潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

文字の大きさ
上 下
107 / 369
第十五章 晩餐にて

犬の定義

しおりを挟む
「勝手に欲情して、ねだって、しかも、いっちゃったからね。食事中に、はしたないよ。犬は、手を使って食べたらだめなんだ」
譲が瑶に説明した。犬と言われている潤は食卓の下で、はぁはぁしていた。
「犬を、しつけてあげてもいいんだよ?」
おじ様が微笑みながら口をはさんだ。
「しつける?」
瑶は聞き返した。
「お尻をたたいたり、命令したり。なんなら、お尻に、その勃たせたものを突っ込んで、犯してあげてもいいんだよ」
おじ様は、にやりと笑った。
「え……」
瑶のほほが恥ずかしさに熱くなった。
「まず裸にしてやらないといけないね。人間じゃないんだから」
譲は、テーブルの下で半裸で四つん這いになって舌を出し犬のようにはあはあしている潤に命令した。
「ジョン、ヨウ君の足を舐めろ」
譲にジョンと呼ばれた潤が、裸で椅子に腰かけていた瑶の裸足を舐めだした。
「うわっ、あっ。これじゃあ、僕も犬になっちゃいます」
瑶は気持ちよさにキャッと叫びそうになりながらうったえた。
「いいね、小犬同士で、じゃれ合うのか」
おじ様が、優雅にナイフとフォークをあやつりつつ、楽しそうに言った。
「犬と人間の違いは?」
瑶が尋ねると、
「食事のマナーを守る、服を着る、生のものを食べないの3つだ」
おじ様は文化人類学の分類か記号論か何かのように答えた。
「じゃあ、僕は、半分犬ですね」
服を着ていない瑶は言った。
「ジョン、ポタージュを早く食べろ」
譲に言われて、潤は、いっしょうけんめいぺろぺろしていた。かわいそうなので、瑶は、パン切れを犬のポタージュのお皿に投げてやった。犬が「ワン」といっていた。
「やっぱり、ヨウ君って、エッチなこと、すごく好きなんだね?」
譲が、感心したように言った。
「だって、この状況で、平然としてられるなんて」
「そうですかねえ」
瑶は食いしん坊なので、おいしそうな食事に気をとられていた。瑶は、クルミや松の実などのナッツ類がたくさん入った、ふわふわではなく、ずっしり重いタイプのパンを、美味しく食んでいた。天然酵母の甘酸っぱい味がした。瑶は、咀嚼を楽しむのに夢中で、てきとうに答えていた。
「じゃあ、触っちゃおうかなぁ?」
瑶は、全粒粉の舌にあたるボツボツした感じを噛みしめて楽しんでいた。譲の左手指が、急に瑶の右乳首に触れた。
「アッ」
瑶は、いきなり色っぽい声を出してしまった。
「やめてくださいよ」
瑶は抗議した。
「ふふ」
譲が嬉しそうに笑った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...