとってもまた悪くない気分だった。
「……なによりだ」
「あなた、床で人が変わるね。僕では物足りなかったかもしれない?」
「余計な心配はするな。無理をさせたか?」
「……」
 くしゃ、と玉風の笑みが崩れた。
「あなたは優しいね。ちょっと優しすぎる」
「そうでもないさ」
「ふふ。好きだよ。本当に、あなたが好きだ」
 あまりにも素直な心は、飾られることもなくまっすぐに清江の心を叩いた。
 中に入れて、と。裸のままでそうされては、触れるだけだと言って制限をかけることはできなかった。
「……わかった。もう、好きにするといい」
「嬉しい……」
 玉風の声が震えた。手で顔を隠すから、もしや泣いてでもいるのかと思ったが確かめることはできなかった。代わりに身を寄せ、その白い手に口づけた。
 思われるのは、煩わしいことではないと、この時にようやく感じることができた。


◇◇◇


 以後、二人の仲は急速に深くなった。清江の邸でふたりきりという環境がそれに拍車をかけたところがある。
 玉風によって呼び覚まされた清江の欲は留まることを知らず、玉風が誘えば昼夜問わずに抱き合うという毎日が始まった。
 飽きを嫌う玉風は、いろんな状況で清江を誘った。それに、文句を言いながらも逆らわず、清江は彼の体を愛でる。そこには確かに恋というものも通っていたのだが、互いへの愛を語るよりも強く、体を重ねることが何よりも相手への思いを伝える手段だった。
 酔っていることは重々にわかっていたが、それでいいと思っていた。
 何も、阻むものはない。分別なら清江の方が保っていれば、玉風を御すことはできると。
 風を掴んだのだと、思っていた。

それが大いなる驕りだと気が付くのは、これよりも少し後のことだった。
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