潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第四章 お邸の玄関と洗面所にて

譲の誘惑

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「瑤……あっ、兄さん、気持ちいい」
潤は、身体を波打たせた。譲が、潤の股間から頭を上げて、潤の下半身の衣服を脱がせ、片脚からはずし、脚を開かせた。潤の脚をM字に持ち上げて、脚の間を、眺めた。
「いやらしいな、潤。何回やったら気がすむんだ?  さっき、あんなに突いてやったのに。あそこが、挿れすぎて、腫れているぞ。今日は、もう、やめておくんだな」
「いやっ。兄さん、僕をお風呂に入れて」
「いいよ。でも、あそこには、挿れてあげないよ?  お風呂場で、潤に叫ばれたら、声が響くからね」
「叫ばないから、我慢するから、エッチなことしてっ」
「本当か?  潤は、いつもそういうけど、いつもうるさくして、叱られるじゃないか」
潤が怯えて、身体を縮こまらせて言った。
「ぶたれる?」
「うん、いつも鞭でぶたれてるじゃないか」
「いやっ、痛いのいやっ」
「でも、好きなんだろう?  いつも、ぶたれると、あそこを立たせて、俺の所に来るよなあ? 『兄ちゃん、気持ちよくして』って」
「鞭は、いやっ。痛いのはいやっ」
「ふふっ。正直に言ってごらん?  鞭が好きって。ぶたれると、感じちゃいますって」
「違うっ、そんなっ、変態じゃないっ」
「潤は、いい子だよ。変態ないい子。可愛いよ。ずっと放さない」
「捨てない?  俺のこと、捨てない?」
「もっと、いやらしく、もっと変態になって、俺を喜ばせてくれるならね」
「なるよ。俺は、譲の奴隷だから」
「そうだよ。潤は、俺の奴隷だ。可愛いくて、首輪をつけて鎖で繋いでおきたいくらいだよ」
「はぁ、はぁ……」
「いやらしい潤、想像して、感じてるのか?」
「うん」
「潤は、みんなの奴隷だ。みんなに尻を振って、掘られて、また可愛いく欲しがって掘られて、愛撫されて、ぶたれて、欲情させて、それが潤だ」
「違う……」
僕は、つぶやいた。
「そんなの間違っている」
僕は、立ち上がって、脱衣所を出て行こうとした。
「瑤君、そのままの格好で出ていくの?」
譲が呼び止めた。
「さすが、潤の友達だな。潤が選ぶだけある。変態の素質がある。君も飼ってあげようか?」
譲が笑って言った。
「けっこうです」
譲は、立ち上がって、棚から、きちんとたたまれた白いふわふわのバスローブを取って、僕に渡した。
「バスタオル一枚で、家の中を歩くのは、やめてくれよ」
「すみません」
僕は、きれいにたたんであったバスローブを広げた。身体に巻いていたバスタオルの上から羽織った。ふわっと、潤の香りがした。僕が後ろ向きで、バスタオルをはずすと、譲が、後ろから腰を抱きしめてきた。
「ああん」
僕は、腰を強く抱かれて、声が出てしまった。
「したかったの?」
「はい」
「俺は、君も、潤と同じように可愛いがってあげられるよ。そんなにすねないで」
譲の手が、胸をかき分けて、バスローブの下に入ってきた。
「ほら、もうよくなってきた」
譲は、バスローブの裾から手を入れて、お尻を撫でてきた。
「すべすべして気持ちいいね、君のお尻。可愛いよ。とっても可愛い」
譲が、僕の乳首を摘まんだ。
「んっ」
「感じやすいんだね? 可愛い」
譲は、首筋にキスしてきた。
「やっ、あっ」
譲が、吸ったところを舌でなぞってきて、ゾクゾクした。
「気持ちいい、です」
「そう? もっとしてほしい?」
「はい」
潤は? と見ると、起き上がって、ジャケットとズボンを脱いでいた。
「今、湯船にお湯をはってるよ」
潤が譲に言った。脱いだジャケットとズボンを抱えて、脱衣所の戸を開けた潤に、
「お前、その格好で、どこ行くんだ?」
振り返った潤のシャツの前ははだけて、華奢な胸が露わになっていた。黒のボクサーパンツの下には、すんなりした長い脚が棒のように伸びていた。
「クリーニングに出すっていうから渡して来る」
潤は、戸を閉めて行ってしまった。
「バカだな、あいつ。なんだって、あんな格好で」
譲が、あきれたように言った。
「学校でも、あいつって、あんななのか?」
「え? 服は来てます」
譲は、吹き出した。
「そりゃそうだろう。授業中、裸だったら、おかしいだろ」
僕は、さっきの格好で、授業を真剣に聞いている潤の姿を想像してしまった。
「授業どころじゃなくなりますね。先生に目をつけられて、後で呼び出されて……犯されると思います」
潤の兄さんに言うのもなんだったが、うわさからいくとそうだった。
「ヨウ君、何想像してるの? 後でも何も、その場で注意されるでしょ?」
譲が笑った。譲は、だいぶ感性がずれている。
「視姦されると思います。みんな、潤を見て、あそこを触って……」
僕は想像した。
「ヨウ君、興奮しちゃってるんだ? いつも、そんなこと考えて、一人でしてるの?」
「はい……潤のこと、いろいろ想像して……」
「ヨウ君って、正直だね」
と譲は笑った。
「じゃあ、俺も今度からヨウ君の妄想劇場に出演させてもらえるのかな?」
「はい、たぶん……」
「それにしても潤、帰ってこないな。何やってんだ?  その間に、ヨウ君をいただいちゃうぞ?」
「はい」
「え? いいの?」
「いえ、だめです」
「本当は、したくなっちゃったんでしょ?」
話し声を聞いていると、一瞬、潤のようにも思えた。潤のようでいて潤でない。
「指で、してあげようか? 潤を一から開発した指だよ?」
「潤に、されたいです」
「あいつ、できるのかな? いつも、される方だから、無理じゃないかな?」
「でも、入れたいって言ってましたし」
「じゃあ、潤が挿れやすいように、指でほぐしておいてあげようか?  ヨウ君も、早く、潤に挿れられたいだろう?」
「でも、潤に」
「じゃあ、入り口だけにしとこうか? 中には入れないから。入り口を指で触ってあげる。それなら痛くないし、怖くないよ?」
僕は小さくうなずいた。
「いいの?」
「はい」
「可愛いね、ヨウ君」
僕は好奇心と性欲に勝てなかった。譲は洗面台の棚からクリームのような容器を取って蓋を開け、指と手のひらにたっぷりつけて言った。
「せっかく着たけど、脱ごうか?」
僕はバスローブを脱いだ。
「恥ずかしそうな様子が初々しくていいね」
僕はバスローブを銀色のフックにかけた。譲の腕が、優しく僕をつかまえた。
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