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第3章「救出国外編(10歳時)」

第14話「英雄救出」

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 俺は拠点4の前に立っている。やはりここだけおかしい。
 建物が近代寄りすぎる。
 コンチリアント王国や現実世界ほどではないが、今までが中世くらいの文明だったのに、ここは明らかにデザインが目新しすぎる。
 おそらくこの建物はGPで購入したんだろうな。

 俺は他と同じように壁を消去したり兵を消したりしながら進んでいった。
 トラップの数や質はこちらの拠点が圧倒的に今までより上だったが、施設のサイズ自体は小さかった。
 最後の大きな門に風穴を開けると、十字架のブロックに固定されている10人の姿があった。
 まだらな位置にドアの方向を向いて設置してる。

 俺は部屋の中に入っていった。
 GPで購入したであろう施設なせいか、白い最初の部屋を思い出す。
 捕らわれたこいつらには弱者のような振る舞いがない。
 堂に入っている、とでも言うのだろうか。

 落ち着いてこちらをじっと観察している。
 お互いに黙っていても仕方ないので俺から切り出すことにした。

「俺はボット族の救命士の仕事をしている、セーヴ・アップワーズという者です。あなた達は悪い事でもしてここに捕らわれたのか?それとも理不尽に連れてこられたのかどっちですか?」
 俺が切り出すと10人全員が驚いた顔をした。
 すると正面にいるイケオジが喋った。

「後者です。私達もボット族です。」
「!?」
 この人達もボット族?ということは過去の戦争つながりか?
 イケオジは続けて話す。

「私達は過去の戦争の際に国を守り切ったとはいえ、捕らわれてしまいここに監禁、いえ封印されていました。できれば拘束を解いて頂けるとありがたい。」
 つまりここの封印は俺のスキルで壊せる範囲だから入れたということか。
「それが本当だとして、10人中女が9人というのは何か理由が?」
「男はみんなおもちゃにされるか、この奴隷保管施設から各地のお店に連れていかれました。弱い女もです。ここにいる私は自分で言うのも恥ずかしいのですが軍で最強と謳われておりました。そしてここにいる9人は見目麗しく、かつ戦闘力も高く、知識も豊富。ということで、ここにいる10人は1人あたり複数の国が買えるほどの料金が設定されており数千年どこにも買われずにここで保管されていたということです。」

「なるほど。事情はわかりました。確認します。」
 俺はすぐにパトリーノ様に連絡を取った。
「パトリーノ様聞こえますか?俺の今日の記憶と今の視覚を共有します。真偽の確認をお願いします。」
 俺がパトリーノ様に自分の体の機械の機能を使い情報を共有すると数秒で返事が返ってきた。
「確認できました。大丈夫です。その者の言っていることは真実です。解放してあげてください。」
「了解しました。」


 俺は全員の拘束を同時に破壊した。
 ありえない期間拘束されていたせいか全員髪が伸びまくりだ。
 すると一人が声をいきなり発した。
「幻想級・・・。」
 天使の羽が生えた人が驚く。
「嘘でしょ。10歳。」
「・・・・・・・・・。」

 全員が沈黙したあと、片膝をついて10人は平伏した。
「我ら10人あなたを主と認め、この御恩をお返し致しましょう。」
 いきなり主って言われてもな。
「長年こんな所に閉じ込められて大変でしたね。自我を保っているのがすごいですよ。俺なら、おかしくなってる。ただ助けただけで主認定されちゃったら今日100人以上助けたから、とんでもないことになっちゃうんですよね。とりあえず、これ、布あるから。体に巻いてください。」
 俺は適当に用意した体を包む用の布を渡していった。
 ここに来たときは全員裸だったが、みんなそれぞれ体に着用している。

「拠点1と2の人の時は、チュートリアル地域に転送して待ってもらってたんですけど、制圧済みの拠点3にあとは行くだけだから付いて来てもらっていいですか?あーそれともやっぱり休みます?」
 10人はそれぞれ顔を見合って頷いた。
「それでは御供させて頂いてもよろしいでしょうか主。それと我らに敬語は不要です。」
「わかったよ。」
 俺は全員で転移した。
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