潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十五章 晩餐にて

犬の定義

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「勝手に欲情して、ねだって、しかも、いっちゃったからね。食事中に、はしたないよ。犬は、手を使って食べたらだめなんだ」
譲が瑶に説明した。犬と言われている潤は食卓の下で、はぁはぁしていた。
「犬を、しつけてあげてもいいんだよ?」
おじ様が微笑みながら口をはさんだ。
「しつける?」
瑶は聞き返した。
「お尻をたたいたり、命令したり。なんなら、お尻に、その勃たせたものを突っ込んで、犯してあげてもいいんだよ」
おじ様は、にやりと笑った。
「え……」
瑶のほほが恥ずかしさに熱くなった。
「まず裸にしてやらないといけないね。人間じゃないんだから」
譲は、テーブルの下で半裸で四つん這いになって舌を出し犬のようにはあはあしている潤に命令した。
「ジョン、ヨウ君の足を舐めろ」
譲にジョンと呼ばれた潤が、裸で椅子に腰かけていた瑶の裸足を舐めだした。
「うわっ、あっ。これじゃあ、僕も犬になっちゃいます」
瑶は気持ちよさにキャッと叫びそうになりながらうったえた。
「いいね、小犬同士で、じゃれ合うのか」
おじ様が、優雅にナイフとフォークをあやつりつつ、楽しそうに言った。
「犬と人間の違いは?」
瑶が尋ねると、
「食事のマナーを守る、服を着る、生のものを食べないの3つだ」
おじ様は文化人類学の分類か記号論か何かのように答えた。
「じゃあ、僕は、半分犬ですね」
服を着ていない瑶は言った。
「ジョン、ポタージュを早く食べろ」
譲に言われて、潤は、いっしょうけんめいぺろぺろしていた。かわいそうなので、瑶は、パン切れを犬のポタージュのお皿に投げてやった。犬が「ワン」といっていた。
「やっぱり、ヨウ君って、エッチなこと、すごく好きなんだね?」
譲が、感心したように言った。
「だって、この状況で、平然としてられるなんて」
「そうですかねえ」
瑶は食いしん坊なので、おいしそうな食事に気をとられていた。瑶は、クルミや松の実などのナッツ類がたくさん入った、ふわふわではなく、ずっしり重いタイプのパンを、美味しく食んでいた。天然酵母の甘酸っぱい味がした。瑶は、咀嚼を楽しむのに夢中で、てきとうに答えていた。
「じゃあ、触っちゃおうかなぁ?」
瑶は、全粒粉の舌にあたるボツボツした感じを噛みしめて楽しんでいた。譲の左手指が、急に瑶の右乳首に触れた。
「アッ」
瑶は、いきなり色っぽい声を出してしまった。
「やめてくださいよ」
瑶は抗議した。
「ふふ」
譲が嬉しそうに笑った。
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