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第九章 再び潤の部屋にて
潤の常識
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「いや、いくらリラックスっていっても、ヌーディストビーチや裸族じゃないんだから、人間なら服は着るもんだぜ。原始人だって腰布くらいするからな」
譲が従弟の潤に忠告した。
「蛇足ながら、この家にいる人全員、潤を狙っていると思います」
僕も、つっこんでおきたくて進言した。
「うーん……わかったよ」
潤は渋々承知した。
「夏じゃないんだから、着ないと風邪ひくぞ」
大洗氏も言った。
「夏にならないかな」
潤が、クローゼットの中身を物色しながら言った。
「南の島にでも移住しろよ」
譲が、あきれたように言った。
「いいねえ、それ」
潤はパンツを履きながら同意した。
「南の島に行っても腰布は巻け。尻は隠せ。でないと、お前、犯されまくるだけだから」
「えー、嫌だ、そんなの」
「嫌って、腰布を巻くのが? それとも、犯されるのが?」
「後者だよ、決まってるでしょ」
「いや、潤、そういうの好きなのかと思って。いまいちわからないんだよね」
「もう! 好きなわけじゃないって、いつも言ってるでしょ!」
潤が怒った。
「そのわりに、興奮するからさ」
譲が言った。
「それは、シチュエーションプレイの話でしょ」
潤が答えた。
「プレイでも本気で嫌なときもあるんだよ。まして、ほんとに犯されたいとか思う人間なんかいないから!」
「そりゃそうだよな。悪かったよ」
「兄さんはドSで変態だからな」
「いっしょに育った弟同然の従弟と寝てる時点で変態かもしれないけど、それ言ったら、親父なんか、息子同然の甥ととかヤバすぎだろ。息子でなくて甥でもだめだから。養育者な時点でだめだから」
譲が、ツッコミを入れた。自分より悪い例をおじ様に見いだして安心しているようだ。
「兄さんって、僕の父様と寝た?」
潤が譲に尋ねた。
「えっ? また、何でいきなりそんな質問するんだよ。そんなことするわけないだろ」
「叔父様が、昔、息子を交換したって言ってたから」
「え? 息子を交換って、いっしょに遊んだり、遊びに連れて行ったり、ってことだろう。それが何で、そんな話になるんだよ」
「そうなの?」
潤は、よくわからないというように叔父様の顔を見た。
「遊んだり……。うん、まあ、そうか……」
おじ様から解答を得られなかった潤は一人でぶつぶつ、つぶやいた。
「あとさ、夫婦交換してたんだって。譲、知ってた?」
潤が、僕の着替えを出してくれながら言った。
「ばか、潤、そういう話、後にしろよ」
譲は、赤くなって言った。大洗氏は、
「私も着替えてから下に行こう」
と出て行った。
「じゃあ、朝食の時に話すね」
潤が譲に言った。譲は、たしなめた。
「それ、朝の食卓の話題じゃないだろ」
「え、だって、さっき後で話せって」
潤は、わけがわからないという風だった。
「スワッピングしてたとか本人の前で言うなってことだよ。というか、聞いてる俺が恥ずかしいんだよ」
譲が、顔を赤くして言った。
「どうして? 本人のいないところで悪口言ったらいけないと思うよ。いいことだって本人の前で言ったほうが嬉しいと思うし。だから本人のいないところで、その人の話するのは、よくないと思う」
潤は、譲の意見には全く同意できないというように言った。
「そういうことじゃなくて、普通、家族で性的な話はしないんだよ」
譲が説明した。
「えー? 家族でやってるのに?」
潤は、驚いて、目を丸くした。
「潤と違って、俺らは実の親子だから」
譲は、言い訳した。
「えー、俺だって叔父と甥だよ? それに交換してたのって、俺の親たちとだよ? だから、本当は、俺たちって、叔父様の子か、父様の子か、どっちかわからないんだって。知ってた?」
潤が、また暴露した。
「誰が、そんなこと言ってた?」
「叔父様だよ」
「そういえば、親父と伯父さんは、嫌に仲良かったよなあ……」
譲は回想しているようだった。
「うん。二人は、恋人同士だったんだって」
潤が、嬉しそうに告げると、譲は、
「はぁ? 何、また寝ぼけたこと言ってるんだ」
と呆れ顔だった。
「愛し合ってたんだって。身も心も」
潤は、目をキラキラさせて言った。
「おいおい、身もって……兄弟で? 俺と昴がってことか……うわっ、怖……ありえねぇ」
譲は、引いていた。
「え? そう? 譲兄と昴兄と俺と三人でしたじゃない?」
譲がいっしょに嬉しがらないことは、潤にとって意外なようだった。
「違うだろ。俺たちは、潤と、したんだ。昴と俺がしたわけじゃない。お前は従弟だからいいんだ」
譲は、潤とは一線を引くような言い方をした。
「そうなの? 俺は、譲とも昴とも、それから叔父様ともしてるよ」
「二代にわたっておかしいってことだな」
譲は、ため息をついた。譲は、潤や親世代のせいにしているようだったが僕から見たら、みんなおかしかった。僕も潤も服を着て三人とも階下へ行った。
譲が従弟の潤に忠告した。
「蛇足ながら、この家にいる人全員、潤を狙っていると思います」
僕も、つっこんでおきたくて進言した。
「うーん……わかったよ」
潤は渋々承知した。
「夏じゃないんだから、着ないと風邪ひくぞ」
大洗氏も言った。
「夏にならないかな」
潤が、クローゼットの中身を物色しながら言った。
「南の島にでも移住しろよ」
譲が、あきれたように言った。
「いいねえ、それ」
潤はパンツを履きながら同意した。
「南の島に行っても腰布は巻け。尻は隠せ。でないと、お前、犯されまくるだけだから」
「えー、嫌だ、そんなの」
「嫌って、腰布を巻くのが? それとも、犯されるのが?」
「後者だよ、決まってるでしょ」
「いや、潤、そういうの好きなのかと思って。いまいちわからないんだよね」
「もう! 好きなわけじゃないって、いつも言ってるでしょ!」
潤が怒った。
「そのわりに、興奮するからさ」
譲が言った。
「それは、シチュエーションプレイの話でしょ」
潤が答えた。
「プレイでも本気で嫌なときもあるんだよ。まして、ほんとに犯されたいとか思う人間なんかいないから!」
「そりゃそうだよな。悪かったよ」
「兄さんはドSで変態だからな」
「いっしょに育った弟同然の従弟と寝てる時点で変態かもしれないけど、それ言ったら、親父なんか、息子同然の甥ととかヤバすぎだろ。息子でなくて甥でもだめだから。養育者な時点でだめだから」
譲が、ツッコミを入れた。自分より悪い例をおじ様に見いだして安心しているようだ。
「兄さんって、僕の父様と寝た?」
潤が譲に尋ねた。
「えっ? また、何でいきなりそんな質問するんだよ。そんなことするわけないだろ」
「叔父様が、昔、息子を交換したって言ってたから」
「え? 息子を交換って、いっしょに遊んだり、遊びに連れて行ったり、ってことだろう。それが何で、そんな話になるんだよ」
「そうなの?」
潤は、よくわからないというように叔父様の顔を見た。
「遊んだり……。うん、まあ、そうか……」
おじ様から解答を得られなかった潤は一人でぶつぶつ、つぶやいた。
「あとさ、夫婦交換してたんだって。譲、知ってた?」
潤が、僕の着替えを出してくれながら言った。
「ばか、潤、そういう話、後にしろよ」
譲は、赤くなって言った。大洗氏は、
「私も着替えてから下に行こう」
と出て行った。
「じゃあ、朝食の時に話すね」
潤が譲に言った。譲は、たしなめた。
「それ、朝の食卓の話題じゃないだろ」
「え、だって、さっき後で話せって」
潤は、わけがわからないという風だった。
「スワッピングしてたとか本人の前で言うなってことだよ。というか、聞いてる俺が恥ずかしいんだよ」
譲が、顔を赤くして言った。
「どうして? 本人のいないところで悪口言ったらいけないと思うよ。いいことだって本人の前で言ったほうが嬉しいと思うし。だから本人のいないところで、その人の話するのは、よくないと思う」
潤は、譲の意見には全く同意できないというように言った。
「そういうことじゃなくて、普通、家族で性的な話はしないんだよ」
譲が説明した。
「えー? 家族でやってるのに?」
潤は、驚いて、目を丸くした。
「潤と違って、俺らは実の親子だから」
譲は、言い訳した。
「えー、俺だって叔父と甥だよ? それに交換してたのって、俺の親たちとだよ? だから、本当は、俺たちって、叔父様の子か、父様の子か、どっちかわからないんだって。知ってた?」
潤が、また暴露した。
「誰が、そんなこと言ってた?」
「叔父様だよ」
「そういえば、親父と伯父さんは、嫌に仲良かったよなあ……」
譲は回想しているようだった。
「うん。二人は、恋人同士だったんだって」
潤が、嬉しそうに告げると、譲は、
「はぁ? 何、また寝ぼけたこと言ってるんだ」
と呆れ顔だった。
「愛し合ってたんだって。身も心も」
潤は、目をキラキラさせて言った。
「おいおい、身もって……兄弟で? 俺と昴がってことか……うわっ、怖……ありえねぇ」
譲は、引いていた。
「え? そう? 譲兄と昴兄と俺と三人でしたじゃない?」
譲がいっしょに嬉しがらないことは、潤にとって意外なようだった。
「違うだろ。俺たちは、潤と、したんだ。昴と俺がしたわけじゃない。お前は従弟だからいいんだ」
譲は、潤とは一線を引くような言い方をした。
「そうなの? 俺は、譲とも昴とも、それから叔父様ともしてるよ」
「二代にわたっておかしいってことだな」
譲は、ため息をついた。譲は、潤や親世代のせいにしているようだったが僕から見たら、みんなおかしかった。僕も潤も服を着て三人とも階下へ行った。
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