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第3章「救出国外編(10歳時)」
第20話「ジュリアとプリモの移住について」+作者あとがき
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一同、残った大国スパレクト真聖王国教皇猊下のアーチーと大聖女ジュリアを見る。
「大聖女はやらんぞ。そいつは丁度今年、儂の花嫁とするつもりでおったのでな。」
ジュリアは悍ましいと言わんばかりに身震いした。
「であれば、こちらとしては不干渉でチュートリアル地域に放置ですかね。」
「あぁこちらも戻り次第転移ですぐに迎えに行くとしよう。お前はこの大国を敵に回したくなければ、大聖女を放置予定の場所で見張っておれ。」
つまり逃がしはしないと言うわけだ。
「お断りします。そこまでする義理はない。」
頭の中で大国を敵に回すかもしれない可能性についてパトリーノ様に謝った。
「構いません。こういった輩は歴史上、幾度となく攻め入ってきました。また返り討ちにするだけの話です。今回の件がなくても強欲に我らの土地や民を奪いに来るでしょう。」
セーヴが断ると大聖女が口を開いた。
「私にそこまで拘る理由もないはずです。聖女や大聖女など、どこの国もただの肩書。国から多くのポイントを支給され、回復魔法や光魔法を多く収めているだけの宗教上の神輿であり、現実はただの一般人です。特別な才があるわけでもないではありませんか。」
「だからこそだろう。そこまで国の税の一種であるGPをくれてやったのだから、このまま国の神輿として、希望として教皇である儂の嫁となるべきである。」
「古い考えですね。そもそもジュリアは望んで聖女になったの?」
セーヴはジュリアに聖女になった経緯を聞いた。
「転生してしばらくしてからすぐに両親を亡くしました。以来、孤児院で過ごしているうち、いつの間にか何度も役職を昇格されることがありました。そして花嫁の話がでたときに私はプリモと一緒に逃げました。」
話し方は聖女のままだが、セーヴを見つめるその眼は現実世界の怯える一般女性のそれだった。
「そうか。」
「手引きしたお前は罪人共の慰み者として送ってやろうかのぅ。」
そういってアーチーはプリモの方を見た。
プリモの表情は戦慄している。
「ただ、見逃してやってもいい。聖女と騎士を見逃す代わりにお前の横に座っている女2人をよこせ。ボット族は見た目もよく、頑丈で長生き、知識も豊富。国が買えるほどの奴隷もいるという。それならば見逃してやってもよい。」
「豚に劣る劣等種が烏滸がましい 。」
「下等民族は野犬とでも犯ってろ。」
チェリスとフェーロは鬼気迫る顔だ。
セーヴは話を終わらせることにした。
「話は終わりにしましょう。それぞれ元の場所にお返しします。」
帰国するメンバーだけになった時、ジュリアとプリモが不安そうにこちらを見てきた。
「そんな顔するなよ。ちゃんとコンチリアント王国に送るよ。転生してこんな扱いは可哀想すぎるしね。」
「しかし大国が敵に。」
「俺一人でも国と戦うよ。幻想級らしいし。」
ジュリアとプリモが抱き着いてきた。
その光景を見たマシューとジェレミーはその光景をじっと見つめた。
自分一人でも国と戦う。
いくら幻想級と言えど、絶対の勝利はないのに。
そう言えてしまう部分に嫉妬を覚えた。
【帰省してからの約半年後】
「セーヴ。数日後には戦争が始まります。」
パトリーノ様から呼び出された俺は、ボット族は狙われる一族だということを再認識する。
そして俺はこの長い長い地獄の始まりから、大事なものをいくつも失うことになる。
-------------------------------------------------
[あとがき]
どうも、作者です。
いつも読んでいただきありがとうございます!
第3章も終わり、
次はとても短い第4章、
とても長い第5章が待っています!
この度メインPCが修理から戻ってきたので
イラスト、BGMも制作できたらと思います!
今後もお気に入り、コメント、Twitterフォロー、
作品の拡散お願い致します!!
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「大聖女はやらんぞ。そいつは丁度今年、儂の花嫁とするつもりでおったのでな。」
ジュリアは悍ましいと言わんばかりに身震いした。
「であれば、こちらとしては不干渉でチュートリアル地域に放置ですかね。」
「あぁこちらも戻り次第転移ですぐに迎えに行くとしよう。お前はこの大国を敵に回したくなければ、大聖女を放置予定の場所で見張っておれ。」
つまり逃がしはしないと言うわけだ。
「お断りします。そこまでする義理はない。」
頭の中で大国を敵に回すかもしれない可能性についてパトリーノ様に謝った。
「構いません。こういった輩は歴史上、幾度となく攻め入ってきました。また返り討ちにするだけの話です。今回の件がなくても強欲に我らの土地や民を奪いに来るでしょう。」
セーヴが断ると大聖女が口を開いた。
「私にそこまで拘る理由もないはずです。聖女や大聖女など、どこの国もただの肩書。国から多くのポイントを支給され、回復魔法や光魔法を多く収めているだけの宗教上の神輿であり、現実はただの一般人です。特別な才があるわけでもないではありませんか。」
「だからこそだろう。そこまで国の税の一種であるGPをくれてやったのだから、このまま国の神輿として、希望として教皇である儂の嫁となるべきである。」
「古い考えですね。そもそもジュリアは望んで聖女になったの?」
セーヴはジュリアに聖女になった経緯を聞いた。
「転生してしばらくしてからすぐに両親を亡くしました。以来、孤児院で過ごしているうち、いつの間にか何度も役職を昇格されることがありました。そして花嫁の話がでたときに私はプリモと一緒に逃げました。」
話し方は聖女のままだが、セーヴを見つめるその眼は現実世界の怯える一般女性のそれだった。
「そうか。」
「手引きしたお前は罪人共の慰み者として送ってやろうかのぅ。」
そういってアーチーはプリモの方を見た。
プリモの表情は戦慄している。
「ただ、見逃してやってもいい。聖女と騎士を見逃す代わりにお前の横に座っている女2人をよこせ。ボット族は見た目もよく、頑丈で長生き、知識も豊富。国が買えるほどの奴隷もいるという。それならば見逃してやってもよい。」
「豚に劣る劣等種が烏滸がましい 。」
「下等民族は野犬とでも犯ってろ。」
チェリスとフェーロは鬼気迫る顔だ。
セーヴは話を終わらせることにした。
「話は終わりにしましょう。それぞれ元の場所にお返しします。」
帰国するメンバーだけになった時、ジュリアとプリモが不安そうにこちらを見てきた。
「そんな顔するなよ。ちゃんとコンチリアント王国に送るよ。転生してこんな扱いは可哀想すぎるしね。」
「しかし大国が敵に。」
「俺一人でも国と戦うよ。幻想級らしいし。」
ジュリアとプリモが抱き着いてきた。
その光景を見たマシューとジェレミーはその光景をじっと見つめた。
自分一人でも国と戦う。
いくら幻想級と言えど、絶対の勝利はないのに。
そう言えてしまう部分に嫉妬を覚えた。
【帰省してからの約半年後】
「セーヴ。数日後には戦争が始まります。」
パトリーノ様から呼び出された俺は、ボット族は狙われる一族だということを再認識する。
そして俺はこの長い長い地獄の始まりから、大事なものをいくつも失うことになる。
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[あとがき]
どうも、作者です。
いつも読んでいただきありがとうございます!
第3章も終わり、
次はとても短い第4章、
とても長い第5章が待っています!
この度メインPCが修理から戻ってきたので
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